シート座面のタックロール Quilting

以前も何度か紹介しましたが、シート座面に施すタックロールの方法について新しい金型が出来たので改めて紹介します。
unnamed高周波ウエルダーの金型は3種類になりました。

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これはダブルステッチによるタックロール。縫製による一般的な方法です。

 

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これはシングルステッチでのタックロール。

 

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これは№1の金型を使って高周波ウエルダーでタックロールにしました。

 

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これは№2の金型で加工。

金型の大きさの限界があるので、基本的には座面とサイドを分ける切替デザインに有効です。

タックロールの凸凹の高さも高周波ウエルダーなら5mmと10mm。縫製なら5mm 10mm 15mmと選ぶことができます。

張替の参考にしていただければ幸いです。

 

 

ウレタンのカット工具 Urethane trimer

 

ノグチシートのオリジナルウレタンは粘りがあるので切りづらく削りづらいです。
アンコ盛り、アンコ抜き、衝撃吸収材T-NETの挿入などで貼り付けたウレタンの余分な部分を落とすためにカッターや特殊な包丁など、ウレタンのカット目的ではない道具を使って素早くきれいに仕上げるようにしています。

仕事はスピードも求められるので、素早くきれいに加工できる道具は常に探しています。
今回偶然こんな道具を見つけました。
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生肉の脂が薄くスライスできてる!
冶具を付けて均一の厚さで削り取ってる!
しかも、滑らか!
さらに
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この機械があれば、ケバブ屋さんも始められる!

早速、日本の代理店へ連絡をして詳細を聞いてみました。
そしたら、ありがたいことに担当の方が出張の際に、当社に来て実演をしてくださるということになりました。

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大きな専用のモーターとかありますが、手で持つ部分は軽くて動かしやすいです。
早速トリミングしてみます。
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確かに薄く、サーーってウレタンを引くことができます。
が、初めてということもあり、きれいに!とまではいきませんでした。
IMG_3471IMG_3468アメリカ製のこの機械は、食肉工場で働く「包丁が使えない」人たちが直ぐに戦力となるための道具と言う説明を担当の方から受けました。
確かにそう言われれば、包丁は職人仕事な感じがするけれど、この機械であれば骨の外しから脂身のスライスまで簡単だなと思いました。

毎日同じことの繰り返しと言うものは飽きが来ます。飽きが来ないように工夫したり、新しいことをしてみたり、そういう刺激がないとせっかくの技術が弛んでしまうと私は思っています。道具もそうで、新しい道具でほんの少しでもストレスがなくなると作業がスムースに進みます。仕事が楽しくなるということとは違いますが、せっかくなら楽が出来たほうがいいと考えています。
ノグチシートの仕事は職人仕事ではあるけれど、良い道具を使ってさらに良い仕事ができるようにしたいと思います。

 

 

リブ付きグリッパーシート Gripper seat with rib.

モトクロスやエンデューロレースに使用するシートカバーの座面に、滑り止め効果を狙った帯やヒダ加工されたモノが付いている物をよく見かけます。
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motoseatこのような感じのものです。各シートカバーメーカーから同じようなものが出ています。座面に帯を縫製することで凸凹ができ、縫いしろのヒラヒラする部分がそれらが抵抗となって、自分の意思とは関係なく体がズレてしまう事がないような効果を狙ったものだと思います。

この方法を否定するつもりはありませんが、自分としては帯縫製のデメリットを解消したく、同じものを作るよりはもう少しグリップ性が出せないか、メンテナンス性もあわせて向上できないか、さらには耐久性も上げたいということでノグチシートからはこんな提案をさせていただきます。

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高周波ウエルダーによるリブ加工です。今までもリブ加工はワークスマシンなどに行ってきましたが、今回は独自に金型を製作して今までより安価にお客様にご提案できるように開発しました。高周波ウエルダー部の強度も裏側に補強を入れることでアップしています。

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高周波でリブを作っているので縫製のように糸は使いません。
IMG_3526リブの高さも選ぶことができます。
IMG_35315mmと3mmの軟質塩ビの芯なので、適度な硬さがあるのでリブの上に座ったときにリブの部分は大きく沈まずお尻に食いつく感じです。それが大きな抵抗となってグリップ効果を発揮します。
IMG_3528写真では分かりづらいかもしれませんが、5mmと3mmの高さの違いが分かるでしょうか。
レース後は高圧洗車機で泥まみれのシートを洗うことが多いと思いますが、ノグチシートで張り替えた場合は、ウレタンに防水コーティングを施しますので水の侵入は一般的なカバーとは比べられないほど防水性は高いです。
サイドの縫製から水は侵入しますが、ウレタンには浸み込まないということです。

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写真に使ったビニールレザーはB-36 この色は廃盤となっていましたが、復活しました。その他B-33黒 B-35青等ございます。他の素材でも同様のリブ加工は可能です。

リブの間隔を不等間隔に配置したり、前後でリブの高さを変えたりとオーダーは自由です。

ご興味を持たれましたら是非お問い合わせください。お待ちしております。

 

 

 

東京モーターサイクルショー 

モーターサイクルショーでは、普段見ることのないバイクに触ったり跨ったりできるのでシート作りには参考になります。
IMG_3515先ずはとにかく跨る。シート高の表示と足つきの関係。同じシート高なのに車種によって全く足つきが違う。シート幅が違えば当たり前なんだけど、実際跨ってその違いを体感することで色々とシート形状のアイデアが湧いてきます。
IMG_3512標準シートを削ったローダウンシートもいくつかありましたが、カタログ上は低いものの低くなる前より内股への干渉が大きくて乗り辛そうだなと思うものもありました。
ハスクの701のようにシート改造ができない作りのシートも、実車を見ないとわからないところです。
ウレタンの硬さも、手で触る感触と座ったときに感じる硬さの違いを確かめるのも楽しかったです。各社それぞれいろんな硬さをバイクによって設定していて、とても参考になりました。
IMG_3497座面の滑り止め加工や
IMG_3500切り替えのパターンなど、参考になるものが多いです。
IMG_3505今回、ウルトラスエードで張られたシートが多く目につきました。
IMG_3499滑り止めレザーのテクスチャーも様々で、これも現物を触って色々と確かめることが出来ました。
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ロゴ印刷や刺繍の技法など、各社色々と工夫があり、とても興味深いです。
こうしていろいろ眺めていると。もっと知りたいことがたくさん出てきて、それを調べつつ当社の技術に落とし込んでいけたらと思います。
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タイヤのメッツラーのブースでは故戸井十月さんが5大陸走破で使用したアフリカツインが展示されていました。
IMG_3502 IMG_3503長旅でシートの座面はボロボロになっているけど、これはこれで旅の軌跡の一つとしてこのままでいいかな。

年に1度はこうして色々眺めて触ることは大事ですね。知ってるようで知らないことばかりです。
と、仕事の目ばかりではなくて、最新機種を含めいろんなバイクを見るのは楽しいです。

 

 

 

モトグッツィV7Ⅱ シンイチロウ アラカワ

東京モーターサイクルショーに行ってきました。

 

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目的は色々あるんですが、先ずはノグチシートの作品を真っ先に見ること。先ずはSHINICHIRO ARAKAWA氏プロデュースのMOTO GUZZI V7Ⅱ
v7stone_1ベース車はこれ。このマシンがSHINICHIRO ARAKAWAによってカスタムされます。もちろん当社の担当はシート。
ちなみに今までもアラカワ氏プロデュースによるマシンのシートを作らせていただきました。
キャプチャ細かな指示がシートと共にきました。
異素材の組み合わせ、刺繍の配置、ラインの合わせなど通常のシート作りより手間がかかります。
手間をかけただけの結果が出ないと意味がないので、慎重に作業を進めます。

なにせ実車に合わせながらできないので、指示書とシートに記されたラインのみが頼りなのですから。
image2image4image6シートを送り、完成したという車体の写真が送られてきました。
17351138_1439552666086347_522421117_nタンクのブラックとシートのエナメル、そしてタンクから流れる巾3mmのラインとの合わせ。いい感じです。
このマシンはイタリア語で”Lucciola Blu”(青い蛍)と名付けられ展示されるそうです。なるほど、だからシートの最後尾が黄色だったんだ。
しかし、写真だけでは分からないところもあり、東京モーターサイクルショーのMOTO NAVIブースに行ってきました。
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IMG_3491IMG_3488不安だったこのエナメルからサイドへの流れもバッチリ。
IMG_3492やはり現物を見ると、次への課題も出てきますし、頑張った達成感もより一層湧いてきますね。なかなかお会いする機会がなかったアラカワさんにも今回お会いできて挨拶が出来たのも良かったです。

東京モーターサイクルショーネタはもう少し続きます。