野口オリジナル工具巻き Tool Roll for DAKAR

オリジナル工具巻きをリリースしてから4年が経過し、その間に地味に改良を重ねてきました。見た目には初期モデルと変わってないように見えますが、プロメカニックの望む形になってきたと思っています。

こうした商品というのは、使用する人たちの多くの意見を聞いて、それをそれなりにまとめて形にしていくのが一般的ですが、この工具巻きに関しては多くの意見で作られていません。一人の信頼の置けるメカニックが一番使いやすいものを形にしてます。当社のシートも同じで、私の一番好みの組み合わせが定番商品となっています。賛否両論あると思いますが、それがノグチの製品のスタイルなのです。

さて、今回はメカニックも新しくなったチームHRCより依頼を受けました。HRCにはダカール復帰後からシートのサポートもしていますが、シート以外にも車載工具入れなどもサポートしています。

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ちなみに4年前に作った工具巻きも、まだまだ壊れることなく現役で使われています。
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IMG_1556自分の手持ちの工具をいろいろ入れてみました。
ディープソケットを入れる幅広ポケットや長物を入れる部分などの工夫がしてります。
サイズはW1250 工具を入れる部分はD500 全体はD1050です。

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クルクル巻いてまとめるとこんな感じになります。

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いつでもどんな場所でも素早く広げて作業をして、素早く撤収できることも考えています。
プラスチックのバックルは破損の心配もあるので、スチールで写真のようなフックを製作しました。壊れる心配もなく、素早く広げ、仕舞えます。

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最近では、海外のラリーチームからもちらほら注文をもらうようになり、昨年末はヨーロッパスズキのチームから直ぐに10個欲しいと言われて、在庫がなくダカールにも間に合わないほど切迫していたので泣く泣く断るということもありました。
なので、今回はHRCのオファーに合わせて少し多めに在庫しました。
宜しくお願いします^^

We have these in stock!!
We are looking forward to your order.
bike@a-seat.jp

 

 

ツバメ Swallow

もう何年前から来るようになったのか忘れてしまったけれど、今年もまたやってきました。

毎回同じ場所に巣をかけます。

巣をかけ始めると
IMG_1720玄関のライトは禁止になります。

巣の製作中は寝る場所もここになるので、暗くして協力することにしてます。

巣ができたと思ったら、すぐに卵を産んで温め始めました。

巣からツバメの尾がピンと出ているのでよくわかります。

しばらくして鳴き声がにぎやかになったと思ったら

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いますいます。白い口がとてもかわいいです。しかし、いつもなら4羽だったのが、今回困ったことに5もしくは6羽という大所帯になってしまっています。巣の大きさは今までと同じです。4羽でも落下するという事故が今までも多発していたのに、この数だとどうなることやら。

そして、食べ盛りの雛にせっせと親がえさを運んで食べさせると、当然糞もすごいことになります。

会社の玄関なので、そのままというわけにもいかず

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巣立つまで私の朝一の仕事がこれです。

朝だけではなく、これからは1日数回デッキブラシでお掃除です。
まぁこうして会社の玄関が汚れては掃除の繰り返しだけど、常にきれいな状態ではあるので気持ちいいです。たまに新聞紙を敷いて対策しているのを見ることもありますが、見て気分がいいものではないです。

巣をかけられるのを迷惑と思うかどうかは人それぞれですが、ツバメが巣をかけるといいことがあるよという昔からの言い伝えはこういうことなのではないのかななんて思ってたりします。

 

Africa Twin CRF1000 アフリカツインのシート

シートの改造をしたユーザーの方から写真をいただきましたのでご紹介いたします。

13120456_1012349702174868_683827186_o13120467_1012395778836927_38132306_o13128535_1012395712170267_804702938_o13128558_1012395655503606_1633013133_oカバーはウルトラスエードのパンチングレッドとブラックの組み合わせ。
シートウレタンには防水コーティングが施してあるので、カバーは濡れますがウレタンに水が浸み込むことはありません。
ライダー部は衝撃吸収材T-NETを挿入し、足を出しやすくするために着座位置より前の幅を狭くしました。
ノーマルは赤/白/黒の組み合わせのカバーですが、赤黒でも違和感なく収まったと思います。
オリジナルウレタンのハードタイプが、ノーマルよりもかっちりした感じが出たとユーザー様から評価をいただきました。
これからの季節ビニールレザーだとシート表面の温度も上がるため、ウルトラスエードの快適さを実感していただけたらと思います。

 

さて、最近問い合わせも多くなり、アフリカツインに乗られて来社いただく方も多くなりました。

13173711_1168316686551872_8134717483772591054_n[1]実際に跨りながら打ち合わせをして、形状の提案ができたり、ウレタン素材やカバー素材を見ていただくと完成のイメージが共有出来て、出来上がりの満足度も高くなってきます。

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もちろん今まで通り遠方で当社にお越しいただけない方には、蓄積したデータの中からお客様に最適なプランをご提案させていただきます。

 

 

新素材 ライトハニカム New materials.

久しぶりの新素材紹介です。
オリジナルのウレタンは1月に紹介しましたが、これはあくまでも純正のウレタンに近く、もしくはそれ以上の密度や硬さを狙って作ったものです。
当社の改造のベースとしてはなくてはならないものです。
ウレタンにはいろんなものがありますが、今のところバイクや車のシート改造にはこれが一番と思っています。

そして、さらに快適さを求めたいノグチシートとしては現状、衝撃吸収材T-NETのシートへの挿入をご提案しております。私自身もこのT-NETを使ったシートに乗ってモロッコやチュニジアのラリーに出場し、その効果を実感しております。
また、ダカールラリーにおいてはチームHRCのシートやチームランドクルーザーのシートにも採用していただいております。
さらに、T-NETと低反発ウレタン+α との組み合わせで作ったオリジナル座布団は、各所でファンがいる隠れた人気商品になっています。

これを使えばお尻の痛みや、疲労から解放されると言う魔法の材料ではなく、やはり個人差がありその効果には差が出ます。

特にあんこ抜きをしたシートや、スーパースポーツのようにもともとウレタンが薄いシートなどは底つきを防止するため硬めの設定となっておりクッション性が無いため、T-NETを挿入しても長時間の乗車ではお尻が痛くなる場合もあります。

けれど、そこを何とかしたい。何とかしたいと1年中考えているので、たまにひらめくことがあります。ひらめくとすぐに実験!その繰り返しでいくつもダメな素材を発見してきました。

さて、あることをきっかけに紹介してもらった材料「ライトハニカム」を実験して、結果が良かったのでこれからラインナップに取り入れることにしました。
IMG_1623写真では色の違いしか分かりません。
T-NETは低反発素材で、ライトハニカムは高反発素材です。
なので全く性質が違います。
しかもライト言うだけあって、T-NETと比べその重量は約半分です。
軽いのに反発は一般的なバイクシートのウレタンより高く、またヘタリも極端に少ないのが特徴です。

ではT-NETとライトハニカムの反発の比較動画を撮りましたのでご覧ください。
以下の動画は全て比較なので、動画から効果を見ることはできません。
単純にふーん、そーなんだ、的な目で見てもらえればと思います。
1先ずは素材のみの反発の比較です。
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これで、この二つの基本性能が分かると思います。

 

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2つの素材をモールドウレタンに貼り付けました。YouTube Preview Image
ウレタンの反発があるのでT-NETでも球は跳ねます。逆に高反発のライトハニカムは素材のみの反発より若干反発が弱くなります。

 

3今度は上にモールドウレタンが来た場合の実験です。
バイクシートなどは素材の積層がこのパターンとなります。
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球の跳ね具合はほとんど変わりません。
跨った瞬間や、走り出して数十分ではどちらもノーマルのシートとの違いは分からないと思います。跨ったときに中に何か入っていると感じるのは、後に違和感となるので私は好きではありません。

 

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今度は実際に乗車してお尻が乗った状態を再現する実験です。
分かりやすく低反発ウレタンも加えました。
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青い低反発ウレタンはその素材のみだと、上からの荷重にウレタンが潰れて直ぐに底つきを起こしてしまします。ウレタンと組み合わせたとしても、薄いシートの場合ウレタンの潰れて底つきは避けられません。
一方、ライトハニカムとT-NETは荷重をかけてもウレタンは潰れるものの両方とも潰しきることはできません。
ライトハニカムもT-NETも柔らかいのに底つきをしないというのが特徴です。

さて、実験だけ見るとどちらが良いの?と疑問が出ると思います。
少し前までは低反発ウレタン最高!とかゲル素材が一番!とかよく耳にしましたが、私自身それらはすべて実験によってバイクシートではなく他への用途かなと思っていました。なので当社では現在使っておりません。

少し前から高反発素材の可能性はまだまだあるのではないかと思っていました。
高反発=お尻へのインパクトが強い ではなく、単純に反発が強くて硬いのではなく、やわらかいのに反発が強いことで今までとは違った感触が得られるのではないかと思ったわけです。
ここからはデータや素材の感触だけではなく、実際シートを作って走ってみるのが一番なので走ってきました。要は数値データではなく、私のお尻が感じた結果が全てということになります。

オリジナルウレタンのハートタイプ20mmとライトハニカム10mmの合計30mmという薄さでスポーツスターのシートを作り、3日に分けて600kmほど走ってきました。
IMG_1592 IMG_1594 IMG_1596 IMG_1607 IMG_1608 IMG_1613結果、久しぶりにずっとニヤついて走ることができました。
たった30mmでずっと乗っていられる。
勿論こうして椅子に座ってブログを書いているけれどお尻は全く問題なし。
座っているのが苦痛になると、せっかくのツーリングであっちにも寄ってみよう、こっちにも寄ってみようという気持ちが無くなってしまいます。
久しぶりに自分の中で大ヒットの結果だったので、連休はずっとシートと遊んでいました。
まったくもって自画自賛のひどいブログだと思われても仕方ないですが、20年以上自画自賛でシート開発してきたのでこれでいいと思っています。

今回の実験で、この薄さのシートだと衝撃吸収材T-NETよりもライトハニカムのほうが良かったです。底つき感の無さと、オリジナルウレタンとライトハニカムとの複合で単純に沈み込むだけではなく、底つき一歩手前の柔らかなクッション性の維持があるためだと思います。
T-NETがもう古い素材というわけではなく、ある程度ウレタンの厚みがあるシートではT-NETのほうが良いと思います。

なので、今後はライトハニカムとT-NETの両方で、お客様の改造の内容に合わせたご提案をしていけれたらと思います。
お気軽にお問い合わせください。

開発には終わりがないので、また次の素材を探しながら進んでいきたいと思います。