アルカンターラやエクセーヌがぬれたり汚れたりした時

良く受ける質問がアルカンターラやエクセーヌについての防水性です。
この素材に防水性はありません。防水スプレーをかけても、乗車していない時に降る雨には撥水効果を期待できますが、お尻で素材の表面を揉む状態では染み込んでしまいます。一般的に防水処理がしてある物は、水をその表面に垂らして指で水を押さえるように揉みこむと、だいたいが素材に染み込んでしまいます。なので、完全な物を目指すのであれば「止水」処理を施した物でないと無理ですね。

なので当社の場合、アルカンターラやエクセーヌに染み込む範囲は仕方がないとして、中身のウレタンに水が染み込まないように止水処理を施しております。(勿論、クッション材の空気の出入りは必要なので、パンクしないように裏面に穴をあけたりします)なので、雨が降ったり汚れがついて水で洗ったりした時でも、ぬれるということに関しては乗車することを除いて心配はありません。

当社のデモシートです。アルカンターラとエクセーヌ、ビニールレザー各種、パイピングやステッチなど一つのシートにまとめてあります。乾いた状態です。

じょぼじょぼじょぼ・・・・・・・・
汚れた場合は、このように水をかけて洗ってもらって構いません。 ただし、かたいブラシなどでゴシゴシとはやらないでください。

アルカンターラとエクセーヌはたっぷり水を含んだ状態なのは写真を見てもわかりますね。これでは直ぐには乗って走ることは出来ません。後部のビニールレザーは当たり前ですが水を通しません。

ウレタンに防水(止水)処理が施してあるので、含んだ水は生地の厚み分となります。これらの厚みは約1mm強です。なので、乾いたタオルなどで水分を拭き取ると、それだけでもかなり乾いた状態に近くなります。この時気をつけたいのが、アルカンターラやエクセーヌには毛の流れる目です。当社ではこの毛の流れを後ろから前に流していますので、この目に沿って水分を拭き取ってください。汚れを取る場合でも、水をかけて洗剤で洗った後に洗剤を流しきってから、同じように水分を取り除いてください。

天気がよければ30分ほどで乗車可能です。こうして見てもらえれば、それほど気を使わなくていい素材ということがお分かりだろうと思います。

当社の防水(止水)処理は、ウレタン全体に1mm程度の特殊な独立発泡体を糊付けしております。ビニールなどの処理は使っているうちに中でそれが寄ってしまったり、表皮がビニールのせいでよじれ、グニャグニャした感じになってしまいます。当社の貼り付けるものは摩擦係数も高いので表皮のよじれも出にくいです。(タックロールやボタン、引張りがあるシートなどはこの糊付け加工が出来ない場合があります)