CRF450L シート加工しました。

連休の半分乗ったところでシートについて思うことが多く出てきたので、早速自分に合わせるための改造を施してみました。
会社が営業している時は、私よりも数倍腕が立つ職人がバイクシート製作の専用ブースで、お客様のシートを日々作っています。
なので、自分のシートは自分で、と言うか職人の邪魔をしない休日をフルに使って一気に仕上げてみました。
一番左がCRF450L、真ん中がCRF450Rのシートです。
ネット情報では日本仕様は海外仕様よりも10mm低いと書いてありました。
という事は、レーサーは95mmで各国の450Lは85mmで日本仕様は75mmという事なのだろうか。うーん、なんだろう。
日本仕様と海外仕様の写真を見ても、10mmの差とは言い難いです。
日本仕様と海外仕様、そしてレーサーの450Rのシートを並べてまたの機会に検証してみます。

さて、日本仕様のシートはウレタンの厚みが一番厚いところで約30mmでした。
そして、私が着座する中央から少し後ろ部分は約20mm。ある程度の硬さとクッション性を持たせたノーマルシートですが、気温の高い今の時期に2時間も乗っていると底つき感を感じます。
なので、とりあえず衝撃吸収材とオリジナルウレタンでRのシートと同じ高さまでアンコ盛りをすることにしました。

ちなみに高さだけならレーサーの450Rのシートをそのままつければよいのですが、ウレタンが一般仕様に向いていません。「硬いだけ」なのです。
硬さと弾力、底付き感のないバランスの良いシートが一般には必要と考えます。構成の簡単な説明です。
ノーマルウレタンを半分ほど削り込み衝撃吸収材を前後に長く敷きます。
その上にオリジナルウレタンを積層して成形します。

この状態は、衝撃吸収材T-NETを張り付け、その後全体にオリジナルウレタンを巻き付けているのでボッテリしただらしない感じになっています。
ここから削り出しとなります。ノグチシートはこういった塊の状態から削り出しをしています。シートの寿命と乗り心地を考えると材料のロスは多いですが、この方法がベストと考えています。
ダカールラリーのシートも同じ構成です。
いわゆる「ダカールスペック」のシートがこれです。シートの幅をノーマルと同じにしたいので、先ずは幅を決めます。
アンコを盛った分、サイドも盛る必要があるため先に述べたように全体にウレタンを貼り付ける必要があります。
座面を削るのですが、この部分もフラットではなく若干Rをつけます。
お尻にフィットさせるための重要な形状です。
一旦取り付けて眺めてみます。
タンク部分に立ち上がる位置を変えています。
ノーマルよりも若干ですが立ち上がりを後ろにずらしています。また、中央より少し後ろの着座部は快適性を求め、見た目におかしくない程度に厚みを増しています。
余談ですがノグチシートのオリジナルウレタンは削った面をとてもきれいに仕上げることができます。ホームセンターで用意できる道具でもここまで仕上げることは可能です。

取り付け確認でポジションは問題なかったのですが、気になった部分があったので追加加工をします。
ノーマルシートはシートの角をRで落とすのではなく、Rも付いていますが面取りする感じに仕上げてあります。赤い三角の部分です。
面を取るより大きくRを付けたほうが内股にやさしいでしょうが、見た目のシャープさは崩したくないので同じように加工してみます。
凄い職人なら他のウレタンでもやってしまうのでしょうが、ノグチシートのウレタンだと、こうした細かい削りが割と容易にできます。
これで、ウレタンは理想の形になりました。
そして完成。

よくある赤黒のパターンですが、先ずは冒険しないでオーソドックスなデザインとしました。サイドに白のレザーもいいかなとも思います。それらは追々やっていきます。
シートの角の面取り部分は、サイドのビニールレザーの厚みで多少ぼけてしまったけれど、写真でもわかる程度に良いラインで影が出ていると思います。
写真並べると、作ったシートは後ろの厚みを増した分よりフラットに見えます。

ちなみに足つきはこんな感じです。
両方のかかとが30mm程度浮く感じです。
ブーツを履けば踵の浮きはもう少し少なくなるでしょう。
このくらいの足つきが好きです。

今回のシートは形状はノーマルに近く、かつ快適性を持たせて近場の林道ツーリングを楽しめるシートがコンセプトでした。
ちなみにあんこ盛りしかできないわけではなく、ノーマル形状で乗り心地を良くすることを考えての改造です。
ラリーであれば座面をワイド化してみたり、しばらくはこれで乗り込んで見て、これからもいろんなバリエーションのシートを作ってみようと思います。
皆様のお問い合わせお待ちしております。