S30Zのシート NISSAN S30Z Seat repair

最近車のシートが続きました。 今回の依頼は単なる張替えではなく、「どうしようもなく シートがクサイからなんとかしてほしい!」でした。 オーナー様は「乗るだけでニオイが服にうつってしまう」レベルということで、 話を聞いているうちにこのCMを思い出した。
まさにこれだそうです。しかも、このCMの商品で取りきれるニオイでは無いとのこと。
クサイといってもカバー外してスチームかけて、しばらく天日に干せば消えるだろうと思っていましたが・・・・・・・

お客様からシートが届きました。 キャプチャ見たところカバーも損傷は少なく、そこそこ程度がいいかなと思いましたが、ニオイます・・・なんとも言えないカビのようなしけったニオイが漂ってきます。 カバーを外して原因がわかりました。 10268616_746824522034426_1697410282678242903_n10308107_746824458701099_1996740883994599101_n背もたれはパーム(椰子の実の繊維)で成型されたクッション材が使われており、コレが悪臭の原因でした。しばらく天日乾燥したり、高温のスチームなどを当てましたが悪臭は悪のままです。ネットで検索すると、このパームに先にも書いたニオイ取りのファブリーズを大量にかけている記事なども見つけました。ファブリーズでも無理だと思います。 結論として、パームは全て捨てて、背もたれはウレタンで新作することにしました。 続いて座面 10264619_746824428701102_2991178440783114033_n座面はモールドウレタンで、そこそこの程度を保っていました。座面裏に使用されているパームを取り除けばこのウレタンが悪臭を放つことはないので再利用です。 1513691_747489588634586_7758270885058985690_n座面裏のパームを取り去ったので、変わりに力布を貼り付け。これを貼る事でSバネによるウレタンの割れを防止し、クッション性も硬めにセットできます。 10154359_749070901809788_195243830306394643_nそして完成。カバーはお客様が購入されたリプロ品です。カバーが少々小さいかなと思いましたが、何とか張り込みは完了。 新品のビニールレザーの香りがいい感じです。 CMでも言ってましたが、「ニオイは全てを台無しにする」ので、ニオイがなくなったS30Zは素敵なドライブを約束してくれるでしょうね。 ご依頼ありがとうございました。

ラリー世界選手権HRC2勝目! Sealine Cross-Country Rally

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カタールで行なわれていたシーライン カタール・ラリー2014でHRCは連勝の2勝目を獲得。
最終日までKTMと数十秒差という白熱したレースでした。
10265485_538740876246742_478601402374721697_o優勝はHRC #9 ホアン・バレダ
10155320_1416379491962821_160743954450297404_n3位に #10 エルダー・ロドリゲス
10299581_619100768158407_1890989780394292032_n5位には昨年のワールドチャンピオン #1 パウロ・ゴンサルベス
sccr14_goncalves_stage4_3234_rz勝った勝ったと喜ぶばかりではなく、ライダーを支える大事な部品のひとつであるシートを作らせてもらっていると言う誇りを持って、更なるシートの進化を進めたいと思った次第です。
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HONDA S2000 シート改修  Seat repair

S2000のシートについて問い合わせがありました。
現在の本革シートの座面がへたって来ているのと、運転席のサイド部分のウレタンが割れていることなど、全部張り替えるか部分張替えにするか。
メールで何度かやり取りをしてS2000のシートは以下のように改修することになりました。

座面と背面の中央部のパンチングが施された革部分をウルトラスエード(アルカンターラ)に交換。
運転席には衝撃吸収材T-NET挿入ほか、ドライバーの体型に合わせた背面形状にするためのサポートを追加などです。

DSC_0690お客様から届いた状態です。当社で車はお預かりできないので、シートを宅急便で送って貰うか、持込をしていただきます。
DSC_0693運転席の座席はサイドのサポートが高いので、乗降時にどうしても踏みつけるので、こうして割れてきます。
DSC_0709背面も剥がします。S2000のシートは中央の革が比較的容易に交換できる作りになっています。しかも背面は写真のように中央とサイドが分割されているので、このクッションの裏にランバーサポートをしのばせることができます。
DSC_0695サイドの補修は割れた部分を接着するのではなく、だめになった部分を全てカットして取り去り、新しいウレタンで再整形します。そしてサイド全体を型崩れ防止のコーティングを施し完成します。
DSC_0711背面は全面にマジックテープを貼り付け、背面中央クッションを脱着式に変更しました。これによってお客様自信で背面の厚み調整やランバーサポートの位置調整を行うことができます。
DSC_0714こんな感じにパットを入れて背中のクッションのRを調整できます。

細かい部分は端折りましたが、完成です。

純正の本革部分と張り替えたウルトラスエード(アルカンターラ)のコントラストがいい感じです。
本革にはなかった滑り止め効果や蒸れ防止、また、座面に入れた衝撃吸収材T-NETで今まで以上の快適なスポーツ走行ができるのではないかと思います。

DSC_0721DSC_0724DSC_0720自分のS2000も今度やってみよう。

KTM390DUKE シート改造

KTM125DUKE 250DUKE そして390DUKEが発売されました。このシリーズのシートは既に30台近く加工させていただいております。
その多くは若干張り出しがきついサイド部分の削りと張替えです。
今まで加工したシートの一部をご紹介します。
KTM-10ビニールレザー D-01+Y-03
KTM-16ktm125dukeimpala-11-450x304パンチングウルトラスエード(アルカンターラ)+Y-03 オレンジ糸ステッチ。
ktm125duke2011728-9P8040178
さて、今回は390DUKEのシート改造。
お客様の要望は「窮屈なので少しでもシート高を上げたい」ということでした。
2013-KTM-390-Duke-01赤いラインラインまで野口シートオリジナルウレタンでアンコ盛をします。同時にT-NETも挿入します。
IMG_7213カバー地はB-12とカーボン調のY-03のコンビです。
IMG_7210エンボスロゴ
IMG_7212お客様がボディに貼られたカーボンフィルムとシートのカーボンレザーもマッチしていい感じになったと思います。
ありがとうございました。

 

工具巻きが!! Secret information :-)

世界各国に駐在するノグチシートのシークレットエージェントから「野口の工具巻と同じものが某国で出回っている」
品物を手に入れたから送るよ!
って届いたのがこれ
IMG_7188は?w(゚o゚)w
野口のワッペンを貼るスペースまでそのまま。
では開いてみよう。
IMG_7142グッジョブ!!!  って言ってる場合じゃないけど、完璧なコピーです。素材がイマイチなんだけど寸法は野口の工具巻きからきちんととってあるようです。
工具巻各部詳細201311 (12)ちなみにこっちはオリジナル。どっち?といわれてもわかりませんね。
花輪さん工具巻201210こうしてロゴが入ったりすると、少し気品が漂ってくるから不思議。

オリジナルはバックルにも気を使っていて
IMG_2998こんな写真を載せるとまた真似されそうですけど別にいいのです。
このバックルはボルダリングマットのバックルを見て僕もまねをしたものですから。
素早く仕舞えて、かつ素早く開放もできる優れものです。コピーは一般的なプラスチックバックルですが、プラスチックは割れたら終わりなんですよね。

IMG_7144

敵と言うわけではないけれど、どんな風にコピーするのか縫製職人的はとても気になるところ。オリジナルの場合は写真のような糸のほつれ(ミシンでいう所の目とび)はありません。しかも、重要な部分は2重縫いがしてあります。見えない部分に補強が入っているんですが、やはりコピーはオリジナルを分解まではしていないようで、補強まではしてませんでした。

小物入れのポケットも、せっかくコピーするならここは手を抜かないで!って所が縫ってなかったりします。

シークレットエージェントからの報告によると、某国のチームスタッフはコピーの工具巻を手に持って、使いやすそうにしていたと言うことでした。
しかも、製造コストはオリジナルの・・・・だそうで。その点は到底かないそうにもないです。
2013baja500jcrpit (1)でもね、世の中に溢れるコピー商品に埋もれてしまうオリジナル商品ではなくて「やっぱりオリジナルがいい!」と言われるようにしなきゃなと思います。
完成品を更に完成させる努力と言うものを忘れてはいけないと思います。
というわけで、野口シートオリジナル工具巻き 絶賛発売中!