モトグッチV7 MOTO GUZZI V7

モトグッチV7のシートのご紹介です。

お客様は大型免許を取得されから、様々なメーカーのバイクを購入候補に考えていたところV7の乗り味に魅了されてしまい購入に至ったそうです。
しかし、187/95 股下90という事で、少々窮屈なポジションとなっているのが唯一の悩みという事で相談を受けました。

現状はこのように対策をして乗っているという写真を送っていただきました。
座布団ベースで10cmのあんこ盛りをしているという事でしたが、当社で盛る場合反発のあるオリジナルウレタンで盛るので30-40mm辺りが良いのではという提案をさせていただきました。
最終的には、お客様よりこのようなマンガを描いていただきました。

内容は
衝撃吸収材T-NET挿入
アンコ盛り
張替 ウルトラスエード+ビニールレザー
後部にモトグッチの刺繍
タンデムベルト新作


こうして細かなやり取りを経て完成しました。
座布団を敷くよりかっこよく、座布団を敷いている時より乗り心地が良くなれば幸いです。

 

 

イタリアでツーリング YAMAHA XSR700

自転車イベントの翌日、旅の最終日でもあるこの日にイタリアヤマハのご好意によりXSR700を貸していただきました。
レセプションにはこんなバイクもありました。
カルロス・マスが乗った パリ・ルカップのマシンかな。記憶が確かではないけれど、懐かしいバイクです。
天気は文句のつけようがない青空。気温も30度を下回り、走っていれば気持ちいい。
夕方に帰ってこられる景色の良さそうなルートを聞き一路コモ湖へ。
市街地を抜け、山に入っていく。
標高が上がっていき、コモ湖を見下ろす峠に到着。

当たり前だけど見下ろす景色が日本ではない。家が外国の色だし、山の形も違う。
そして、峠には自転車がいっぱい居ました。
後で聞いたらこの峠は自転車レースの聖地のようなところで、各地からこの峠を越えるために多くの人がやってくるそうです。しかし、この像・・二人のギャップがあり過ぎて見てて悲しくなる。
実際、ここからバイクで下る途中に何台も顔を真っ赤にして上ってくる自転車を見たが、挑戦すらしようと1mmも思わないくらいの勾配、距離、九十九折れでした。
そして、コモ湖に到着。
うーーん、もう全部素敵。
せっかくこんな素敵なところに来たんだからと、コモ湖に面した優雅なレストランに入りました。

バイクなので水で友人と乾杯。
高級なランチと言いつつも、食べたいのがスパゲティだったので、私はコモ湖でとれた鱒のスパゲティ。友人はカルボナーラ

当然どちらも美味しい!
食後には普段絶対に手を出さない甘ーいデザートを食べて再び走ります。

15世紀に建てられた教会で休憩したりして、景色を眺めながら楽しいツーリング。

と、こんな感じでイタリアの旅は終わりです。
こんなにいろんなことを詰め込んだ旅行は初めてだったけど、それだけに飽きることもなくあっという間に時間が過ぎてしまいました。

やっぱり旅はいいですね。
また近いうちに旅に出ることにしよう。

 

 

イタリアでの自転車イベント L’Ambrosiana Milano

先のブログでも話をしました、今回のメインイベント ミラノ警察主催の「L’Ambrosiana」1972年までに製造された自転車が参加条件。もちろん服装もその時代に合ったものが必須。
勿論、私はそんなに古くて貴重な自転車などは持っていないので、イタリア在住の友人の山本さんに貸していただくことになった。私の自転車は1923年製。当時の服装はどんな感じかと山本さんからアドバイスをもらい、靴やソックスはイギリスから取り寄せ、パンツは義父が使っていたニッカポッカ。ハンチングなんて被ったことがないけれど、古い資料を見るとこれにゴーグルといういで立ちが目立ったのでそれを真似てみることにした。

モデナで社会見学を終えた私たちは、ミラノから少し離れた川沿いの小さな町に着いた。彼の住む部屋から見える風景が、川に山に緑と素敵なロケーションでした。

自転車を受け取ってから、体を慣らすため川沿いのフラットなダートを10kmほどサイクリング。これがまた気持ちいいんです。


途中でビールとパニーニ買って、川沿いでゴローンってしながら大人三人でランチ。孵ったばかりの水鳥の雛たちを眺めながらぼんやりする至福の時間。
目を吊り上げて走るレースではないので、気持ちよく完走することが大切。
服装も乱れないように、姿勢よく自転車に乗ること。
細かな調整をし終わったら自転車は完成です。
これが私たちの自転車。100年近く経った今でも当時の新車のようなコンデションを保っている。山本さんの自転車に対する愛情が伝わってきます。

さて、いよいよ当日です。
私たちのチームはこれら自転車のオーナーの山本さんと日本から田代さん、青いシャツは自転車に関する仕事をしつつ本人もレーサーとして自転車に乗るカルロ。
いかがでしょうかこのスタイル。
スタート直前。おじさんの持っている旗は、たしか1959ツールドフランスのものだった。山本さんの提案で、日本人は胸に紺色のハンカチーフ。

他の参加者、約9割がこのようなレーシーなスタイル。
街を走るとこんな感じです。
はっきり言って、私たちは目立っていました。
それも相当目立っていたと思います。
日本人が素晴らしいコンデションの自転車を持ち込み、服装もしっかりしている。なので、たくさん話しかけられ、写真もたくさん撮られました。
その気になれば何人か口説けたのではないかと思うくらい・・。


いよいよスタートして、ミラノの市内から走り出しました。ミラノの街を車を止めて車道を走り抜けるなんてそうそうできる体験ではないです。
私は浮かれまくっていました。
第一チェックポイントでジュースを飲んだあたりから私に異変が・・
汗が止まらず体にまったく力が入らない。坂道などなく、ひたすらフラットな道を走るだけなのに体がきつい。
ここは3つ目のチェックポイント。見てくださいこの格好。服装の乱れは心の乱れとよく言ったもので、心の乱れどころか横になって寝たいくらい心身が乱れ、体が言うことを聞きません。このおじさんはそんな私を見て、遠くから「キャラメルゥーー」って叫びながら飴を持って来てくれました。「これを舐めろ。そうすれば元気になる」って言われれば頑張るしかない。
このおじさんに限らず、みんなが日本から来た、図体はデカいがへたりこんでる私に随分気を使ってくれて、頭の下がる思いでした。ほんと申し訳ない・・。
さらにはチームメイトのカルロにプッシュしてもらい、カルロアシスト自転車により先に進めました。
たぶん熱中症になっていたいたんだろうと思います。
私のスピードに合わせて走らざるを得なったチームの人に申し訳なかったです。

途中のチェックポイントでは集合写真を撮ったり、ダートも数キロ走ったり。
本当なら砂埃が立つ道で、持っていたゴーグルが役に立つはずが、その必要もないレベルのスピードと、集団から遅れる私。
なんとか走り切るというか、何とか最後尾の救急車に乗せられずにゴールにたどり着きました。



そして、昼食を取りながらまったりとしていると、なにやらざわついている。
なんと!この大会名を冠した名誉あるL’Ambrosiana賞を私たちチームがいただいてしまった。
理由は分からない。イタリア語もさっぱり分からないし、理由は特に聞かなかったってのもある。私の走りはともかく、山本さんが用意した自転車、山本さんに指導してもらった服装。あと、少なからずチームのキャラクター。それらが主催者や地元の参加者に受けたのだろうと思う。ちゃんとまじめにこの大会に臨んだ自負は全員にあったしね。
とてもありがたい賞をいただいてしまった。トロフィーには名前が刻まれ、今後も年を重ねるごとに受賞者の名前が増えていくそうです。

このオブジェのうなだれ感がさっきまでの私にそっくりなのが皮肉です。。


イタリアで自転車に乗るなんて今まで考えもつかなったけど。
誘ってもらった友人に感謝し、それに応えるべく簡単に壊れない体も作らなければと誓った日でもありました。
しかし、昨日の会社見学出会った人たちといい、今回の主催者や参加者全てのイタリアの人たちが、なんでこんなに親切で気持ちのいい人たちばかりなんだというのが今回このイベントに出て思った感想です。
今までいろんな国の人に対する偏見というものが私には少なからずあったのですが、毎回自分のその考えが恥ずかしくて反省する事ばかりです。

さて、これで終わりではなく最後にもう一つご褒美が待ってました。

次はバイクでツーリング編です。
もう少し、イタリアのお話を続けさせてもらいます。

 

 

イタリアで社会見学

今回、友人の誘いを受けてイタリアでヴィンテージ自転車のイベントに参加することになった。
さらに、自転車イベントの前にイタリア・モデナで社会見学をさせてもらえるという事になりました。この辺りにはランボルギーニ社をはじめ、板金、内装、レストアなどの工房がたくさんあるそうです。
これら段取りはイタリア在住のスーパーコーディネーターの野口さん。
何がスーパーかって、2日間でこんな見学のコーディネートが出来る人ってたぶんいないのではと思う。ただ見学するだけではなく、野口さんとそれぞれの会社の人たちとの信頼関係がしっかり結ばれているため、初めて行く私たちが信じられないくらい深くて面白い話をしてもらえました。
さて、行った先々の写真を載せていきます。
先ずはランボルギーニの本社
カウンタック、ミウラ、チータ、ウラッコ・・そして最新モデルまで。夢のスーパーカーがずらり。
いきなりこんなのが見られて興奮しまくりだったんだが、これからがなかなかすごいことに。
次に訪れた工房に入って「おぉーーーーっ」って叫んでしまった。
365BB ミウラ 250GTが新車のようにそこにあったんです。
アルミの板を切り出し叩いて型に当てる。
この繰り返し作業。「パテ?そんなものでごまかさないよ。使ったとしてもほんの極薄く使うだけだ」
「古い車は事故で修理してあったりするけど、パテで形を作り直してるものはだめだね。俺たちはそんな修理されて部分を全部新品に作り直すんだ」
そんな話を聞いたけど、職人たちの仕事と型紙や冶具など見るものすべてが新鮮でここでも興奮しっぱなし。

次は工場団地の一角にある内装屋さん。
まさに当社の仕事と同じ!
昨年当社でも施工したF40のシートもそこにあった。
ディノの内装のレストア中で、縫製や張り込みなどたくさん得るものがありました。

そしてエンツォフェラーリ博物館
もうこの辺りまで来ると普通はマヒして感動も薄くなるはずなんだけど、工房で見て聞いた話から、こうして素晴らしい状態で保存されている名車の細かな部分に目がいってしまい、さらに感動が大きくなって行くんです。

次はバッグを専門に作る会社。

バッグと言っても、フェラーリ ランボルギーニ マセラティ ブガッティ・・・・名だたるスーパーカーメーカーの車に積むためのバッグです。もともと社長の親戚がフェラーリを買ったが、トランクに積む適当なバッグがないというので作ったら、これがとても評判よく純正採用されてから各社に広がっていったようです。バッグだけではなくF1のシートの張り込みや革の小物類、ここの仕事もたくさん得るものがありました。

そしてフェラーリ本社。
街にはこうした真っ赤な制服を着た人がたくさん歩いています。
博物館は世界中から観光客が訪れ混雑していました。
どこもそうですが、ブランドは一夜にしてならず。ちゃんとした歴史が今を作っているんだなと感じます。

次はチーズ屋さんなんだけど、個人でマセラティやバイク、トラクターなど地元の宝の保存をしているところへ これが個人所有て言うんだから頭が下がる。
「道楽で集めているんではない。地元の大切な製品をちゃんと守っていかなければならない」という使命感からこうした保存をしてるという話が印象的でした。
そこの息子さんが作っているスピーカー。F1のエキゾーストパイプとスピーカーの組み合わせ。エキパイは全て本物。小物類に至っても純正部品を組み合わせている。世界中に輸出しているそうです。
で、ここの本業のパルミジャーノの倉庫に入れさせてもらいました。
圧巻!この量!きちんと温度管理されて高く積み上げられたこのチーズ。
直売所で買ったので食べるのが楽しみです。

かなり端折って書きましたが、ここで紹介できない工房やコレクションも何カ所か見せてもらい、本当にとても良い見学でした。
今までの仕事のやり方に得た物をどんどん加えていきたいと思います。
最後に、どの工房でも社長以下、すべての社員の方々が私たちの質問に笑顔でためらいなく説明してくれる姿に、自分の仕事に誇りを持って居るんだなと強く感じました。大変な仕事を眉間にしわを寄せてやるのもいいけれど、そんな仕事も余裕を持ってできるように自分の技術と人間性を高く持って行きたいと思います。

次は自転車のイベントについて書きます。

 

 

Vストローム250のシート V-Strom250

今回のご依頼はV-ストローム250のシート改造
自走でこられたお客様とバイクを前にして話をさせていただきましたが、Vストローム250は車格も大きく、250だけど見た目は400か650辺りの迫力があります。カウルも付いており、ケースなどの取り付けも容易なのでツーリングにはとても良いバイクだなと思いました。

さて、今回の要望は
*ライダー部をできるだけ下げる(-50mm)
*ロングツーリングに耐えられるクッション性
*ウルトラスエード(アルカンターラ)での張替

Vストロームのウレタンはノーマル(標準シート)でかなり厚みがあるため、50mm高さを下げてもまだ余裕があるため、前部をシェイプすることで足つきをかなり向上させることができます。

ノーマルよりも後方に腰を引きたいという要望もあったので段付き位置を少し下げました。

また、お客様の好みで積層するウレタンはノグチオリジナルウレタンのハードを選択。これに衝撃吸収材T-NETを積層して完成しました。

希望通りに仕上がったと言う連絡をいただき安心しました。
北海道のツーリングが、より快適に楽しくなることを祈っております。

ありがとうございました。