トゥアレグラリーのおさらい その7最終日

現地でプロカメラマンにとって貰った写真が送られてきたので、こちらに掲載してあります。
http://a-seat.jp/bike/bike.html
キャプチャ

 

いよいよ、今日でラリーも終わりです。そして、また雨です。昨日ほどではないけれど、霧雨です。
最終日ぐらい抜けるような青い空の下でスタートしたかったな。
P3140231ヘルメットもかなり汚れました。砂だらけです。
ピットでコーヒー飲みながらくつろいでると、チームメイトが「野口、ちょっとちょっと・・」って呼ぶので近寄ると
66なにやってんだよ!!!!!!??
今日は最終日だからさ、景気づけにやっていけよ!ワハハハ だって。
当然、冗談なんですけどね。
これコーヒーに入れる粉ミルクです。
P3130218しとしと雨は降ってるけど、昨日のように風が無いだけまだいいかな。
最終日は30kmのルートを2周。
2台でスタートなんだけど、隣の彼は昨日ナビが壊れて一緒にゴールまで来た彼。
GPSは今日は大丈夫か?ってきいたら、バッテリーが切れてただけだった。今日はばっちりだぜ!だって。よかった。

最終日は楽かなと思っていたけれど、最後の最後までネチネチと責めてくるコース設定でした。
しかし、タイトな時間設定ではあったものの、最後の最後まで転倒も無く無事走ることができました。レースの順位は気になるけど、やはり怪我だけはしてはいけないというのが常にあって、別にそれがストレスになるようなことは無いんだけど、とにかく気を使って走ったことは確かです。
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IMG_7021全て走りきった後の気持ち良さは、走った者だけにしかわからないだろうと思う。
だからこのために走ってきたんだしね。
なんとも言えない嬉しさがこみ上げてくるんです。
もう走らなくていいと言う安堵感もあるのでしょうかね。走りたくてわざわざこんなところまで来てるのにね。不思議な感じ。でもこの感じがたまらないのです。普段感じる事のできない感動なんです。
無題33

勝った負けたもあるけれど、こうやっていろんなライダーとお互いの健闘を称え合うってのはなんとも気持ちがいいものなのです。

IMG_7060記念だってことでゼッケンカウルを貰っちゃった。 記念だからみんなにサイン書いてもらった。
P3140311P3140314IMG_7071

こんな安っぽい年号も入っていない完走メダルでもうれしいですね。

P3140301

やっぱりラリーはいいね。きつくてつらいこともあるけれど、とにかく楽しい。
今回はじめて1人でオランダチームに入って不安もあったけど、入ってしまえば何とかなるもんだ。正直さみしいってのもあったけどね。でも、同じバイク乗りだし、皆それぞれラリーを楽しむために来てるわけだから気持ちは伝わる。
確かにもっと会話が弾んだらとかあるけれど、英語ができるようになったら行こうなんていってたら死んじゃうよ。そうは言っても極端な話、バイクも初心者で英語もハローしか言えない状態で行くとレース中に死んじゃうかもしれないからそれも考え物ですけどね。
ちなみにレースなので結果をご報告。 30位でした。真ん中ってとこかな。
今回の経験は、また次に生かせる経験となったと思うし、今後やらなくちゃいけないこともわかった。経験は若いうちがいいってこともあるけど、人生経験積んでから得る初体験もなかなかいいものです。いい年して一人でオランダチームに仲間入るなんて心臓バクバクでしたもん。でも、終わってみれば、なーんだ簡単じゃないって思うようになる。こうした繰り返しが自分の精神的な筋肉となってこれからの人生を力強く進めるのではといつも思っています。
もっともっと遠くへ、野口シートに乗って走りに行きますよ!
ひとまずラリーのおさらいはここまで。期間中の応援、ならびに連載を読んでいただいた皆様ありがとうございました。
次はベルギーぶらりネタとかもボチボチ書いていきます。

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最終日のフォトアルバムかここから

 

 

 

トゥアレグラリーのおさらい その6

昨夜の風は朝になっても止まず、そして風だけの音ではなくなにやら嫌な音が聞こえる
IMG_7001雨!!!!!
しかもけっこう大粒の雨
砂漠に雨
珍しくはないけれど、何も今日降らなくてもいいのに
IMG_7002しかも寒い。
が、レースは時間通りにスタートします。
しかも今日はそこそこ長い距離で、砂丘の中をかなり長い間走ることになりそう。ナビゲーションもさることながら、初日の悪夢がよみがえる。しかも雨。
雨が染み込んだ砂は硬くなってるけど、数センチ下はサラサラなまま。
先行者の轍が多いところは固まった砂で走りにくくなる。
しかし、轍がしっかり見えるので、1本だけの先行者の轍をトレースしながら走るには砂の状態もわかるので走りやすい。一長一短ですね。
P3130224チェックポイントに来ていたサービスからサラミを貰って食べるの図
体が慣れてきたのか、砂丘群はナビゲーションも走りも上手くいった。
午後からは晴れてきて気持ちよく走れました。
t3t2 5最終のチェックポイントを通過し、後は数十キロ先のゴールまでと言う所で、1台バイクが止まっていた。 どうしたのかたずねると
GPSは壊れ、トリップメータもなんだかおかしい。
お前が前を走ってくれ。
うーーーん・・そういうの苦手なんだよなぁ。
すごくプレッシャーに感じちゃうんだ。
しかも、ここからゴールまでってナビゲーションが難しいときている。
おまけにその人は速い部類の人だから後にぴったりついてくるし、もう転んじゃうよそんなプレッシャー与えられたら!
と言いたいが意地張って、走りにくい深い砂の轍だらけの狭い道を振られまくりながら進む。
やがて、なんだか怪しい雰囲気。
どうも道を間違えたみたい。
彼と私、日本語と英語とイタリア語(たぶん)でワーワー言う。
彼「道は無いけど、こっちの方向でいいと思う。GPSもそうだろ」
私「そうだけど、まだ10km以上ゴールまであるから、このまま突っ切るのは厳しいかな」
彼「このまま行こう」
そんなやりとりをしたつもり。
GPSの指す方向だけを頼りに地平線に向かって走る。
やがて、遠くに塔が見えた。
彼「ゴールだ!」と言った感じでガッツポーズをして一気に僕を置いて走って行ってしまった。
それは別にいいんだけど、とりあえず大きなロス無くゴールできてよかった。
ゴールに着いたら、彼はゴール手前でバイクを止めて待っていた。
お前が先にゴールしろよ。だって。へーー、わざわざそんな気を使わなくてもいいのにと思いつつ、紳士的だなぁなんて感心しちゃった。
Tuareg2014_Leg6_0686

残す所 あと一日!

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トゥアレグラリーのおさらい その5

今日はネフタの町を離れ、スタート地のドーズへ戻る工程。距離は約400km。ハイスピードな設定かなと思いつつ、ルートの説明を読むとSilles Passと書いてある。ここって昨年も通ったガレガレの山越だよなぁ・。と目覚めから少し憂鬱なのは、昨夜ベッドで寝ていたらなにやら気配がするので目が覚めた。
なんと、そこには手に白い棒のような物を持った男が一人!!!!
うぉーー!!なんだよー!強盗?何で部屋の中にいるわけ?夢じゃないよ。
飛び起きようとしてベッドのヘッドボードに頭を打ちつけてすごく痛い。
そしたら、その男は手に持った白い棒を振りかざし
部屋のエアコンに向けて
ピッ♪
今晩は冷えるからねぇ、各部屋のエアコンをつけて回ってるんだ。と言ったと思う。
えーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?
何で勝手に入ってくるの?
チャイムを鳴らしたにせよ返事がなかったらそのままにしておけよぉ。
レースだけにオカマ掘られてクラッシュ、リタイヤするかと思ったよ!
とにかくびっくりした出来事でした。

さて、後半5日目の始まりはこんな感じでした。

IMG_6942IMG_6944ネフタのホテルも居心地はよく、シャワーもお湯がちゃんと出ました。朝ごはんはいただけなかったかな。だって、ヨーグルトとパンとゆで卵しかなかったんです。
P3120199ホテルの敷地内も砂だらけです。
この日はとにかく砂嵐がひどく、ガレた山越え以外は殆ど強風か強風+砂と言う走るのにはあまりいい条件ではなかったです。
P3120214写真やビデオで見るとそれほどでもないのですが、ゴーグルしていないとまともに目も開けてられません砂嵐です。しかも、道も良く見えないレベルで砂がうねるように舞っているのでスピードも乗りません。地吹雪のようにうねる砂の上を走っているとまっ直ぐ進んでいるはずなのにフワフワと空を飛んでいるような錯覚すら覚えました。さらに、ゴーグルのスポンジを抜けて砂が目に進入してくるし、鼻の穴は砂がどんどん堆積して、もう大変な状況になってしまいました。
なかなか貴重な体験でもありました。
そして、本日メインのガレ場。
1IMG_7084この顔でそのガレ場をイメージしてください。まぁそれはけっこう急な斜面で岩も大きくいやらしいのぼりでした。写真は今月発売のFRMでも特集が組まれているイタリアンカメラマンのAlessioが撮ってくれました。カメラマンがいる場所と言うのは、ライダー転んだり転んだり転んだりするシャッターチャンスな場所なので、ライダーとしてはその期待に応えない走りをしたいものなのです。で、上手く上りきって嬉しくて絶叫してたらアレッシオが走りよってきてハイタッチ!やったじゃん!いい感じ!ってこの写真を撮ってくれたわけです。(私のヘルメットカメラには駆け寄るアレッシオが写ってます)この後は全然楽勝だからって言ってたけど、越えるまでそこそこいい感じの道が続きました。
Tuareg2014_Leg5_0274

t5

その後、また強風と砂の道を延々走り、あと少しでゴールと言うときに小さな砂丘が点在する中に一台のバイクが止まっていて、ライダーが僕を止めた。
2「バイクが壊れてしまった」
「助けを呼んでくれ」
「ちくしょー なんでこんなファ●クな場所で待たなきゃいけないんだ」
って1人怒っていた。仕方が無い、俺が君の立場だったら悪態すらつけずおなかが痛くなってしまっただろう。でも、今は違う。君の命は俺が預かってやるよ。
じゃぁ、先ずはレスキューシートに必要事項を書きなさい。と上から目線の言い方。

彼はレスキューシートを持っておらず、ガムテープにボールペンで書くという「あーー、それじゃ読めなくなってしまうよ」と思いながら、彼が書いたGPSのポイントと私のGPSが表示しているポイントと間違ってないか2人で確認して、彼の命の綱のガムテープレスキューシートをチェックカードに貼り付けて無事ゴールチェックでお願いをしました。
夜7時半ごろだったかな、ホテルのロビーにその日のリザルトが発表されるんだけど、僕の順位の備考欄に「あなたのCPSが必要です」と書いてある?CPS?CPSってチェックポイントスタートって言うことじゃんね。どういう意味?
そう思って近くを通ったオフィシャルに聞いたら、あぁそれGPSです。あなたのGPSのログを辿って№311の救出に行きます。だって。
えーーーー?まだピックアップされてないの?真っ暗だし、すごい風だし。あぁ彼は膝を抱えバイクの横でアルミシートを体に巻いてじっとしてるんだなぁ。
絶対いやだ。
無風でポカポカして星空ならまだ耐えられる。
今日のような天気は絶対いやだ。しかし、だいたいそんな時にトラブルは起こるものなのです。

外はすごい強風。明日の朝は風もやんでいい天気だといいな。

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トゥアレグラリーのおさらい その4

今日はこのラリーの一番の山場。スタートとゴールがスターウォーズのセットが残ってる場所(ちなみに実際、現場に行くと周りは砂丘で、残されているセットは砂に侵食され、場所によってはもうそろそろ崩れてしまうかなと行った感じでした)で、2つのコースをそれぞれ2ループずつ。マップにはGPSのポイントがびっしり。ということは、オフピスト 道なき道が大半と言うことです。

P3110154スターウォーズと名付けられたステージのスタートはダースベイダーが仕切ってました。^^
P3110163最初のうちはこんな感じの小さな砂丘を越えながら、小刻みに方向を変えていくナビの難しいコースでしたが、やがて道は無くなりキャメルグラスだらけの道へ・・。
a_DSC_1138_20130424224938写真はイメージですが、まさにこんな感じ。キャメルグラスは密集していたり、大きかったり小さかったり、砂も硬かったり柔らかかったり、ぶつかるとけっこう硬いので跳ね飛ばされます。
スピードも出せず、走っていてイライラするばかりです。
とにかく4日目はキャメルグラスの記憶しかないというくらいでした。
Tuareg2014_Leg4_0181 そして、ここでやってしまいました。
GPSのみで先行者の轍もない場所を走っているときにやってしまいました。ひたすら続くキャメルグラスに頭がおかしくなっていたんだと思います。
トゥアレグラリーにはチェックポイントとシークレットチェックポイントと言う二つのチェックポイントがあります。
シークレットと言うだけあって、どこに設置されているかわかりません。
GPS見ながら近道は可能なのですが、それをすると必ずその先にはシークレットチェックポイントが置いてあったりします。逆に、絶対あるだろうとわざわざ遠回りする所にはなかったりと、主催者との心理戦みたいなところもあります。
無題まぁこういうことです。言い訳はありません。ただただ俺のバカ!と言いたいです。どう見ても行かなきゃダメでしょう。まだまだ、気持ちの余裕が無いです。
P3110156どっち向いてもこんな風景の場所もあります。
P3110162自画撮りのことって セルフィー っていうんだね。今回覚えた英語。
チェックポイントを落として凶悪なペナルティを受けてしまったが、難しいコースと言うよりなんだろう、いやらしいコースと言うべきか。体力的にはまったく問題ないんだけど、運転技術が伴わずスピードを乗せられないので時間ばかり過ぎて行ってしまう。
もっとスカッとした感じで、モロッコのような大きな砂丘を走りたいなと思いました。
P3110166

このドラム缶から給油をしてもらいます。ドラム缶に空気を送り込んで、その圧力でガソリンを注ぎます。なので、このドラム缶最後のほうは空気で膨れちゃって楕円形になってたなぁ。

P3110167この日マメが潰れた。けど、今回はこのマメだけですんだ。前回へたくそマメと言われた場所にはできなかったから良しとしよう。
ゴール後、時間があったのでスターウォーズのセットを見てきました。
P3120173P3120176P3120177裏側はこんな感じでした。スターウォーズファンの友人から言わせれば、ここは聖地でありスターウォーズファンなら絶対訪れたい場所なんだそうです。たしかに、ここまで観光に来るっていうのは結構ハードルが高い場所だなって思いました。
IMG_6973受けたペナルティはもう済んだことなので、気を取り直して残り三日はしっかり走るようにしなければと思いました。
それにしても、中間日を終えて多少疲れてはいるものの予想より体が動いている。やはりこれも普段のトレーニングの効果があったんだなとうれしくなってしまった。

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トゥアレグラリーのおさらい その3

今日もガフサという町からネフタと言う西の町まで移動です。ネフタという町にはスターウォーズの撮影で使われたセットが今でも残っているそうです。見学できるかどうかわからないけれどちょっと楽しみ。
IMG_6922P3100140町から離れた荒野がスタート地になります。距離は長いのでコース自体はそんなに難しくは無く全体的にハイスピードな道でした。
P3100143この日のことはあまり覚えていないんだな。たぶん印象に残るような風景もなかったんだろうと思う。
ひとつ覚えているのは、スペシャルステージが終わったチェックポイントで各サービスチームが給油をしているのに、我がチームは居らず。
しかし、その先20kmにはガソリンスタンドがあるとマップには表記されている。たぶんそんな状況から我がチームはサポートを置かなかったんだと思う。で、だいたいトラブルっていうのはそういったときに発生するものなのです。
トラブルを期待したわけじゃないけれど、マップに記載してあるガソリンスタンドに着いて「ガソリン入れてちょうだい」っていうと「ないよ」「?」「ガソリン入れてちょうだい」「だから、無いってったらないの!」ガーーーン
この町にはここしかないの?
ないよ。
えーーーーーーー。
この先30km走ったらまたスペシャルステージじゃないか。絶対ガス欠になる。
道端には怪しいガソリンを売る人たちがいるが、最悪そこから買うしかないのか?
あれってどう考えてもやばそうな色したガソリンだもんなぁ。
どうしたらいいの。
町外れにひょっとしてあるんじゃいかと、ちょっと期待を込めてマップにしたがって先へ進んでみたが、町を抜けると地平線しか見えません。
どう考えてもガソリンスタンドはない風景が広がってます。
もう一度売切れのガソリンスタンドに戻り、近くでたむろするニーちゃんたちに言葉が通じないからタンクを指差しガソリンはどこで買える?と聞くと、「あっちの方向へ行けばあるよ!」みたいなことを指差しながら言うんだ。その方向はマップが示すこれから進むべき方向の逆。
もうその言葉に頼るしかないので町を抜けたら、次の町まで5kmの表示。
お!
次の町でガソリンスタンドはありました。ふぅ やれやれ。
ガソリン入れてるとき、同じエントラントがバイクを押して入ってきた、ぎりぎりそこでガソリンがなくなったよあぶなかったー。だって。
砂漠で水とガソリンがなくなる恐怖はあまり体験したくないです。
P3100144本日も転倒なしで無事フィニッシュでした。

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