イタリアで社会見学

今回、友人の誘いを受けてイタリアでヴィンテージ自転車のイベントに参加することになった。
さらに、自転車イベントの前にイタリア・モデナで社会見学をさせてもらえるという事になりました。この辺りにはランボルギーニ社をはじめ、板金、内装、レストアなどの工房がたくさんあるそうです。
これら段取りはイタリア在住のスーパーコーディネーターの野口さん。
何がスーパーかって、2日間でこんな見学のコーディネートが出来る人ってたぶんいないのではと思う。ただ見学するだけではなく、野口さんとそれぞれの会社の人たちとの信頼関係がしっかり結ばれているため、初めて行く私たちが信じられないくらい深くて面白い話をしてもらえました。
さて、行った先々の写真を載せていきます。
先ずはランボルギーニの本社
カウンタック、ミウラ、チータ、ウラッコ・・そして最新モデルまで。夢のスーパーカーがずらり。
いきなりこんなのが見られて興奮しまくりだったんだが、これからがなかなかすごいことに。
次に訪れた工房に入って「おぉーーーーっ」って叫んでしまった。
365BB ミウラ 250GTが新車のようにそこにあったんです。
アルミの板を切り出し叩いて型に当てる。
この繰り返し作業。「パテ?そんなものでごまかさないよ。使ったとしてもほんの極薄く使うだけだ」
「古い車は事故で修理してあったりするけど、パテで形を作り直してるものはだめだね。俺たちはそんな修理されて部分を全部新品に作り直すんだ」
そんな話を聞いたけど、職人たちの仕事と型紙や冶具など見るものすべてが新鮮でここでも興奮しっぱなし。

次は工場団地の一角にある内装屋さん。
まさに当社の仕事と同じ!
昨年当社でも施工したF40のシートもそこにあった。
ディノの内装のレストア中で、縫製や張り込みなどたくさん得るものがありました。

そしてエンツォフェラーリ博物館
もうこの辺りまで来ると普通はマヒして感動も薄くなるはずなんだけど、工房で見て聞いた話から、こうして素晴らしい状態で保存されている名車の細かな部分に目がいってしまい、さらに感動が大きくなって行くんです。

次はバッグを専門に作る会社。

バッグと言っても、フェラーリ ランボルギーニ マセラティ ブガッティ・・・・名だたるスーパーカーメーカーの車に積むためのバッグです。もともと社長の親戚がフェラーリを買ったが、トランクに積む適当なバッグがないというので作ったら、これがとても評判よく純正採用されてから各社に広がっていったようです。バッグだけではなくF1のシートの張り込みや革の小物類、ここの仕事もたくさん得るものがありました。

そしてフェラーリ本社。
街にはこうした真っ赤な制服を着た人がたくさん歩いています。
博物館は世界中から観光客が訪れ混雑していました。
どこもそうですが、ブランドは一夜にしてならず。ちゃんとした歴史が今を作っているんだなと感じます。

次はチーズ屋さんなんだけど、個人でマセラティやバイク、トラクターなど地元の宝の保存をしているところへ これが個人所有て言うんだから頭が下がる。
「道楽で集めているんではない。地元の大切な製品をちゃんと守っていかなければならない」という使命感からこうした保存をしてるという話が印象的でした。
そこの息子さんが作っているスピーカー。F1のエキゾーストパイプとスピーカーの組み合わせ。エキパイは全て本物。小物類に至っても純正部品を組み合わせている。世界中に輸出しているそうです。
で、ここの本業のパルミジャーノの倉庫に入れさせてもらいました。
圧巻!この量!きちんと温度管理されて高く積み上げられたこのチーズ。
直売所で買ったので食べるのが楽しみです。

かなり端折って書きましたが、ここで紹介できない工房やコレクションも何カ所か見せてもらい、本当にとても良い見学でした。
今までの仕事のやり方に得た物をどんどん加えていきたいと思います。
最後に、どの工房でも社長以下、すべての社員の方々が私たちの質問に笑顔でためらいなく説明してくれる姿に、自分の仕事に誇りを持って居るんだなと強く感じました。大変な仕事を眉間にしわを寄せてやるのもいいけれど、そんな仕事も余裕を持ってできるように自分の技術と人間性を高く持って行きたいと思います。

次は自転車のイベントについて書きます。