超音波ミシン Welding sewing machine

製品を綺麗に仕上げるためには目と腕が重要ではあるけれど、高性能、高機能な機械を使うことで更に製品のグレードは上がります。

やりたいソレがどんな機械で加工できるのか分かっていても、使う頻度が極端に少ない場合や可能性が見出せない場合は、やはり機械の購入はためらってしまいますね。

バイクシートの改造をはじめたときから気になっていたミシン。
超音波ミシン、高周波ミシン・・。
バイクシートで立体的なものは何箇所かでカバー地の切替が入っています。
一般的に切替部分はミシンを使って糸で縫い合わせます。糸で縫うのですから当然針穴が開き、そこから水が浸入します。しかし、バイクシートの多くは糸で繋ぐのではなく、ビニールレザー同士を溶かして繋いでいます。溶着です。そうすることで水の浸入がなくなります。
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色が同じなので分かりづらいですが、2枚のつなぎ目には隙間はなく溶着されています。糸での縫製とは違い、点で繋がっておらず面と言うか線で繋がっています。なので縫いしろも極少なくすみます。
IMG_5297IMG_5298立体の組み立ても出来ます。

古くからある工法なので別に珍しくはないのですが、大手量産メーカー以外ではなかなかこの設備を持っていません。そして、こういう機械を使って量産では出来なかったことを考えたいですね。量産は昔からのメーカーさんに任せておけばいいんです。高価な機械を買ったら量産しなければ宝の持ち腐れのように言う人もいるでしょうが、それは違うと思うんです。それも正解だけど、少し工夫して面白くて、そしてすごいものを作ってみたいじゃないですか。

もちろん今まで通りの針と糸を使った縫製は続けますよ。綺麗なステッチラインとか、糸でしか加工、表現できないものもたくさんあります。
加工方法の引き出しを1つでも多く持っていたいと言うの職人の気持ちですね。
アレがダメならコレ、コレでだめならソレ・・みたいな感じかな。出来ない理由よりも出来ることを考えたいですからね。

で、ノグチシートがこのミシンを導入したのかって?

ふふふ・・・色々考え中なのです。 ^^