ウルトラスエードのお手入れ Maintenance of the ultra suede

ウルトラスエードと言っても、まだアルカンターラという名前のほうが強くて、お客様に説明するときはアルカンターラと言った方が話が早く、それが高級な素材であることも理解いただけるのが現状です。

アルカンターラとかウルトラスエードとかエクセーヌって、その違いは何なの?とよく質問を受けてお答えしていますが、それを説明してる記事があったのでリンクを張っておきます。
しかし、この記事にあるように東レが販売しているエクセーヌとウルトラスエードは同じものではなく、大きく分けるとウルトラスエードは車両専用ブランドでエクセーヌは雑貨用となります。また、イタリアのアルカンターラと今まで日本で製造していたアルカンターラ(現在名はウルトラスエード)も耐久性などの違いがあります。ややこしいですね・・。
更に詳しいことが知りたい方は直接当社にメールください。

この素材については、メンテナンスについてよく質問されるのですが、それほど気にせずお使いくださいとお答えしています。汚れた場合も簡単な洗い方で良いし、防水スプレーや防汚剤等の使用もしないでくださいと説明しています。

さて、ダカールを走って汚れたまま帰ってきたCRF450RALLYのシート
シートは汚れたままでした。
なので、内部の検証をしてから返却するに当たって一旦綺麗にしてと思い、一般の方にも推奨している洗い方で洗ってみました。

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土がこびりついています。

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ブラシや爪などで引っ掻いたレベルでは取れない汚れです。

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バレーダのシートはウユニ塩湖の塩水が染みこんでいるようでした。白く塩が浮いています。生地自体も塩水で固まってごわごわしています。

バレーダのシートは剥がしてカバーのみ洗い、ピゾリトの黒のシートは防水コーティングの効果も再確認するためシートのまま洗いました。
IMG_9118手洗い用石鹸と写真に写っているブラシで少し乱暴に洗ってみました。
とにかくブラシでこする、こする、こする・・・。
何度も水で流し、泡も汚れも出なくなった頃に洗濯終了。

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この時点で黒のシートのスポンジに水の浸入がないことを確認。
乾いたタオルで毛並みに合わせて後から前にタオルを流して水分を取り、天日に干します。

特別な洗い方はしていません。写真で撮った以外の洗いはしていません。
そして結果がこれです。
写真を見ていただければ説明は要らないと思います。

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新品に!とは言いませんが、肌触りや質感、表面の荒れ具合などまだまだ問題ないレベルで、もう1レース使えそうな感じです。

こうした情報をお届けできるのも、世界最高峰のラリーで酷使されるシートを作っているからだと自負しております。
「レースは走る実験室」と本田宗一郎が言ったけれど、まさにその通りだと思います。
勝つために実験を繰り返しながら登っていくんだと思います。
ノグチシートが勝つわけではないけれど、シート屋として勝ちたいことは沢山あります。
そのためにこれからも実験を重ねていきたいと思います。