なんでもはるよ。クラタスのシート Making of KURATAS seat

いよいよ7/29のお披露目が近づいてきたクラタス。お披露目の場所はワンダーフェスティバルという催しの中と言うことらしいが、ワンダーフェスティバル?略してワンフェス?WF? で、それって何?と検索すると・・・・・・ほほぅ・・・・

話を戻そう。クラタスに搭載するシートのベースは重機のシート。このシートをベースにというか、シートフレームのみを使って新作する。

とりあえず前回現場で軽く打ち合わせた内容で作ってみた。薄くて、なんとなく戦闘機のシートをイメージしたつもりだったんですが・・・薄すぎます、シートの存在感がないです、ホールド性も悪いです・・・と、実際据え付けたことで倉田さんからの要望が見えてきた。要望なんて得てしてそんなもので、経験がないものを何もない状態から形や色をイメージすることは至難の業なんです。だから、一回目でそりゃぁ素晴らしい出来のシートができればいいが、上手くいかないのがだいたいのところ。だから、

僕としてはやり直しの時間も考えて早めに作業に取り掛かったわけなんです。・・それはそうと戦闘機のシートイメージしたって言っても、俺のイメージもどんなもんなのよ!(すみません)って感じではあるけど、まぁそれは良い。たたき台としては良かった。

さて、PVの撮影も差し迫っていることもあり本体の製作に忙しい倉田さんを捕まえてネット会議。早速倉田さんから「やはりボリュームと高さが欲しいからこんなイメージで」と粘土な作品写真が送られてきた。それと同時に、これも倉田さんの製作をバックアップしているカイブツ社の木谷社長が、すぐさまこの粘土作品にCGで色をつけて

きた。いや待て待て。寸法やこのシートの元となるフレーム形状無視じゃないか!と言っても、これは作家倉田光吾郎の作品であり、シートも倉田さんの作品の一部なのである。それを形にするお手伝いなのだから、欲しいと言う形に少しでも近づけるのが職人としての使命でしょう。と、かっこつけて言ってますが、椅子屋の固定観念が色々邪魔をするため中々進めない。

そうは言っても、形にしていかないとはじまらないし終わらないんだ。先ずは第一の要望である横から見たボリューム。でも、座る部分の厚みはそのまま。ヘッドレストの高さ延長。そして質感最重視と言うことで高級本革で行こう!となった。本革は後回しでいい。それを張り込む母体が無いとね。
背のフレームにコンパネをつけてバックレストの高さを延長。写真で見るとバランスが悪い。シートだけではなく、取り付けるコクピット内には油圧系統のバルブやスイッチがたくさんあり、それらがシートに邪魔をすることも判明。だから、少し作業を進めて写真を撮って、ここは大丈夫ですか?と倉田さんに聞く。そうすると、ここが当たりそうなので少し切った

ほうがいいと思います。と、くれば、じゃぁこの部分はこうしましょうと返事をする。このあたりのやり取りはネットのおかげでとてもスムーズにいけた。しかもフェースブックのグループ機能を使っているので携帯電話からどんどん情報を送ってやり取りができるから早い。

そうやって作業を進めていくが、いや、やっぱりそこはちょっとアレですね。変更しましょう。みたいになって、ウレタンを付けては切り取り、切り取っては貼り付けを何度か繰り返す。
椅子単体で見るとなんとなくバランスが悪いけど「コクピットに収まった状態でかっこよくできるので大丈夫」と倉田さんに言われれば怖いものはない。とにかく、先ずはコクピットに収まる寸法を守り、なおかつ操縦するに必要な条件をクリアしたクッション形状を俺は作ればいいんだ。最終形状が見えてきたらウレタンの仕上げをして、いよいよ張り込み。問題は色。これはモニターで確認してもらうしかない。
こんな写真を送ってもイメージできるはずもなく、多少独断も入れて2種類の革を仕入れた。どっちがいいだろう、どっちがいいだろうと何度言っただろう。結局、明るいほうならエイジング加工ができるだろうと言う事で左の革に決定。

この革は張り込みがちょっと厄介で、このシートの張り込みのために、あくまでも勘なんだけど、指定した厚さに薄く漉いてもらった。結果は良好で、張り込みは上手くいった。革の張り込みにはコツがあって、部分部分伸びが違うから上手く伸びるように秘密の方法を使うんです。とっても簡単なことなんだけど、これは内緒。
そして即日梱包、即発送。
でね、最初のシート送った時こんな梱包で送ったんです。「宅急便のお兄さんが笑いながら配達してくれました!」

って倉田さん。だいたい、こんなことにっ労力使うくらいならもっとシートのこと考えろよ俺。

 

 

と反省しつつも、2回目のシートはこんな梱包。 分かりづらい・・。一応、腕や目鼻口が立体的に造形されております。宅急便の人に中身はなんですかと尋ねられて「見たままのロボットですよ」とは言えず「椅子」ですと小さく答えるだけでした。

 
そして、前置きがずいぶん長くなりましたが装着写真がこれです。

いい!自分で言っては元も子もないが、いい感じに収まったと思う。キャメルと言う色も悪くない。これから何度も座って、革が伸びて汚れてくるとさらにいい感じになると思う。

さて、本体だけど、ちなみに昨年のモリコロパークでの仮お披露目ではこんな感じでした

左腕は、色々むき出しのままだったので、なんでもはるよ。と超包帯を巻くお手伝いをさせてもらいました。

そして、現在は
・・・・すげぇ
なんだこのかっこよさは!
しかもなぜかキャンギャルまでいる!
左腕にはガトリングガンが装着されている。しかもツインで!毎分6000発の発射能力を有すると言うこのガン。武器は他にもあることは前回書いたと思うが、とにかく当日のパフォーマンスが楽しみでならない。