バイクシート ウレタンのこと

良く聞かれること。
シートのウレタン(スポンジ、クッション材)は
硬いほうがいい?
柔らかいほうがいい?
結論としては、どっちでもいいんです。
となると話が終わっちゃうけど、お尻の大きさやシートの幅や角度、乗る時間、ソロなのかタンデムなのか・・・いろんなシチュエーションがある乗り方にコレです!というクッションは無いと言うのは正直なところです。
でも、柔らかすぎて沈み込みが大きくてシートベースにお尻の骨が当たったり、硬すぎて着座位置が安定しなかったり、シートの上で跳ねたりするのは良くないですね。
なので、先ずは乗る人の好み優先で柔らかさを決め、その柔らかさとシートの形状やシートベースの形状で硬めや柔らかめに変更すると言う提案をさせてもらってます。
さて、硬さをどうするかの前に一般的な市販車のウレタンがどうなっているか知っていますか?
モールド品と呼ばれる成形ウレタンで出来ています。
型の中にウレタンの原液を注入して発泡させる方法です。

モールド品の断面図です。
表面はスキン層と言われる部分で、被膜のようになっています。
スキン層のすぐ下あたりは写真ではわかりずらいかもしれないですが発泡の密度が高いです。
これは型の中で発泡して型の中で充填されると外側に圧力がかかり密度が高くなるのです。
アンコ抜きをするとシートが柔らかくなってしまった経験はありませんか?
それは、表面層の硬い部分がなくなってしまったからなのです。
最近は発泡不良品を見ることは少なくなりましたが、今まで大きな穴があいていたり、スキン層下の部分が硬すぎて割れた物など数多く見てきました。
当社でアンコ抜きをする場合は、削った後にスキン層の再生に近い形で防水コーティングを施すので極端に柔らかくなったりしません。

全面に貼り付けます。
当社が得意とするのはクッション材の積層です。積層する事によって薄いシートなら底付きしないクッションとなり、分厚いシートなら型崩れしない快適なシートを目指しているところです。
なので、アンコ抜きで薄くなったシートは防水コートしても底付きの恐れがあるので底付き防止にT-NETの挿入をお勧めしております。

コレを入れることで柔らかくても底付きせず、下の写真のように積層を重ねることで厚みのあるシートでも、さまざまな感触を作り出すことできます。

ちなみにオリジナルのスポーツスターシートの中身はこんな感じです。
厚み30mmのクッション材ながら硬さをあまり感じず長距離走行を可能にしてます。

とりとめの無い話になってしまいましたが、ウレタンはシートの要なのでまた書きたいと思います。