椅子の修理 張替

普段使っているダイニングの椅子も20年を超え、今まで幾度となく張替えをしてきたけれど、そろそろ飽きてきた。
壊れているわけではないけど、やっぱり椅子が変わると気分も変わるし、コロナの所為で家にいる時間が長くなると、食事の時に座る椅子が変わることで気分が少しでも良くなると良いなと思いヤフオクを眺めていました。
新品買えよ!と聞こえてきそうですが、壊れた椅子を買ってそれを修理するのもまた楽しみなのです。
椅子屋だからできる楽しみなんです。
そして、探していたらシンプルでよさそうな椅子を発見。
しかも、送料込みで数千円。


格子に編み込んだ革テープが切れてしまっています。
これがこの椅子の重要な部分なのは分かります。これを変えてしまったら意味ないでしょうと言われそうです。
しかし、薄くても座り心地の良い張り込みの椅子のベースとしては良いフレームなんです。
先ずは革テープを外します。(これが一番時間と手間がかかります。恐ろしいほど手間です)


ポリエステルエラストマーの繊維でできた、クッション生地を張り込みます。

このアーロンチェアの座面や背面の生地はご存知でしょうか。
これと性能は同じです。
クッションが無いのに適度な伸びがあるので座り心地とても良いのです。

このままでも使えるのですが、あまりカッコよくないので5mmのウレタンを貼って、生地は家具用のウルトラスエード(アルカンターラ)で張り込んでいきます。


縫製がないボウズ張りという張り込み方法なので、四方の角は慎重に切り込みを入れて張り込んでいきます。
角がしっかり出るのは基本ですが、やはり綺麗にできると嬉しいものです。



とてもシンプルで軽い椅子で気に入りました。

良い感じに仕上がったと思います。

オートバイの椅子も得意ですが、こうした家具の張り込みも野口装美は得意としております。
私より数倍腕の立つ職人が、家具系の椅子張り日記を付けています。
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