24年ぶりにダカールに戻ってきたホンダワークス。
CRF450RALLYのシートを製作するに当たり、そのタイミングを計ったように、その数ヶ月前にオリジナルウレタンを製作することができたのでここに使用することになった。耐久性はある程度分かっていたのだけど、やはりダカールのトップクラスのライダーが使用した場合どうなるのか気になるところ。
そして、マシン展示などがひと段落したのでいよいよシートが戻ってきた。
戻ってきたのはエルダーロドリゲス選手のシート。
先ずはアルカンターラの具合を見る。汚れは塗料のようなものが付いているがこれは無視。アルカンターラ自体に破れや毛玉もなく、気になる毛羽立ちもない。また、エンボス加工したHRCやエルダーの名前もぼやけることなくしっかりしたままだった。
赤色は飛びやすい色ではあるけれど、紫外線にずっと当たりっぱなしでこの色具合であれば一般使用では問題はないだろうと思う。
次に防水コート
全体をコーティングした防水コートは心配したサイドのはがれや浮きもなくしっかりと接着されたままでした。なぜ心配だったかと言うと、30mmの座面アップによりシートの厚みがかなり増え、それによりクッションストロークも増したためシートウレタンと防止コートの伸び率の違いからくる剥がれが起きるのではと言うことでした。
そして
縦と横半裁。ダカールで使用したシートの断面と言うより、激しいレースで使用されたシートの断面を見る機会は私たちでも中々ないので貴重な資料となります。
下からシートベース、当社オリジナルウレタン、防止コートになります。緑色が接着剤です。接着面は綺麗で、かつオリジナルウレタンのシェイプも綺麗にまとまっています。
ウレタンのヘタリも想像通り。
衝撃吸収材部分やその他色々
もっと写真はあるのですが
ごめんなさい。企業秘密というやつです。断面を見たことで色々とアイデアが出てきました。
やはり現場を通ってきた物から得られるものは多いですね。
ヒントもあれば、答えもたくさん詰まっている。
いい感じ。また一歩進めたと思う。