メモリーフォーム

低反発ウレタンの元祖(じゃないかもしれません)であり、現在もさまざまな分野で使われているメモリーフォームの紹介です。始めてこのメモリーフォームを触ったのは15-6年前でした。アポロ計画と共に開発され、宇宙飛行士の座席に使用されたことで有名です。ちなみに製造国のアメリカではconforと呼ばれています。低反発ウレタンは数年前に国内でも流行して、椅子や座布団、マットレスなど現在でもそれらが使われた商品をよく目にします。当社も数年前まではタキテックフォームというハード系の低反発ウレタンでシート改造をしていました。感触もよく当時は皆様に喜んでいただきました。しかし、低反発ウレタンの難点である「温度依存性」がネックで、夏場は極端に柔らかく、冬場は極端に固くなるため、今ではタキテックフォームより性能の高いT-NETを使用しています。

T-NETを使っているのに何故いまさら低反発の紹介をするんだ?という方もおられると思います。

私も知らなかったのですが自動車レースのレギュレーションにおいて、このメモリーフォームCF-45ブルーじゃないとだめです。と、必要部品に記載されているのです。

お客様から「スーパーFJの車輌を購入したが、現在付いているヘッドレストが見た目に悪い。新品を作りたいが、レギュレーション上メモリーフォームのCF-45ブルーで無ければならないと書いてあるから、それで作って欲しい」と相談を受けました。

左が既存のヘッドレスト、右が当社で制作した、難燃性のビニールレザーでカバーリングしたヘッドレスト。

中はメモリーフォーム CF-45です。このヘッドレストだけではなく、他にもフォーミュラニッポンのコクピット内の一部などにもレギュレーション上これを使用しなければならない事になっているそうです。

どんな材料でもそうなんですが、難点があるから使えないということではなく、他の材料とあわせることでそれをを解消したり、さらには思いもよらない性能を発揮したりします。私も国内主要メーカーの低反発ウレタンを数多く触ってきましたが、メモリーフォームは国内の低反発ウレタンと比べて低反発ながら最後の粘りが強く、温度依存性はあるもののまだまだ用途はあると思います。当社で唯一低反発を使った商品であるオリジナル座布団の性能アップに、これを使用してみようと思います。

メモリーフォームの板材料から、それを芯材にしたカバーリング、造形まで当社では対応できますので興味がある方は是非お問い合わせください。