ライア・サンツ  Laia Sanz on Noguchi seat

ライア・サンツって名前を聞いたことがある人は結構いるんじゃないかな。
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まぁ簡単に言えばオフロード界の女王ですね。スーパースターでしょう。
ダカールラリーも3回連続 女性クラスで優勝してます。

そんなライア・サンツが来週LAで行なわれるXゲームに出場(エンデューロクロス)することになり、しかもそのマシンに野口シートが装着されます。
1002323_695016530523961_566479559_n無題http://xgames.espn.go.com/
今年もネットで生中継見れないかな。

それにしても、世界のスーパースターが野口シートに乗ってくれるというのは嬉しいったらありません。

活躍に期待です。

森寸の彫刻刀巻  Carving knife roll

20年ほど前のことだと思う。長野の山奥にオフロードバイク仲間が集まり、険しい道を競い合って走破して遊んでいた。少し危険な場所もあったけど、集まったメンバーは指示されたルートを通り、暗くなった林道を疲れた体でキャンプに帰ってきた。雨が降りとても寒い日だった。午後8時をすぎても帰ってこないライダーが一人いた。初期型CRMに乗ったむらちゃんだ。確かその時の彼は初参加だったと思う。もし何かあるとすれば、あの場所の先にある崖か??捜索に行くにも夜そこに行くのはとても危険で、なおかつ不気味すぎて怖くて行きたくない。むらちゃんは心配だけどお腹減ったなぁ・・。どうする?と捜索に行くこともなく、みんな頭の中で捜索活動をしているときにむらちゃんは帰ってきた。何で遅れたかは忘れた。とにかく怪我もなく無事だったということでよかった。

・・・・・・・
と、正直そんな記憶しか残っていなかったむらちゃんとは、その後20年会っていない。風の便りで「木彫りの世界では結構な有名人になっている」と言うことは聞いていた。
そんなむらちゃんとfacebook上で再会をした。かわいい木彫りをしているだけではなく、「morrison  森寸」と言う工房で子供たちといろんなものを作ったりして精力的に活動をしているようだ。
WEB MORRISON
FACEBOOK PAGE
WEBを見るとムラバヤシケンジワールドが広がっている。もう15年続けているんだそうだ。すごいな。

で、ここからが本題。野口シートの工具巻をフェースブック上で頻繁に紹介していたら、僕の彫刻刀巻も作ってくれないでしょうか。という依頼がむらちゃんからきた。(今ではムラバヤシ先生と呼ばれているだろうけど、昔のままで、ここではむらちゃんと書かせてもらいます)
彫刻刀巻・・・刃物だもんなぁ・・スパナやドライバーをさすような具合にはいかないよなぁ。と思いながらも面白そうなので「よし、受けてたちましょう!」と言う事で、製品化になることは絶対にないであろう彫刻刀巻プロジェクト開始。

その1 先ず使っている彫刻刀を並べてスケールと共に写真を送ってください。
1057278_478443588896714_483274870_n1061066_478443592230047_2059319791_n1057373_478443595563380_788958409_n1063419_478443598896713_606652165_nへーーーー、いろんな彫刻刀があるんだな。命である刃先は、いままでも相当慎重に丁寧に包んでいたようだ。しかし、毎回こうして包むのは手間もかかるのは十分理解できるので簡単に仕舞えて、簡単に広げて、その彫刻刀巻を扱うむらちゃんの仕草を見る子供がじっと見て憧れるようなものにしなければ

その2 先ずは叩き台
1057717_481277245280015_1718619232_n先ずはビニールレザーでポケットの広さ深さの検証。巻き方などなど・・を提案。全然ダメ。当然問題も要望も出る。しかし、これがあるから次に進むことが出来るんだ。
1063193_481277255280014_2029895179_n992584_481277248613348_823699669_n折りたたみを提案したけれど、やはり巻きがいいということで・・
1063391_481277258613347_674745696_nいや、これは0.8mmのビニールレザーだから破れますって。
1057369_481277251946681_38083913_nまぁ嫌だろう・・・俺も嫌だもん
1061760_481277238613349_861300737_nこんなのが良いと言って来たむらちゃん!
そりゃー子供は喜ぶよなぁ。
でもなぁ・・ふぅ。先ずは形状を決めることが先決です。

その3 完成を見据えて
彫刻刀巻と言う事で、素材はハイテク素材よりもこっちがいいかなと、厚手の帆布と補強のための本革で行くことにした。
1060834_484567054951034_664411271_n1058762_484567048284368_358887088_n1069037_484567051617701_1215665452_n1063385_484567044951035_889085843_nが・・・
見えない場所に破れ防止の補強をしたことと、ポケットにたるみを持たせなかったことで、彫刻刀を入れると写真のように扇形に変形してしまった。良く考えれば分かることだけど、ここまで反るとは思わなかった。ノグチシートの工具巻きでも採用しているフラップは具合がいいので採用となった。ダメなことばかりでもなくて、彫刻刀巻を止めるベルトは当初2本がいいと言っていたけど、試してみると1本がいいってのが分かったし、色々作ってみると発見があるんだ。でも、この試作品もボツ。ゴミ箱行き。
むらちゃんも「いや、もう大変なんで怪獣とかいいです」とか遠慮してくるし、時間ちょうだいと言いながらあまり引っ張ってもたいしたアイデアは浮かばないし、浮かばないならどんどん作るしかない。飽きないうちにこの仕事は完結しなければ。どの仕事も同じですけどね。飽きたら良い物が作れるはずがないんです。

その4 少し見えてきた感じ
1057312_484848441589562_1463540932_n僕も結構ずるくて「じゃぁさ、今までの試作を踏まえてどんなのが理想やと思う」なんて言って絵を描いてもらった。
そしてこれ
1058607_592440864139460_1251302959_n彫刻刀入れは3分割して扇になるのを防ぎ、上のフラップと左右のフラップはそれぞれ部品として分けた。
1002100_487638407977232_2088638891_nおっ
1003461_487638421310564_747340145_nおぉぉーーー
994514_487638401310566_1685776163_n着地点が見えた!
生地の縁巻テープとかはどうする?取っ手とかは?

蛍光色がいい・・・と、むらちゃんが言いました。
そう、帆布と革で職人を意識した素材に蛍光色のテープです。むらちゃんワールドに口を挟むことはしません。行きましょう。それで。

そして

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じゃーーーーん!!

蛍光色が、まぶしっ!

IMG_5351ぺたんぺたんとおりたたんでくるくるっとまいてーーーぱちっととめて

彫刻刀巻の完成です。
やっと出来た。出来たはず。多分使うと問題点も出てくるだろうけど、とりあえず形にはなった。
当分これで持ち歩いてもらおう。
IMG_5355こっそり裏側に銘を入れさせてもらった。
さー むらちゃん、たくさん作品を作ってください。

 

壁飾り mural decoration

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壁飾りを作ってみました。下のミッキーマウスのような形をしたものです。
バイクのエンジンのカバーなんですが、見る人が見ればその特徴的な形状から「あー、あれのカバーだね」と分かる物です。
と言っても、このカバーは復刻したバイクのカバーなのでオリジナルとは違います。
オリジナルのバイクはCR110と言う1962年にホンダが世界グランプリに投入したマシンです。排気量は50cc。
以下、ホンダのWEBからの引用です・・
cr110a

(1962) Honda CR110 Cub Racing
  世界的なモペッドブームを背景に成立した50cc欧州選手権人気の高まりは、1962年からの世界GP50ccクラス新設に至った。Hondaはこの動きに合わせ、1960年1月より公道用市販車スポーツカブC110をベースに、GP用50ccレーサー開発に着手。そして初年度の1962年には、DOHC単気筒49ccのRC110と、その改良型のRC111を実戦投入した。同年5月に発表されたCR110は、上述のワークスレーサーRC110を母体に開発された市販レーサーである。世界GPデビュー戦となった6月のマン島TTでは、並みいる強豪相手に9位に入賞。国内デビューとなる7月の第5回全日本モーターサイクルクラブマンレースでは、見事デビューウィンを飾った。その後、国内外で販売されたCR110は、多くのプライベーターたちに愛用されることとなり、兄弟機種の125ccクラス用CR93とともに、多くの名レーサーを育てる役目を担ったのである。

主要諸元
■エンジン 空冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク40.4×39mm 排気量49.99cc 圧縮比10.3 潤滑方式ウエットサンプ オイルポンプ方式プランジャー 気化器形式京浜RP25-P1 点火方式マグネトー
■性能 最高出力8.5ps/13500rpm 最大トルク0.46kgm/11500rpm 最高速度130km/h以上 最小回転半径3.34m 制動停止距離5m(25km/h) 登坂能力17゜
■変速機 8段 変速比(1)2.26 (2)1.55 (3)1.32 (4)1.13 (5)1.04 (6)0.85 (7)0.89 (8)0.85 1次減速比4.66 2次減速比2.92
■寸法・重量 全長1725 全幅510 全高780 軸距1155 最低地上高160(各mm) キャスター26゜ トレール80mm タイヤサイズ前2.00-18 後2.25-18 車重61kg
■容量 燃料タンク9.5L オイル0.8L
引用ここまで

そして、このCR110を当時の仕様からアレンジして発売されたのがドリーム50.
800px-Honda_Dream_50_02そしてこのエンジンにもその特徴的なカバーは再現されてます。
DSCN6834オリジナルは文字が凸だけど復刻版は凹。まぁそんなことより大事なのは雰囲気なんですよ。
このバイクもいつか手に入れたいなと思ってます。
今の所カバーのみ手に入れたので壁飾りにして眺めている感じです。^^
IMG_5335IMG_5337ただの自己満足ですけど、これはこれで結構いい感じです。

 

HONDA CBR1100XX

お客様から「年数も経ったこともあり、ウレタンを新しくして張替もして欲しい」と言うご依頼でした。

メールでの打ち合わせの結果、以下のように内容を決定しました。

T-NET挿入(T-NETを挿入することで、工程上シートウレタンも半分以上がノグチシートオリジナルウレタンの新品になります)
張替 ビニールレザー 座面にB-33 サイドは青レザー
エンボスロゴ

CIMG9024

 

お客様からは・・・・

先日cbrのシート届きました。お世話になりました。
車体カラーにマッチして純正ボディーという感じです。
昨日の500km程度のツーリングでは、高速あり、酷道あり、激しいスコールありでしたが
よくフィットし、雨も浸み込まず、お尻の状態も大変いいのです。腰にもいいかも・・

気に入っていただけたようで安心いたしました。ありがとうございました。

Facebook の野口シートのページも頻繁に更新しています。
サポートしているチームやライダーなどのリアルタイムな情報満載なのでよろしくお願いします。

超音波ミシン Welding sewing machine

製品を綺麗に仕上げるためには目と腕が重要ではあるけれど、高性能、高機能な機械を使うことで更に製品のグレードは上がります。

やりたいソレがどんな機械で加工できるのか分かっていても、使う頻度が極端に少ない場合や可能性が見出せない場合は、やはり機械の購入はためらってしまいますね。

バイクシートの改造をはじめたときから気になっていたミシン。
超音波ミシン、高周波ミシン・・。
バイクシートで立体的なものは何箇所かでカバー地の切替が入っています。
一般的に切替部分はミシンを使って糸で縫い合わせます。糸で縫うのですから当然針穴が開き、そこから水が浸入します。しかし、バイクシートの多くは糸で繋ぐのではなく、ビニールレザー同士を溶かして繋いでいます。溶着です。そうすることで水の浸入がなくなります。
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色が同じなので分かりづらいですが、2枚のつなぎ目には隙間はなく溶着されています。糸での縫製とは違い、点で繋がっておらず面と言うか線で繋がっています。なので縫いしろも極少なくすみます。
IMG_5297IMG_5298立体の組み立ても出来ます。

古くからある工法なので別に珍しくはないのですが、大手量産メーカー以外ではなかなかこの設備を持っていません。そして、こういう機械を使って量産では出来なかったことを考えたいですね。量産は昔からのメーカーさんに任せておけばいいんです。高価な機械を買ったら量産しなければ宝の持ち腐れのように言う人もいるでしょうが、それは違うと思うんです。それも正解だけど、少し工夫して面白くて、そしてすごいものを作ってみたいじゃないですか。

もちろん今まで通りの針と糸を使った縫製は続けますよ。綺麗なステッチラインとか、糸でしか加工、表現できないものもたくさんあります。
加工方法の引き出しを1つでも多く持っていたいと言うの職人の気持ちですね。
アレがダメならコレ、コレでだめならソレ・・みたいな感じかな。出来ない理由よりも出来ることを考えたいですからね。

で、ノグチシートがこのミシンを導入したのかって?

ふふふ・・・色々考え中なのです。 ^^