ミシンショー  SEWING MACHINE SHOW

昔から一度は行ってみたいと思っていた展示会があった。
これです。
3年に一度開催されるこのショー。世界各国の最新鋭のミシンや裁断機などが一堂に会します。当社はアパレルの仕事ではないけれど、縫製の仕事は椅子に限らず様々な分野でやっているので、特に特殊なミシンには興味がある。

各メーカー、新型のミシンを展示して、その場で縫って見せてくれている。

縫い見本を見せてくれている人は中国の女の子が多かったし、そもそも会場内の日本の比率の低いこと。様々な国の人がいたなぁ。やはり縫製の現場が国内より海外へシフトしているというのがこれを見るだけでもよく分かる。ミシンが踏める、いわゆる「縫子さん」と呼ぶ人が本当に少なくなってきているんです。

足並み揃えてひたすら糸を刺しまくる、刺繍機の動きは見とれちゃうね。

同じ刺繍機だけど、これは帽子への刺繍機。

なんだこれは!と言う専用機が多かったです。ボタンを付けるだけ、ベルト通しをつるだけ、ポケットを付けるだけ、人はそこに縫い合わせたいもの置くだけで、後はミシンが勝手に動いてくれると言うもの。

こんなステッチが掛けられるミシンもあった。ミシンの原理が分かっている人なら、なんで????って不思議な原理で縫われてた。手縫いでしかこの縫い方はできないと思ってたからね。

講習会も開かれていて、ミシンのトラブル対処法など普段聞けない話も聞けた。

あと、一番見たかったミシンがこれです

これは溶着ミシン。糸を遣わず縫い合わす(貼り合わす)ミシン。バイクのシートなどはこういったミシンでビニールレザーが溶着してあります。何台かあったんだけど、これはその中の一台。
ローラーで挟みながら超音波で溶着していきます。立体縫製物も可能です。

その他、極厚物や極薄物を縫うミシン、様々な分野で専用機として開発されたミシンなど丸一日掛けていろんな者を見ることができて、今後のものつくりに役に立ちそうです。これらのミシンを全部買えなくても、ミシンで出来ることを知っているということが大事なわけであって、特殊な仕事が来たときにこうしたミシンを持っているところと協力して新しい分野での仕事ができたいいなと思います。

まぁ、本音はあれもこれも全部買って会社に並べて置きたいんですけどね・・

有意義な一日を過ごすことができた、良い展示会でした。

 

 

 

オリジナルバッグ製作中 Original Bag

バイクのシートの張替が入ってくると、ロゴ入りのシートカバーはとりあえず全て捨てずに保管しています。
以前、友人から「古いシートカバーや、ひび割れた革なんかでバッグ作ったら面白いんじゃないの」 って言われて作り始めたのがこのオリジナルバッグ

こうして今まで作ったバッグを見ると、結構な数作ったなと我ながら驚くね。

新作を牛歩のようにぼちぼちと進めています。
素材はフラップ以外も殆どがバイクシートに使うビニールレザーです。形や仕様は毎回少しずつですが変化しています。今回は前回より少し大きくしてぎりぎり入らなかったA4サイズのファイルがギリギリ入る。バックルは余程のことがないと閉めないので廃止。その代わりマジックテープを強化。仕切りは無い方が良くて、でも小物を入れるポケットは欲しい・・。と、ゆっくり作りながら、自分勝手な思いつき仕様で進めています。

これが一番肝心。眺めてはやり直し。の繰り返し。自分基準のかっこよさ追及中。

まだ完成は先ですけどね。

お楽しみに

 

エンボス Emboss mark

最近、力を入れているというか、いろんな可能性が見えてきたエンボス加工。

シート加工のご依頼をいただくお客様から「エンボスでロゴマークを入れて欲しい」と言う要望が増えてきました。

もう1つは、様々な模様を座面やサイドにエンボスの型で凸凹を付けることで意匠性と機能性アップが図れないかとテストを繰り返しています。

試しているうちに金型が1ヶ月でこれだけになりました。
もちろん失敗作もあります。失敗と言う成功を経て、より良いものを見つけていくのがシート屋としての使命だと考えています。

こうした試作を重ねるうちに比較的安価な金型の製造法に行き着くことができました。
これはJCR/HONDAのロゴマークです。(もちろんこれはJCR/HONDAへのサポート用シートに使用するのみで一般にはできかねますのでご了承ください)
アルカンターラにもしっかりエンボスマークを付けることができます。耐久性も洗濯試験などをして実証済みです。

バイクショップ様へご連絡:ご依頼いただくシートに御社のロゴマークを入れることが可能です。簡単な金型ではありますが写真を見て分かるようにクオリティは高いです。100回程度のプレスで壊れる金型でもありません。

もちろん個人様からの特注エンボスマークも受付可能です。

興味がある方はこちらから 問合せください。

オリジナルウレタンフォーム  Special material of the Noguchi seat.

少し前にも書きましたが、もう一度詳しく当社オリジナルウレタンについて説明します。

専門用語などが出てきますので、気になる方はこちらで説明を読んでみてください。

今まではバイクシート改造に適したスラブウレタンやチップウレタン(これは特殊な場合にしか使いません)を使用しておりました。しかし、バイクシートに適したウレタンが各メーカーから徐々に姿を消しつつある現状に危惧して当社独自のウレタンを作ることにしました。何故それらのウレタンがどんどん廃盤になって行ったかのかは分かりませんが、単純に需要がないからでしょうね。

これはチップウレタン。ウレタン加工工場では、様々なウレタンを加工しておりカットした端材のウレタンがたくさん出ます。それをある程度同じ大きさのチップにして、接着剤で固めたものがチップウレタンです。チップウレタンにも硬さが色々あります。例えば同じ容量のチップを1/10まで潰して固めたものと5/10まで潰したのとでは密度が変わりますね。この要領で硬さに変化をつけます。ゴミとなったウレタンの寄せ集めのように思われる方もいると思いますが、ヘタリも少なく一般的な家具には絶対に(コスト面も含めて)必要な材料でもあります。

これはスラブウレタン。今まで使用してきたウレタンです。写真では分かりづらいですが気泡が細かく、硬さもあり、同時に反発力もあるウレタンです。リビングチェアーやソファーなどに使うと硬すぎて沈み込みが少ないので使いませんが、バイクのように座面巾が狭く、且つクッション薄い場合はこうした硬さと弾力性を備えた材料が必要となります。

しかし、何種類かあった上記の性能を持つウレタンが某メーカーの1種類となったために、かねてから色々と探していた材料に辿り着き、また協力していただける企業様とも出会い今回のオリジナルウレタンの製作となりました。

これがそうなのですが、スラブウレタンと何が違うの?というくらい似ていますね。若干こっちのほうが気泡が細かいです。硬さ、弾力、粘りなどスラブより感触は良いです。ちなみに感触についてはすべては私の基準です。基本的に先ず始めに私が良いと思ったものを採用して自分が先ずこの材料に納得します。その次に各方面のプロの方にモニターをしてもらい、大半が良い評価となったものを皆様に提供するという方法をとっています。
話がそれました。このウレタンはモールドウレタンといって、簡単に言えばバイクシートと同じ製法で作ったウレタンです。

バイクシートはこの形の金型の中でウレタンを発泡させて作ります。注入するウレタンの量や配合を変えて硬さなどに変化をつけます。

例えば10リットルの金型の中に0.1リットルのウレタンの材料を注入して発泡した物と、同じ金型に0.5リットルの材料を入れて発泡したものでは、10倍と2倍の差になりますね。10倍膨らんだほうはフワフワ、2倍に膨らんだほうはそれよりも硬い。先ほどのチップは圧縮して硬さを調整しましたが、モールドウレタンの場合は注入するウレタンの量で硬さに変化が出ます。(これは相当大雑把な説明なのでそれを理解してお読みください)

 モールドウレタンの発泡についてyoutubeに分かりやすい動画がありましたので載せます。

ほぼこれと同じ製法でノグチシートオリジナルウレタンを製造しています。おかげさまで20年もバイクシートを触っていると様々なデータが蓄積されているので、今まで使ってきたスラブウレタンの性能や、一般的なバイクシートの硬さなどを元に当社独自のレシピでウレタンを作りました。既に私自身のバイクにも使用し、薄いクッションのシートから厚みがあるもの、T-NETとの相性などなどなどなどなど・・今のところこれがベストと言う結論に達しました。「今のところ」と言うのは、常に材料に関してはアンテナを張っているので、良い物があれば直ぐに試して皆様へより良いものをお届けできるよう努力しているからです。今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

エンボスロゴマーク Emboss logo

エンボスロゴマークの続き

前回エンボスのロゴマークを紹介したところ、多くのお問い合わせをいただきまた。早速何台かのシートにマークを入れさせていただきました。

このエンボスのロゴマークは高周波ウエルダー加工と言い古くからある加工方法です。最近ではあまり見なくなりましたがバイクシートの座面にステッチラインなどの模様が入っていたのを見たことがある人もいると思います。もちろん金型さえ作れば昔のシートの表面模様は再現できるのですが金型を製作してまでの需要が・・・と言う問題もあり今のところ復刻模様は考えておりません。しかし、再現は可能なので相談には乗りますよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最近ではKTMの何車種かに上の写真のようにエンボスを入れたのを見ました。やり方は当社も同じです。

 

 

早速自分のバイクでも試して見ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右と左で色を変えたり、エンボスの高さを変えてみたり・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こんなことや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アルカンターラにもエンボスを付けてみたり。って言うかかっこ悪いシートやなぁと思いますよね。でも、一度にいろんなことを試したいせっかちな正確なのであれもこれも詰め込んだシートになっています。そして、ロゴ以外の金型はとりあえず自作してます。

これはまだ1例に過ぎません。金型は自作ながらも後3つあります。座っただけでもその違いは分かります。あくまでもたたき台。求められているシートの性能を、求められている以上に出せないか試験は続く・・・

※ エンボスロゴマークは殆どのシートに入れることができますが、ロゴマークの大きさが決まっているので薄いシートやロゴのスペースが取れない形状のシートにはお入れできません。エンボスロゴをご希望の場合は一度ご相談ください。