ガルル6月号「シート考」 Off road magazine

ガルル6月号の特集は「シート考」

お尻の痛みや足つきの話など書かせていただきました。

異論反論は勿論あるかと思います。常に「もっとこうしたら」とシートの事を考えているので、私の考えも日々変わってきます。その辺りは大目に見てください。

誌面では書ききれなかったことがたくさんあるので、現在シートに付いてお悩みを持っている方は是非ノグチシートにご相談ください。

 

 

HOREX644 OSCA RS のシート

HOREX 644 OSCA RSというバイクのシート依頼がありました。
私の勉強不足で初めて聞く名前のバイクだったので、ネットで調べてみると、大まかにHONDAエンジンを載せたドイツ製のカスタムマシンという事が分かりました。
5aff5272a82b5857ab2643a3fab9a9aad1e0c942_l baioku_customer-img600x450-1499425731vn7cu332423 (1)依頼されたお客様のマシンは下の写真で、希望は上の写真のようにシートの厚みを取り、シートストッパーもあわせて形状を変えたいという内容でした。

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お客様にはこのように、現状のシートを取り付けたままタンクとの当たり面の型紙製作をお願いしました。

お客様からは「職業柄、造形の為の粘土が扱えるのでそれで希望の形を作ってみますとのことでした」
しばらく経ってお客様から届いた写真です。
4.P_20171118_152638_vHDR_On 5.P_20171118_152736_vHDR_On 6.P_20171118_152753_vHDR_On 7.P_20171118_152818_vHDR_On 8.P_20171118_152913_vHDR_On完璧ですね。これを基に改造をします。粘土では可能でウレタンでは不可能な部分は、修正して作ります。
一般の方はここまでの事をすることは無理です。
なので、大きく形状を変えたい場合は、イメージする絵や希望を当社に伝えていただければ、それに合ったご提案をさせていただき、イメージ通りのシートに仕上げていきます。

防水加工をする前のシートを送り、実車に乗せてもらいました。
ちなみに、先日のフリーライド350のシート改造で説明したように、これだけ持ったシートですが外から接着面は確認できません。
単純にウレタンの板を重ねて持っているのではないことが見て分かると思います。

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どうやらシートの前面のタンクに当たる部分が少し干渉し、前部が浮いている状況でした。
この時点で、もう一度修正し確認をしましょうとお客様と話していましたが、バイクを持ってお越しいただけることになり、実車に合わせながらシートの最終の詰めから、張り地のウルトラスエードのインディゴカラーやステッチの糸の色なども打ち合わせができました。やはり実物に合わせるのが早くて確実です。

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そして完成です。

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ポジションも大きく変更でき、ご希望のカラーでまとまったシートが無事貴重なマシンに収まり良かったです。
お客様にも満足いただき、製作側としても安心しました。

このような大幅な改造も承ります。
写真などを添えてご相談いただけるとありがたいです。

 

 

 

トライアンフ スピードトリプルR Triumph SpeedTriple R

お客様からの要望は
サーキット走行や長時間のツーリングに使用する為、シートのボトム素材は、しっかりとした素材とし、表皮や太ももの付け根部分が接する場所は、痛みが出ない様な衝撃吸収素材を使用して頂きたいと考えます。ノーマルの純正シートを25mmアンコ盛りして下さい。表皮はAスウェードでお願いします。色はライトグレーで指定したいと考えます。
と言うものでした。
ldz3kibo25mmのアンコ盛りは、シート先端の立ち上がりが少ないため赤いラインで示すレベルか、25mmがどうしても譲れない場合は、先端からタンクに被るではなく後方に向かってテーパーに立ち上げて盛る方法があります。
今回は赤いラインで盛ることにして、シート高が上がった分足つきを確保するためにシート前部をシェイプすることにしました。

シートには衝撃吸収材T-NETを挿入しました。

IMG_1345IMG_1348IMG_1349装着後の感想をいただきました。
シート受領致し、早速装着致しました。イメージ通りの仕上がりで完璧です。本当にありがとうございます!大満足です!
スピードトリプルR2016モデルに装着しました。このモデルのシートでは困っているライダーが世界中に居ると思います。どうしてもバックステップ装着するとポジションがキツくなるのと、シートの座面がどうにも動きを制約します。
因みにライダーの僕自身ですが、身長177センチ、体重80キロ、股下89センチ。
ノーマルシートでの足つきは、踵までベッタリでした
このアンコ盛り野口シートでは
爪先の裏が付く程度ですが、立ちごけしそうな感じは全くありません。
ポジションは、よりレーシーになりました。素晴らしい仕上がりとイメージ通りなポジションが取れて最高です!
どうもありがとうございます。これでサーキット走行や高速走行が楽になります!”

こちらこそありがとうございました。
理想のシートになったという事で、安心しました。
新しくなったシートで、楽しくライディングを楽しんでいただけたら幸いです。

 

 

リブ付きグリッパーシート Gripper seat with rib.

モトクロスやエンデューロレースに使用するシートカバーの座面に、滑り止め効果を狙った帯やヒダ加工されたモノが付いている物をよく見かけます。
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motoseatこのような感じのものです。各シートカバーメーカーから同じようなものが出ています。座面に帯を縫製することで凸凹ができ、縫いしろのヒラヒラする部分がそれらが抵抗となって、自分の意思とは関係なく体がズレてしまう事がないような効果を狙ったものだと思います。

この方法を否定するつもりはありませんが、自分としては帯縫製のデメリットを解消したく、同じものを作るよりはもう少しグリップ性が出せないか、メンテナンス性もあわせて向上できないか、さらには耐久性も上げたいということでノグチシートからはこんな提案をさせていただきます。

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高周波ウエルダーによるリブ加工です。今までもリブ加工はワークスマシンなどに行ってきましたが、今回は独自に金型を製作して今までより安価にお客様にご提案できるように開発しました。高周波ウエルダー部の強度も裏側に補強を入れることでアップしています。

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高周波でリブを作っているので縫製のように糸は使いません。
IMG_3526リブの高さも選ぶことができます。
IMG_35315mmと3mmの軟質塩ビの芯なので、適度な硬さがあるのでリブの上に座ったときにリブの部分は大きく沈まずお尻に食いつく感じです。それが大きな抵抗となってグリップ効果を発揮します。
IMG_3528写真では分かりづらいかもしれませんが、5mmと3mmの高さの違いが分かるでしょうか。
レース後は高圧洗車機で泥まみれのシートを洗うことが多いと思いますが、ノグチシートで張り替えた場合は、ウレタンに防水コーティングを施しますので水の侵入は一般的なカバーとは比べられないほど防水性は高いです。
サイドの縫製から水は侵入しますが、ウレタンには浸み込まないということです。

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写真に使ったビニールレザーはB-36 この色は廃盤となっていましたが、復活しました。その他B-33黒 B-35青等ございます。他の素材でも同様のリブ加工は可能です。

リブの間隔を不等間隔に配置したり、前後でリブの高さを変えたりとオーダーは自由です。

ご興味を持たれましたら是非お問い合わせください。お待ちしております。

 

 

 

東京モーターサイクルショー 

モーターサイクルショーでは、普段見ることのないバイクに触ったり跨ったりできるのでシート作りには参考になります。
IMG_3515先ずはとにかく跨る。シート高の表示と足つきの関係。同じシート高なのに車種によって全く足つきが違う。シート幅が違えば当たり前なんだけど、実際跨ってその違いを体感することで色々とシート形状のアイデアが湧いてきます。
IMG_3512標準シートを削ったローダウンシートもいくつかありましたが、カタログ上は低いものの低くなる前より内股への干渉が大きくて乗り辛そうだなと思うものもありました。
ハスクの701のようにシート改造ができない作りのシートも、実車を見ないとわからないところです。
ウレタンの硬さも、手で触る感触と座ったときに感じる硬さの違いを確かめるのも楽しかったです。各社それぞれいろんな硬さをバイクによって設定していて、とても参考になりました。
IMG_3497座面の滑り止め加工や
IMG_3500切り替えのパターンなど、参考になるものが多いです。
IMG_3505今回、ウルトラスエードで張られたシートが多く目につきました。
IMG_3499滑り止めレザーのテクスチャーも様々で、これも現物を触って色々と確かめることが出来ました。
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ロゴ印刷や刺繍の技法など、各社色々と工夫があり、とても興味深いです。
こうしていろいろ眺めていると。もっと知りたいことがたくさん出てきて、それを調べつつ当社の技術に落とし込んでいけたらと思います。
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タイヤのメッツラーのブースでは故戸井十月さんが5大陸走破で使用したアフリカツインが展示されていました。
IMG_3502 IMG_3503長旅でシートの座面はボロボロになっているけど、これはこれで旅の軌跡の一つとしてこのままでいいかな。

年に1度はこうして色々眺めて触ることは大事ですね。知ってるようで知らないことばかりです。
と、仕事の目ばかりではなくて、最新機種を含めいろんなバイクを見るのは楽しいです。