重要な部品 Important part

トゥアレグラリーに出場するに当たって、安全装備はもちろんウエアー類を新調したのは言うまでもないのですが、やはりシート屋として外せないのは自分が座るシートです。
IMG_8762地味ですが今回はこれで良いのです。カバーはアルカンターラで張り込みました。
シートの高さはノーマルよりもやや高めで、T-NETとオリジナルウレタン、さらに新素材を加えて走ることにします。ちなみに私の身長は185cm/体重は76kgです。
シート単体で1550gなので、衝撃吸収材を挿入しても重量差は殆どありません。座面形状は、後部にしたがって広くし、前部は足を出しやすくノーマルよりやや細めにシェイプしてあります。

今回シートは20年以上お世話になっているバイクショップトライ様より提供していただきました。ありがとうございました。
1075446_632356440117432_718196745_oオーストラリアのラリーに出場するときに車両の相談をしてから、以来ずっと自分のバイクはトライさんで見ていただいています。私がラリーに参戦する時には、いつも応援していただいており、今回もその期待にほんの少しでも応えられたいいかなと。
KTMの取り扱いも20年以上と長く、安心して整備を頼むことができます。
バイクショップ トライ FBページ

さぁ、シートもオランダに送ったことだし、週末はまた練習だ。
スタートまであと34日

 

ウエルダータックロール Vinyl welding

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シートの座面にタックロール加工や、サイド部分のビニールレザー補強などを今までは3mm、2mmのフラットバーでビニールレザーを押えて溶着してきました。
溶着の良いところはなんと言っても防水性です。糸を使わず2枚のビニールレザーを接合できるので糸切れなどの心配もありません。
フラットバーでも耐久性や見た目にも問題はなかったのですが、純正シートによくある「縫い目模様」が入った型押しがしたいなと考えていました。
しかし、3mmのフラットバーに均一に幅1.5mmの縫い目模様を機械で彫ってもらうには金型のコストのことを考えるとなかなか手が出なかったんです。一発勝負で作ってみるのもありなんだけどそれでは失敗した時に諦めてしまう可能性もある。なので、模様の大小やバーの長さなど色々手軽に試してみたいと常々考えていました。
やはり考えていると10個のうち1個くらい良い案が浮かぶもので、試しにやってみたら大正解!写真のようにステッチラインっぽく仕上がりました。
一度形になってしまえば、そのアレンジは簡単なものなので、今後フラットだけではなくてR形状など考えていこうと思います。

刺繍ミシンと同じで、この機械でできることはだいたい知っているけれど、どうしたらそうなるのかわからない・・・ 高周波溶着の機械を買ったはいいけど、使い方がわからないところからのスタートは同じ。指を大火傷すること2回。知らないが故、その道のプロでも思いつかない荒技も生み出すこともできてなかなか楽しい。

 

練習と言うか。 To Tunisia

目標が出来ると自然に体が動き出しますね。もちろん頭もですけど。
これまで、毎日ジョギングしたり週末は近くの低い山に登り、基礎的な体力は維持し続けてきたつもり。
IMG_3027でも、いつか来るその日のための基礎体力作りも、そのいつかが訪れないとだんだんやらなくなってしまうんですよ。行くぞ!が行けらいいなぁ・・に変わり、宝くじ話をするようになったら末期で、憧れを口にすらしなくなっちゃうんです。まぁ無理に行く必要はないんですけどね。
IMG_5333行くぞと決めるまで、と言うか決めてからもまだ自分の中で葛藤があったりすのですが、トゥアレグラリーにエントリーしてからは毎週末にバイクに乗るようになったし、なによりちゃんと最後まで走って怪我せず帰ってくるための準備に体がテキパキと動くようになりました。
贅沢な自分への刺激ですが、このために仕事して生きてきたわけなので、やるからにはとことん楽しんでこようと思っています。
IMG_7273そのために先ず8の字 ^^ 昨年、スクールに参加して色々教えてもらい、それの復習をしています。
IMG_1081ころころと浮いた丸石の河原をグルグル回ったり。ここも、ニーブリップや踝グリップについて教えてもらった復習。
IMG_8360砂漠の練習なんて日本では無理かなと前回行ったときに思った。けど、なんとなくこんなところも走ったり。
IMG_4153グルグル回るコースが近くにないので、いつもこんな河原を走ってるだけです。
スピードも慣れておきたいなと、林道に行くと、今はこんな感じ。
IMG_4694家から20分の山に行くと雪です。
IMG_5785スピードはそこそこですが、それなりに面白いです。
IMG_1234たいした練習していないけど、前回も同じようなもんだったな。

先日、昨年走ったスペインの選手から「やぁノグチシートすごいね。ダカールは毎日見てたよ。ライアのシートもそうなんだね」とメールが着て、続いて「今年のトゥアレグラリー行くのか?おれは昨年走ったけど、岩岩岩の楽しいレースさ・・へへへ。ホテルと食事は文句ないよ」ってメッセージとビデオが届いた(ブレブレで見難いですが)
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だいたい予想はついているんです。
大きな砂丘はチュニジアにはなくて、こうした岩山や小さな砂丘の連続。主催者の性格か、こうしたセクションが一日に数箇所仕込んであるんです。数百メートルなんだけど、これがけっこうえぐい。モロッコも同じだったからね。
こうしたセクションを越えれば、後はそれほど難しくない道を走り、ナビゲーションさえしっかりしていれば毎日午後の早い時間にゴールできるはず。

後はイメージトレーニング
先のダカールを走ったライダーが1日目からの動画を少しずつアップしているのを見つけた。
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1本の動画は長いけれど、実際走るとこんな感じかな。特に、荒れてて難しい場所なんていうものは長くなくて(もちろん気が遠くなるようなところもあるけれど)ひたすらロードブックどおりに毎日を消化する。

スタートまであと37日

ワッペン Emblem

ワッペンという呼び名はドイツ語なんですね。調べたらそう出てきました。
相変わらず刺繍の勉強を続けております。
ある時、シート職人から「社長、ベトナムワッペンってわかります?」と言われ、知らないと答えると「なんと言うか下手な絵のワッペンと言うか・・」と言う事で調べてみた。
ベトナムワッペンはビンテージ物からそれに似せて作ったものまでちゃんとジャンルが確立された商品のようです。
imagesベトナムワッペンで画像検索をかけるとたくさん出てきます。
この写真を見てもわかるように、けっしてキッチリした絵ではなく、しかも帆布に打ち込んで回りは切りっぱなしと言うルーズな作りかた。ベトナムワッペンが全てそうではないけれど、多くがベトナムの路地裏に店を構えるオバちゃんが1枚ずつ手作りした感じなんです。
なんとなくこれなら練習でできそうだと、トラの絵をベトナムワッペン風に(あくまでもベトナムワッペン風に!)描いて見ました。

ガオーー
IMG_6431・・・・・・・・・ ^^;;;;;
何度も言います、もう少しちゃんとしたトラを描くことはできます。

この絵を元に刺繍データを作っていきます。
ちなみに、刺繍データはこんな感じで見ることができます。
キャプチャ他にもデータを見るモードは数種類あります。素材や柄や刺す本数でそれぞれの柄がずれちゃったりします。作っては補正しての繰り返しは、どの刺繍でも同じです。しかし、今回はベトナムワッペンなので、多少のズレやトラの顔が歪もうがそれが全て味となるので気が楽です。
IMG_6644ニャー
あんまり強そうじゃないけど  できました。
職人も「おぉぉーー これです!」と。
いいのか?緑のトラで?
これを見た職人の友人からも、別色でお願いしますとオーダーを受けて作ったのがこれ
IMG_6643これで良いのか????なぁ、良いのか目が赤と黒で!?? 写真ではわかりづらいけど、ベースは金糸を使っているのでキラキラときれいです。

このまま丸い縁取りに沿ってハサミで切れば完成。
IMG_66456号帆布で織り糸も太いので切った部分は写真のように糸が解けますが、解けた感じがよいそうです。縁取りがあるのでそれ以上は解けないのです。
IMG_6646いろいろ。いろいろなんです。いろいろな中から生まれる事がたくさんある。さかさまのチェッカーフラッグは、なんか違いましたと早速剥がしていた・・^^

ちなみに、もう1つ。自分用にコースターも作ってみた。チリワイン飲みながらダカールの映像観るんですよ。
IMG_6647もちろん、販売できません。個人の楽しみで作ってみただけです。

まだまだ修行は続きます。

トゥアレグラリー マシン  Tuareg Rally 2014

ダカールの熱狂もまだ冷めないうちに、あれなんですが・・・

こんなこと言うのはおこがましいのですが、次は僕の番で ^^;

砂漠が好きでダカールに憧れる「趣味の人」が、ラリーに参加する方法として「こんなやり方もありますよ」と、3月に私が走るトゥアレグラリーについて色々書いていきます。もちろんレース中も色々と発信できたらなと考えています。前回もそうでしたが、現地から発信することが自分のモチベーションアップに繋がりますからね。

とりあえず、マシンがなければラリーを走れないので、今回のトゥアレグラリーはMemo Toursと言うオランダのサポートチームにマシンのレンタルから整備全てをお願いしました。このツアー会社は、先のダカールでも何台かのマシンをサポートしていましたし、トゥアレグラリーも何度もサポートしています。どこでこのツアー会社を探したかと言うと、トゥアレグラリーの主催者に直接「どこか信頼のできるサポートチームありませんか?」と尋ねたところ紹介してもらったのがこのツアーでした。調べるとたくさんあるんですよ、この手のサポートと言うかツアー会社がね。当日まで会うことのない人たちなので、できるだけ信頼の置けるところに頼みたいのが心情なんです。だって、現地に行ったけどマシンも人もいないと言うのは絶対避けたいですからね。

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キャプチャ

マシンはこちらから指定することはせず、レンタルマシンは何ですかと聞いたところ、2012モデルのKTM450EXCですよ。という返事。
「じゃぁシートを作って送るので宜しく」と連絡すると
「タンクが1月半ばにできるので、場合によってはシートベースの改造も必要になるからちょっと待って」と返事が来た。
そしてタンクが出来上がったようだ。
今度乗るマシンの写真が届き全体も見えた。

1506241_452669421523023_642517640_oサイレンサーとタンク近くないか・・・
とりあえずシートの改造は必要なさそうだからよかった。
1524700_452670011522964_1371467318_nたぶんサイレンサーは下げるだろうな。と言うか下げて欲しいな。
1544947_452670188189613_682632462_nこのカウルは本番用かな。ヘッドライトもないし、なんかペラペラだな。基本、夜は走らないからライトは要らないんだけどね。

レンタルバイクにはMD、ICO,GPS(ガーミン60CSX)が装備されているし、エマージェンシーキットまでも揃ってるので、ライディングギア一式持って行けばレースに参加できる。しかも、マップにいたっては€80払えばロール状になったものを買うことができるそうなので、いちいちマップを自分で繋がなくても良い。場合によってはそれを購入しようと思う。

ちなみにこのメモツアーに支払う金額は€3000
レンタルバイク代(ラリー用の装備は全て装備されている)
毎日の整備代
軽食(トゥアレグラリーの夕食は毎日20時からなので、パスタなんかを作ってくれるそうです)
Rタイヤ1本 (必要に応じて、その場で買えます)
エマージェンシーキット
これだけが含まれます。(ちなみにバイクを大破させたり、装備品を壊したら相応のコストがかかり後から請求が来ます)

ちなみにエントリー代は€1700。知らない異国のおじちゃんとの相部屋はつらいので一人部屋を希望し追加で€500 これでレース中のホテルは全て一人部屋を確保できた。

あとはエアチケットとライディングギアがあればスタートラインに並べると言うことになります。

さて、シートは現在製作中です。自分で試せるせっかくの機会なので新しい試みを織り込んだシートで走ろうと思います。  スタートまであと43日
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