ダカール用シートのこと

ダカールに出場する車両へシートの供給と言っても、使用しているのはスパルコやレカロがついてるやん。と、しっかり見ておられる方もいると思います。そうです、シートのフレーム。いわゆるシェルはFIA公認の物を使用しています。うちが協力するのはクッション部分ですね。バイクシートは作ってしまうと現場で手直しができないけれど、車のシートの場合現場でクッションの厚み変更や、体へのフィッティング調整など様々なことができます。
なので、現場でドライバーやナビの話を聞きながら実際に座ってもらって、クッションの角度、厚み、硬さ、素材などなどなどなどを調整して1日1000km走っても疲れないシート!・・?に、なるんです。いや、絶対なるね!



1つのシートにこれだけの種類のクッションと調整パットを用意して、さらに現場で微調整します。


現場には生のウレタンも持ち込みその場でクッション製作もします。この写真はフランスのトヨタ車体のガレージにて。


とりあえず座る人の好みを記憶するために完成したら自分でも座ってみます。


一通りセッティングが済んだら、あまったクッションで簡易サポートクッションを作りレンタカーに取り付けてダカールを追いかけたりもしました。追いかけると言っても3000kmくらい走りますからね。このクッションもかなり有効なんです。


ルマンにあるJRMのガレージにもいきました。


日野レンジャー
の車内の様子
おまけの写真


これはフォーミュラーカーの座席が大きすぎてポジション眼底しないと言う事で依頼を受け、取り外しができて調整もできるクッションを取り付けたシートです。
さらに詳しい内容が知りたい方は気軽にお問い合わせください。
こちらも

クラブハーレー掲載シート製作



先ずは、かっこ悪いですけど言い訳を一つ。
掲載のシートですが、わかる方はわかると思いますが車体とシートが合ってません・・。
作ってしまってから気づきました。
年式と形状が同じなので佐藤さんの883に装着できると思っていたのですが、シートベースの形状が微妙に違っていてシート下のコンピューターに当たってしまい浮いてしまっています。
2004以降のシートベースは全部同じかと思ってました。
シート自体はノーマルのままです。
一つ勉強になりました。
・・・トホホ フェンダーと隙間なくピターっと装着できていれば・・なんでもそうですがタラレバは無しですね・・。
さて言い訳はこのへんにしておいて、せっかくなんで誌面に紹介できなかったシートの中身を、お見せします。
無茶な佐藤さんの要望は「小物が入るノーマル形状のソロシート」なので形状は変えません。
小物入れと言っても、オフロードのようにバッグみたいにしたんではかっこ悪い。
なので、乗車しない後部全てをハードケースにすることにした。
ハードケースの製作は当社で販売している「光硬化型FRP」を使用。
カッティングシートのように切って貼るだけ。
後は外で紫外線に当てれば5分で硬化。
面倒なエポキシの混合や塗布は必要ありません。
大掛かりな補修や製作にはコスト的に不向きですが、こうした工作や小さなものを補修する時は簡単で早いのでとても便利です。
先ずは、シートそのものを型にします。
離型しやすいようにビニールレザーを張り込みます。
そこに光硬化型FRPをペタペタと貼り込んで、外で陽に当てて・・5分で硬化。
ウレタンと切り離してケースを補強。


補強したケースを再びシートベースに組みつけ。


フタはクイックファスナーで取り外し式とした。
紛失の心配もあってヒンジも考えたけど、蓋が微妙な湾曲形状なのでヒンジがスムーズに動かないことが判明したのでこの方式に落ち着いた。


FRP表面の凸凹を隠すためにウレタンを貼り付け整形。


防水シートを全体に貼りつけてシート本体が完成というわけです。
フタにも防水処理が施してあるのである程度の水(小雨??)なら中の小物が濡れることはないと思う。
ノーマル表皮を再び貼り込むこともできたけど、さすがにそれではカスタムした感じが薄いので、表皮のデザインはノーマルだけど座面にはアルカンターラを使用して、ステッチは白とした。
それでは、完成したシートは誌面で見てください。

シート改造 その3

シートが出来上がった。
表皮はパンチングアルカンターラを使用。


適度な滑り止め効果があり、炎天下でも表皮が熱くならず、極細の繊維からできているため通気性もありお尻が蒸れない。
アルカンターラ自体伸びはないけど柔らかい素材なので、柔らかい仕様のクッションの性能をそのまま出すことができて、クッションとの相性がいいんです。
ブーツの先で表皮を引っ掛けても、簡単に破れない。
チェックカード入れも装着。




シートの取り外しを、ワンタッチのクイックファスナーに変更しようかと思ったが、エアクリーナーの交換もサイドカバーからなので、大きなトラブル以外シートは外さないだろうと言う事で、従来通りの取り付け方法のままとした。
シート改造のまとめ
ベース: ノーマルシート
アンコ盛り: 後部10mm。前部の一番低い所を30mmアップ。
シート幅: 着座部は20mm広げて、シート立ち上がり部の一番細いところはノーマルよりマイナス15mm
衝撃吸収材: T-NETを挿入
クッション材: 表層部に柔らかくて弾力あるウレタンを積層
最上部: 最新素材を貼り付けてみた!
表皮: パンチングアルカンターラ +ビニールレザー
ロゴ: ヘルメットに合わせたゴールドペイント!
少々モッチリした感は否めないけど、15年ぶりのレースだもん。
快適性が優先なんです。
こんな感じでシートは完成しました!

シート改造 その2

私の身長は185です。
足もそこそこ長いです。
ノーマルシートでも両かかとがべったり付きます。


なので、ステップに足を乗せると膝が少々窮屈です。
座る位置はシート後端から150mmの辺り。
いつもはもう少し前だけど、ビッグタンクにしてハンドルを変えて走り込んでいたら、ここが一番いい着座位置だった。
シートの角度は、特に前への尻のずれも感じないので悪くないが、もう少し前が上がってもいいかな。
ビニールレザーの表皮は炎天下では熱くなってしまい、その熱い所に座ると、お尻が蒸れる。
トップライダーのように、スタンディングで走ることは少ないので、座った状態で楽なシートにしようと思う。
足はもちろん地面にしっかり着いた方がいいが、乗ってる時間と、止まってる時間を考えると、足つきはギリギリでいい。
先ずはアンコ盛り。


着座位置のクッションが薄いので10mmほど盛る。
さらにシート前部の一番低い部分を30mmほど盛る。
着座位置の座面幅はできるだけ広げ、一番盛った部分は座ることもないので、幅をノーマルより狭くして、足つき性を確保した。




衝撃吸収材はT-NETを挿入。
お尻に直接当たるクッションの硬さは柔らかめを選択。
柔らかいと言っても初期のタッチが柔らかくて沈み込みの少ない加工を施した。
単純に柔らかいウレタンで作ると尻が沈んでしまい違和感と疲労につながる。
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よく、硬いクッションと、柔らかいクッションと、どちらが長距離に向いているのかと言う質問を受けますが、僕の答えはいつもどっちも向いていて、どっちも向いていないと言う返事になります。
要は、好みの問題だと思ってます。
でも、一般的に固めが長距離に向いていると言うのは、柔らかいと徐々にクッションが潰れていき、圧迫される部分が増えて、クッション性も落ちることからではないかと、思っています。
ちなみにこのバイクのシートは、驚くほど柔らかく作ってあります。
本人の希望が「とにかく柔らかくしてほしい」と言うことと、その仕様でバイクは違いますが他のラリーも走って実績があるので、ちょっと柔らかすぎじゃないかなと、躊躇するほど柔らかくしました。
これで本人が快適であれば、何の問題もないのです。
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話を戻します。
「シート改造 その3」へ続く。

シート改造 その1

やはり一番気になるのはこの部品。
ココだけは妥協できませんね。
他の改造はあまりアップにして、お見せできない場所もありますが(自作なうえにやっつけが多くて・・・) シートは少し詳しく、説明していきます。
今回は、今までのノウハウを詰め込んで行くのはもちろんなのですが、欲張りなのでちょっとテストも兼ねて、新しい素材も試したりと、思いは膨らみます。
このバイクに初めて乗った時、僕のお尻では30分が限界だった。
ノーマルのシートと僕の相性が、悪い理由も調べる必要があるので、乗り方を変えたり、着座位置を変えたり、パンツを変えたり・・・・
結論からいえば、一つのシートでツーリングからスプリントレースまで、こなすのは無理です。
しかも、座ると言う行為は圧迫を伴うので、痛みが出ないわけがありません。
「ノーマルシートでもこのシチュエーションなら表皮の変更だけでいいのでは?」とか、
「このシチュエーションなら、形状はそのままにクッションの変更がいいのでは?」
いろんな場面を走ることで、様々な改造プランが出てきます。
一番高い頻度で使う時に快適であるシートを、お客様と探すお手伝いができるように、いろんな形やクッション性を知っておく必要があるのは、当社として当然のことですね。
前置きが長くなったけど、今回のラリーで使うシートは、
「シート改造 その2」で。