ダカールラリーのノグチシート  Noguchi seat in DAKAR2014

ダカールラリー2014スタートまであと1週間。
1454994_590143357700914_1493189288_n各国から選手やサポートが続々とアルゼンチン入りしています。
それを日本で毎日FBを通して眺めているわけですが、ここでダカールラリーを走るノグチシートの紹介です。またかよ!と言われそうですが、また紹介します。

チームHRC
01_b1460260_10151850148732615_1542507213_nエルダー・ロドリゲス

 

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サム・サンダーランド  新型CRF450RALLYでメルズーガラリー優勝

 

ピゾリト

ハビエル・ピゾリト

 

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パウロ・ゴンサルベス  ラリーの世界チャンピオンです。

 

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ホアン・バレダ

 

そして、CRF450RALLYの先行量産モデルが3台南米チームから参加します。
1465308_556750354401478_122880776_nライア・サンツ  過去3回連続ダカールラリーでクラス優勝

 

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ジャン・アゼベド

 

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パブロ・ロドリゲス

チームランドクルーザー

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日本を代表するラリードライバー三橋淳 と ナビのアラン・ゲネック

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ニコラ・ジボン と ナビの三浦昴

合計10台のマシンがノグチシート装着して走ります。

野口ロゴ新ver032

バイクシート以外の仕事  Other works

野口装美はバイクシートだけ作っているんですか?
バイクシート以外になにをやっている会社なんですか?

と、よく聞かれるのですが、一般的にいうメインの取引先(取引の割合が3割越えるところがないのです。そもそもどこかにぶら下がって仕事なんて怖くてできません)がないので、「張る」仕事と「縫う」仕事を主にしていますと答えて、その後に具体的な製品案内をさせていただいております。

当社の職人ブログからの抜粋です

年末は椅子の修理も増えてきます。
5556ダイニングチェアの張替です。本革が古くなってひび割れてきたので新しい革で張替です。
333近所の美容室の待合ベンチです。このくらいのベンチだと新品を買ったほうが安かったりするのですが、お客様が「これが気に入ってるからこれを張り替える」ということでした。
8腐ったウレタンを全部取り替え、底の割れたベニアを新品に交換
9錆びた脚もピカピカにします。
12同じような柄のビニールレザーが在庫にあったので当事のように復元しました。
337フォークリフトやトラクターなどの座席の張替もします。
336籐の破れにも対応しております。
335こちらは新品のクッションです。円柱状のウレタンに1枚の生地を巻きつけて張ります。
まさに「張る」と言う言葉がぴったりの作業です。1枚で張ることをボウズ張りと言い、張り作業の中では一番技術が必要です。やるとわかりますが、手順を知らずにやると、端面は張り切らず凸凹になり、数ヶ月でシワが発生して見苦しくなります。当社で張ったクッションはそう簡単にはシワが発生しません。
13全国のホテル、旅館、飲食店で使う座布団も作っています。12月だけで1,000枚は軽く越えています。
14これも座布団のようなものです。クライミングジムで使用するマットです。
445某有名ブランドの椅子のクッション部分です。綺麗にエッジも立っていて、裏側の処理も美しいです。どこにも生地を留めた針が見えません。

1特注ソファのクッション一式です。ウォールナットのフレームに収まるのですが、フレームは見ることなくクッションのみ製作です。セットされたところも見て見たいのですが、大きなフレームを運ぶ手間もあるのと、図面さえあればクッションの潰しを考慮した寸法で製作できるからこその業なのです。なので、木工屋さんと同時に製作を進めることができて納期の短縮にもなります。
IMG_6468大量にあるこれは工作機械で使用する濾過フィルターオークマのマシニングなどで使用するフィルターを全てうちで製造しています。協力会社さんで製作して、検品だけは全数当社の目を通してからの出荷です。消耗品なので国内はもとより世界各国へほぼ毎日のように出荷しています。
フィルターと言えば、浄水器のフィルターも当社で製造しており、こちらも毎月たくさん出荷しています。
66警察や病院などのヘリポートで使用する吹流し。これも縫製の仕事です。

キャプチャと、まぁこんな感じで、特注から量産品、リペアまで幅広く工場は対応しています。
よくもまぁ、あれもこれもやるねと言われますが、あれこれやったほうが仕事が飽きないじゃないですか。僕自身も、高校を出て某巨大企業のラインに入り、毎日プレスのボタンを朝から晩まで押し続けて1ヶ月で逃げ出した人間なので、面倒でもいろんなことをするほうがいいんです。基本モノ作りの会社です。そこがブレたら終わりかな。

バイクシートに限らず、こうした仕事も野口装美を支えるとても大事な仕事です。

 

というわけで。 I participate in rally of Tunisia.

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今年は
バハを優勝したマシン
のシートを作り
ダカールを走るHRCワークスマシンのシートを作り
X-ファイター大阪城のシートを作り
エンデューロクロスのシートを作り
そして、数多くのお客様のシートを作りました。
今年一年、たくさんの依頼をいただきありがとうございました。

さて、国内レースに出るわけでもなく、毎週のように山に走りに行くわけでもないけれど、とりあえず基礎体力の維持は普段しているつもり。
なんで?ってよく聞かれるけど、健康のためって答えておけばめんどくさくないなって思いながら返事したりしてる。
けど、理由はひとつ。

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そうです、砂漠に行くため。
レーサーでもなければラリーストなんて言われるような運転技術も持っていない。けれど、僕はラリーと砂漠が好きです。


ずいぶん前から、なにかといえばこの動画を何度も観てる。BGMもなんだこりゃだし、画像も綺麗じゃないんだけどなんか、ぐぅぅぅーーって湧き上がってくるものがあるんですよ。
かっこい!砂塵を巻き上げながら走っていくライダーが自分だったらもっとかっこいい!
ヘリで撮影されたことはないけれど、このシーンと同じように撮影されるイメージだけはいつもあるんですイメージね。時には自己陶酔って大事なんですよ。

というわけで

チュニジアに行くことにしました。
2年前、メルズーガの砂丘を走って覚えた砂丘の走り方で、今回はもう少し上手に走れるようになってこようと思います。

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キャプチャ

トアレグラリー・・?またトアレグラリー?と、このブログを昔から読んで頂いている方にはそう思われるかもしれません。前回2012に出場した時の舞台はスペインをスタートして、砂漠はモロッコのメルズーガというところでした。
2012を最後にモロッコから、舞台は国を変えてチュニジアになりました。
そう、チュニジアと言えば第11回1989パリ-チュニス-ダカールラリー
HRCのNXRに乗るジル・ラレイが優勝したレース。
IMG_6470パリダカファンとしてはいいんです。同じ場所で遊べるってのがいいんです。特に理由はなくて、チュニジアも行った事がない憧れの地だってこと。
それに
starwarsphotos-of-the-original-star-wars-set-abandoned-and-in-ruinsレース中には惑星タトゥイーンにも寄る。はず。
でもメインは大陸をかっ飛ばすこと!
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体の準備はそこそこできてるので、それまでに少し乗り込んでおくかな。
前回手伝ってくれたドイツのカイザーに連絡したら「その期間はドバイなんだ。今回はトアレグラリーには行けないんだ。ごめんね」って返事が来たので、紹介してもらったオランダのチームにお世話になることにした。
OLYMPUS DIGITAL CAMERA マシンはKTM450RALLY!!じゃなくて、EXCにビッグタンクとナビゲーション機器を付けた簡単なもの。
もちろんシートは、ノグチシートスペシャル。
こんな大それた宣言しなくていいんだけど、こうやって書くことで程よいプレッシャーを感じながらスタートまで準備できるんだ。先ずは装備品を新調しなくちゃ。

あと2ヶ月。さー行くよーー!

もう1つの CRF450RALLY   2014DAKAR

ワークスチームHRCの体制は既に知られているけれど、CRF450RALLYは他にも数台走ることが決まっています。
フェースブックを見ていると分かることなんだけど、アルゼンチンのチームサポートで3台走ります。
ライア・サンツ
1480868_779506115408335_991551691_o1503515_779342322091381_509850046_nめちゃめちゃ飛んでますね。しかし、スタンディングのフォームがかっこいい。女性と言うことを忘れそうなライディングです。彼女は簡単に言えばオフロード界の女王ですね。無敵です。ダカールは過去3回連続クラス優勝しています。

ジャン・アゼベド
1375032_479180235514242_12844712_n一応・・真ん中の人です。 ダカール出場16回のベテランです。もちろん安定した走りで速いです。

パブロ・ロドリゲス
1381970_569907269724523_2052207141_n2013のダカールもワークス以外でCRF450RALLYに乗り走っています。2014は新型に替えてどこまで上位に食い込むのか期待です。

そして、この3名をサポートする南米のチームより依頼がありシートを製作しました。
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ワークスマシンとはデザインも変えています。マシンはチームに到着し、これからデカールを貼り付けて仕上げですね。

そしてもう1つ
上の写真でシートに乗っかっている袋。車体カバーです。
IMG_6287屋根のないパルクフェルメやその他、雨や埃からマシンを守りたいときにカバーは必須です。
イタズラ防止にもなりますしね。昔、友人のサポートでダカールに行ったときフェンスの向こう側にカバーをかけられて並んでいるKTMのワークスマシンがありました。そのカバーにはたしか「この中に怪物が眠ってる・・・」みたいな洒落の効いた言葉が書いてありました。
そんなカバーを作って欲しいとオーダーがあったんですが、マシンはない・・・。
なので、寸法を数箇所拾って欲しいとお願いをしました。
もらった寸法で私のバイクをダンボールでCRF450RALLYに変身させてみたんですが・・
IMG_6161ひどい・・・・・KTM CRF450RALLYです。
社員に、なんですかこれは!?と言われましたが、これはCRF450RALLYだ、これをもとにカバーを作る。
たぶんうちの技術者も、写真を眺めている時間のほうが長かったと思う。
そして、カバーは徐々に出来上がり、想像も含めて「Fフェンダーはたぶんもっと短いから前のこの部分をもう少し詰めよう」とか、「このままだとカバーが地面に付くから短くしよう」「ハンドルとカウルの関係はもっと・・」あくまでも想像の中でブラッシュアップしていく。ふつうじゃ、こんな怖い仕事できません。ダンボールCRF450RALLYはその寸法もあっているのかも怪しいので「たぶんいいだろう」の連発で完成。
IMG_6217この写真を見た友人は「ノグチロゴでかすぎ!君には遠慮と言うものがないのか?」と言われましたが、でかいロゴで!と言うリクエストに疑いもなく応えた結果なのです。
単に被せるだけのカバーでは職人としてのプライドが許しません。
底部にはベルト固定や巾着ヒモなどをつけて、風で飛んだり膨らんだりしないような工夫もしています。
そして、このカバーを作った職人のナイスアイデアでカバーに収納袋をドッキングさせました。
カバー (12)カバー (13)カバー (14)カバーを外しシートの上でたたんで丸めていくと、カバーの裏側に固定された収納袋が出てきてそこにしまいこむ感じです。
これは間違いないのですが、カバーと収納袋を別々にすると
「必ずなくす!」
南米の強い風に人知れず飛ばされていく収納袋が職人に見えたんだと思います。
シートの上でたたむという行為も重要なんです。カバーと言えども汚したくありません。トップライダーの名前と、その中に隠れているマシンのためにもカバーはきれいなままがいいんです。

肝心の「本物のマシンにちゃんとカバーはフィットしたのか」これが一番気になっていたんですが、少々きつい部分もあるけれど無事装着できたよ!と連絡を受け一安心。
1479262_784506251574988_36640879_nいい感じ!

さぁ、あと2週間です。合計8台のCRF450RALLY。 その全てにノグチシートが装着されていると言う事実に自分の事ながら始まる前から鳥肌たっています。

スタート前の現地情報も入り次第流していきます。

 

3D刺繍  3D Embroidery

まだまともに刺繍ができないでいるのに、その表現の可能性ばかりに目が行ってしまい、いろんな技法に手を出しています。
先日JCRのジョニーキャンベルからプレゼントをいただいて、その中にJCRのキャップが入っていました。
IMG_6464正面から見ると分かりにくいかな。
IMG_6463IMG_6462分かりますか?JCRの文字が膨らんでいます。
これを3D刺繍と言うそうです。

数年前から良く見かけるようになりました。キャップなどでよく見かける刺繍です。
やり方もyoutubeで検索するとたくさん出てきます。
YouTube Preview Image
英語はわからなくても、見るとなんとなくやり方が分かります。
膨らみを出すために挟み込む素材も見ればだいたい分かります。この辺りの素材は別の仕事で使っていたりするので、早速それを使用して打って見ました。
IMG_6465一応ツバメのつもりです。
手前が一般的なタタミ縫い。奥が3D刺繍したもの。
IMG_6466膨らんではいますね。
これも、縫い方のプログラムにいろいろノウハウがあるようです。先ずは一緒に縫う発泡材が見えないようにしなきゃいけない。
そのためにどう糸を落としていくか。
独学といいながらもネットで方法を探しまくる日々です。