フェラーリ チャレンジ仕様 Ferrari seat.

昨年末にF40のシートの張替をし、その後もフェラーリの問い合わせが数件。
今回は「御社のブログにある黒のアルカンターラで張替えた仕様と同じにして欲しい」という依頼でした。

届いたシートは今まで加工実績のない形状だったため、お客様に張り込み仕様変更を提案。

純正品は背もたれと座面部分がシェルのカバーと一体化していたため、伸びが極端に少ないウルトラスエード(アルカンターラ)では皺が取り切れません。
純正で張ってある生地はジャージにウレタンがラミネートされた、伸縮性のある生地なので同じデザインでの再現ができません。
なので、背、座、腿とクッションを3個製作し、シェルだけカバーする形としました。黄色い四角部分は[Ferrari Challenge]の刺繍を入れる位置です。

先ずはカバーを外します。
思った通り、カバー地にラミネートしてあるウレタンは加水分解して粉になっています。粉状になったウレタンは静電気で服に付いたり、車内を舞ったりして不快この上ないので、粉が出始めたシートカバーは早めの交換がお勧めです。
本体のウレタンも見た目には形状を保っていますが、寿命なのでウレタンを取り外します。カーボン/ケブラーのシェルは問題ありません。
ここに新品のウレタンを貼り付けていきます。
ウレタンの形状が出来上がったら、カバーの型取りです。
先ずは仮縫いのようなもので張り込みます。
高価なウルトラスエード(アルカンターラ)の一発勝負ではなく、似たような生地で一度カバーを製作し、張り具合を確かめ、型紙を微調整します。
微調整が終わったら本番です。
クッション部分はパンチングメッシュのウルトラスエード(アルカンターラ)。

シェル部分はパンチング無しで張り替えました。
フェラーリチャレンジの刺繍も自社での刺繍なので問題ありません。

新しいウレタンとウルトラスエード(アルカンターラ)の質感が相まって、パリッと仕上がりました。
ご依頼ありがとうございました。