ノグチシートオリジナル座布団

地味にですが、口コミでボチボチ売れているオリジナル座布団。

在庫がなくなって来たので補充。

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座布団と言えども、なかなか手間のかかる工程があり、滑り止めや表面のメッシュ生地は慎重に職人の手で貼られていきます。
全ての材料が一体化していることに、この座布団の意味があります。

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余分な生地をトリミングして、縁巻きテープで仕上げていきます。

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中の構造は低反発ウレタン(当社が選んだ一番ハードなタイプ)と衝撃吸収材T-NETの組み合わせ+α(ナイショ)です。
低反発ウレタンも様々な感触の物が巷に溢れていますが、座布団に使用する低反発ウレタンは硬度、耐久性など多くの実験から一番良かったものを使用しています。

ちなみに、今までの経験からバイクシートには向かない材料としてノグチシートでは使用していません。ずいぶん昔には使用していましたが、バイク用として満足できない部分があったので、現在のT-NETに変わることになりました。この辺りの説明は長くなりますので省略。

低反発だけのクッションであれば量販店などで安価に買えます。
そんなクッションと同じ土俵で商売をするつもりはなく、低反発ウレタンの良さを生かしつつ、低反発ウレタンの弱点を補う座布団がこの野口オリジナル座布団です。

h12低反発ウレタンの弱点とは、一つは温度依存性。暖かくなると極端に柔らかくなり、寒くなると極端に硬くなる。
二つ目はある程度の厚みがあっても、座ることで底つきをしてしまう。
これらを補うために衝撃吸収材T-NETを底部に配置して底つき感をなくすことで、このように直接床に敷いて使っても底つき感は殆どありません。

h24食当たりでどうしようもない時も、オリジナル座布団はそのつらさを緩和してくれます

昔この座布団の座圧分布表を作ったことがあります。
1これは低反発ウレタンだけで作った座布団。(詳しくは注釈を読んでください)

 

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これは一般的な家具用ウレタンで作った座布団

 

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これがオリジナル座布団の座圧分布表。

3つのグラフを見比べて皆さん同じことを思うと思います。

「グラフの違いがそんなにない」

そうなんです。座ると明らかに違うのですが、グラフにするとそんなに違いが出ないのです。もちろん多少の違いはあるのですが、こうした座布団や快眠ベッドの当社比的なグラフの写真を広告などで見ることがありますが、赤い部分が無くなるとかありえないのです。これは実際の測定方法を見て思いました。逆にその測定方法を用いて、素晴らしい表を作ることは可能ですが、それはインチキなのでやる意味がありません。

何が言いたいのかと言うと、座り心地の良さは製作者の感覚と、数多くの実績からなるものかなと言うことです。

モンゴルラリーのお手伝いを3年ほどした時は、まるでリジットフレームのようなロシアンジープの座席で活躍してくれましたし、ダカールのサポートカーにはなくてはならない座布団になりました。毎日座りっぱなしで絵を描く人のクッションとしても喜んでもらいました。

で、  今回のブログは座布団の宣伝です。

在庫ができましたので、どうぞよろしくお願いします。

 

 

 

ステッチとかオリジナルレザーとか

ダイヤステッチとかタックロールとか、カバーの表面のデコレーションは様々な方法があります。

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こんなダイヤステッチや

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こんなもの。
ステッチをかけるときに挟み込むウレタンの厚みで表情も変わるし、ステッチのミシンの走り方でも表情が変わります。

なので、もっと表情を変えたらどうだろうと実験。
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うーん・・

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普通のミシンでは絶対無理なパターンでやっては見たものの。
みたものの・・ なんかいまいち。当社の縫いの先輩に見せても「なんかすごいけど、シンプルなほうが目が慣れているからいいかな」と、厳しい評価。
刺しゅうミシンでこんなことができることが分かったので、ファイヤーパターンとか、凸凹したキャラクター刺しゅうも行けるかなと。
まぁ実験はやってみないと結果が出ませんからね。
思いついたらやってみる。は、ずっと続きます。

もう一つ

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こっちはなかなかいい感じ。一般的なビニールレザー、少し滑り止め、結構強い滑り止めの3パターン。見た目も革シボ模様や落ち着いたテキスタイル柄。
成分もバイク用に配合してもらい、しかも世界展開しやすいようにRoHs REACH対応 ^^

こっちは現実的になって来たので、早く皆様に届けられるように頑張ります。

 

 

 

CRF1000L AfricaTwin in Vegas to Reno  アフリカツインの改造シート

少し前に書いたアフリカツインのシート配達のブログ

アメリカで行われた「Vegas to Reno」 と言う2日間のレースで使われました。
ライダーはジョニーキャンベル、サイクルニュースのRennie Scaysbrookさん。

日本からRIDER誌編集長の三上さん、そしてアフリカツイン開発の一員である今井さん。

バハ1000と同じように途中でライダー交代しながら走ります。

 

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シートの汚れ方を見たところ、やはりフラットにしたシートは正解だったようでです。実際ライダーからも「腰を引いたりしたときに、引っ掛かりがなくとても快適だった」と言う声をいただきました。

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給油、交代地点の風景はまんまバハ1000ですね。

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重量級マシンで無事ゴールおめでとうございます。

なによりライダー全員の顔がレースの楽しさを物語っています。

シート配達して、ほんとよかったと思う写真です。

FACEBOOKのサイクルニュースやJCRのタイムラインでたくさんアフリカツインの写真が流れたおかげで、5件も海外から問い合わせがありました。あのワンピースのシートは買えるのか?シートを高くしたいんだけど。ジョニーと同じのがいい。など、やはり注目度は高いようです。

さて、9/4はRIDE AFRICA TWIN
私も参加します。シート持って行きますので、現地で試乗いただければと思っています。
こちらも楽しみです。

 

 

砂漠でシートを作ってます。その3  HRC Test in the desert with King of seat.


今回のテストはラリーをしているような錯覚を覚えます。
テストは朝早くから始まり。
テストコースの途中で給油したり、ホテルに戻ると整備の時間。この繰り返し。


今日は砂漠の奥深くに入るため、車の空気圧を落とします。


どんどん砂が増えてきました。


大きな砂丘から眺めてみます。


なかなか広い砂丘群です。モンゴルの砂漠やモロッコの砂漠を見てきたけれど、ここの砂丘もなかなか素敵です。
こんなところでライダーを待ち、マシンチェックと感想を聞きます。

シートの評価も様々。できることは限られるけど、なんとかしたい気持ちで常に考えているけれど、

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とにかく暑すぎる!毎日40度!以上。ジリジリと焦げそうです。


暑すぎる時点でゲンナリするので、アイスでも^ ^
砂漠から出てきたところでジョニーと合流し、これをもらった。この地域では一般的な氷菓子だそうです。

今回、ライダーの生の声が聞けたのは本当によかった。どんな状況でそんな意見が出るのか現場に来ないとわからないことはたくさんあるからね。


100%には遠いかもしれないけど、この積み重ねは大事なことだと自分では思っています。

データと言うか、ライダーそれぞれの好みがわかると今後の進め方も少しは楽になるかな。

バレダとメッジには是非2人でポディウムに上がってもらいたいな。

最後にこれ。

20歳の時に初めての海外でオーストラリアに行って、バイクで追いかけながらラリーを観戦してラリーにとりつかれ、その時たまたま本屋で見つけて買ったこの本。

「HRCのNXR開発奮戦記」

当時はラリーマシンを自分で作って走るため、マシンのことやシートのことなどをよく知るため何度も読んだ本です。文中にたくさん出てくる   現適    正しくは現地適合テストだったでしょうか。その現適に27年後の今、自分が参加しているなんて夢にも思っていませんでした。そんな本と、今回のスタッフとライダーのサイン入りシャツと撮った一枚。

今回なんとなくバッグに忍ばせて持ってきました。帰りの飛行機でもう一度読み返そうと思います。

2017ダカール優勝に向けて、シートも今まで以上の仕上がりに持っていきたいと思います。

さて、砂漠でシートを作ってますもこれでおしまいです。読んでいただきありがとうございました。

砂漠でシートを作ってます。   その2 HRC Test in the desert with King of seat.

テストのフィールドを変えてこんなところに来ました。


随分と砂漠らしさが出てきました。


大きな砂丘は遠くに見えます。

この場所。線路が地平線の果てまで真っすぐ。後ろを見ても真っすぐ。この小屋は何だったんだろう。家?駅?売店?この小屋以外に周りに建物はなし。街までは10数キロあります。この小屋以外、360度何にもありません。小屋の壁には銃弾の跡がたっぷり・・

ここで休憩をしてまだ走り出すのですが、こうした休憩時間にシートの評価を聞いたりします。

今回のテストのために様々な仕様のシートを持ち込みました。


ライダーの好みが優先されるシートは単に高さや座面の広さだけではなく、ライダーにとって最も心地よい感触、もしくは、座っていても違和感を感じ無いというか、シートのことを考えずただひたすら走ることに集中できるものが一番と考えています。


例えばライダーが硬いから柔らかくして欲しいと言ったから、そのまま柔らかくすると、柔らかくなった分沈み込みが大きくなるので、今度は低いと言い出す。そういった感じで、要望に対してしっかりした対応をしないと好みに合うシートが作れません。

又は、加速時にしっかりとお尻をホールドして体が遅れないシートであればいいんだけど、そうでない場合、ライダーからは「お尻が滑る」の一言だったりします。滑り止めのカバーに変えるか、少し沈み込みの良いウレタンに変えるか、その場でなければ伝わらない一言が重要だったりします。


とにかく目の前にライダーが居て、走ったすぐに感想が聞けるのはとても良いです。

サスペンションのようにシートのセッティングを変えて、シートの場合は交換したり、ウレタン足したり引いたりですが、ライダーが  いやー、良くなった!これが好き、この感触この高さ!とか言ってくれると本当嬉しい。

とまぁちょっと真面目なこと言ってますが、美味しいもの食べて、楽しくやっています。
やっと食べることができたIN-N-OUTのハンバーガー。
基本のおつまみおにぎりせんべい。


昨日の夜みんなで食べたステーキの付け合わせで、白いピーマンの焼いたやつだと思って一気に丸かじりしたものがハラペーニョだったおかげで、僕のお尻はガンガン照りつける太陽より熱いです。