BMW R100GSのシート

生産が終了して20?いや30年経つでしょうか。記憶が定かでなくてすみません。
僕の中のGSはやはりパリダカで、ガストン・ライエは言わずもがなですが、シェック親子、レイモンド・ロワゾーが乗る姿が目に焼き付いております。
そんなロワゾーさんにパリダカの車検場で会った時には感動して握手をしてもらいました。ガストン・ライエさんはバイクから引退後車で参加していた時に、ボルドーの田舎の綺麗と言えないホテルで偶然会ったのも良い思い出です。とても気さくな紳士でした。と、思い出話はこのくらいにして。

生産が終わって旧車になったけれど、まだまだ人気のあるBMW R100GS。
当社にも年間通して多くの改造及び張替の依頼が来ます。
R100GSのシートはシート屋にとっては、なかなか手間のかかるシートなのです。
カバーがリベットで固定されていたり、カバーがシートウレタンに糊付けされているため、剥がすとウレタンがボロボロになってしまい、それを綺麗にならすだけでも結構な作業量となります。
(当社ではウレタンにEVAシートで防水処理を施すため、ウレタンに凸凹があると表面にそのまま出てしまいます。小さな凸凹を隠すための薄い柔らかいウレタンを貼り付けるなどの加工は,着座時の感触も悪くなるのでいたしておりません)

今まで多くのR100GSの張替えをしてきましたが、基本的に色や素材(ビニールレザーかウルトラスエード)の違いはありますが、切替えのデザインはこのタイプに落ち着きました。耐久性や見た目など多くのお客様に喜ばれております。
当社としてはこのデザインが一番間違いないと考えてご提案する次第です。
もちろん、お客様のご希望のデザインも可能です。



当社では例外を除きウレタンにカバーを接着することがありません。
理由として、糊はやがてはがれてくるからです。ノーマルも部分的にはがれているものをたくさん見てきました。
また、当社では先端部にこのような切替が入ります。
理由はこの部分を1枚で張るとシワが発生しやすくなるためです。


張り込み方法はノーマルと同じようにリベットで固定です。

これらがノグチシートのR100GSシートのご提案です。
他社さんでは違う加工をされるかもしれません。それぞれの加工方法があるので、その一つの参考になればと思います。

当然ですが張替えのみならず、衝撃吸収材T-NETの挿入やアンコ盛り、アンコ抜きなどの改造も同時に行えます。
自分はこうしたいんだけど。と言う相談にも乗りますので、先ずはメールか電話でお問い合わせください。

 

 

 

repair of Eames shell chair. 椅子の修理

 

友人からイームズのシェルチェアーを貰いました。
椅子に興味がない人には、なんかよく見る形の古い汚い椅子に見えますが、僕にとってはお宝。
これは友人の会社で長年(たぶん30年以上)使用されていて、廃棄処分前に救われた1脚です。価値のわかる人が持っていたほうが良いからとうちに来ました。シェルの色が渋くてかっこいい1脚です。
座面には4カ所でボルト締めされています。
通常のシェルチェアーならば、シェルの裏側にゴムのベースが接着してあり、それにフレームを取り付けます。
長年使われるうちにゴムが劣化し剥がれて、座面に穴を開けて固定したのでしょう。
オリジナル感が損なわれると言う人もいるでしょうが、これもこの椅子の歴史です。
FRP素材の椅子は最近ではなかなか珍しいのでちゃんと直してずっと使いたいわけです。
足の先のグライズも破損していたので交換です。
インターネットのおかげでこうした部品も、田舎にいながら直ぐに購入可能なのはありがたいです。
シェルに貼りつけるゴムも手配し翌日届きました。
丸の部分をならしてゴムを貼り付けます。
48時間ほど固定します。

そして、固定の為にあけられていた穴をどうするかいろいろと考えました。
パテで埋めて同じような色を塗るか・・
結局こんな感じにしました。
さっきも書いたように穴もこの椅子の歴史なので、穴を隠すようにリベットの頭を接着。パット見た感じはボルト止めしてあるような雰囲気を残しました。
そして完成。

ゴムのブッシュもしっかり接着


これで、これからまたうちで末永く頑張ってもらおうと思います。