トゥアレグラリーのおさらい その4

今日はこのラリーの一番の山場。スタートとゴールがスターウォーズのセットが残ってる場所(ちなみに実際、現場に行くと周りは砂丘で、残されているセットは砂に侵食され、場所によってはもうそろそろ崩れてしまうかなと行った感じでした)で、2つのコースをそれぞれ2ループずつ。マップにはGPSのポイントがびっしり。ということは、オフピスト 道なき道が大半と言うことです。

P3110154スターウォーズと名付けられたステージのスタートはダースベイダーが仕切ってました。^^
P3110163最初のうちはこんな感じの小さな砂丘を越えながら、小刻みに方向を変えていくナビの難しいコースでしたが、やがて道は無くなりキャメルグラスだらけの道へ・・。
a_DSC_1138_20130424224938写真はイメージですが、まさにこんな感じ。キャメルグラスは密集していたり、大きかったり小さかったり、砂も硬かったり柔らかかったり、ぶつかるとけっこう硬いので跳ね飛ばされます。
スピードも出せず、走っていてイライラするばかりです。
とにかく4日目はキャメルグラスの記憶しかないというくらいでした。
Tuareg2014_Leg4_0181 そして、ここでやってしまいました。
GPSのみで先行者の轍もない場所を走っているときにやってしまいました。ひたすら続くキャメルグラスに頭がおかしくなっていたんだと思います。
トゥアレグラリーにはチェックポイントとシークレットチェックポイントと言う二つのチェックポイントがあります。
シークレットと言うだけあって、どこに設置されているかわかりません。
GPS見ながら近道は可能なのですが、それをすると必ずその先にはシークレットチェックポイントが置いてあったりします。逆に、絶対あるだろうとわざわざ遠回りする所にはなかったりと、主催者との心理戦みたいなところもあります。
無題まぁこういうことです。言い訳はありません。ただただ俺のバカ!と言いたいです。どう見ても行かなきゃダメでしょう。まだまだ、気持ちの余裕が無いです。
P3110156どっち向いてもこんな風景の場所もあります。
P3110162自画撮りのことって セルフィー っていうんだね。今回覚えた英語。
チェックポイントを落として凶悪なペナルティを受けてしまったが、難しいコースと言うよりなんだろう、いやらしいコースと言うべきか。体力的にはまったく問題ないんだけど、運転技術が伴わずスピードを乗せられないので時間ばかり過ぎて行ってしまう。
もっとスカッとした感じで、モロッコのような大きな砂丘を走りたいなと思いました。
P3110166

このドラム缶から給油をしてもらいます。ドラム缶に空気を送り込んで、その圧力でガソリンを注ぎます。なので、このドラム缶最後のほうは空気で膨れちゃって楕円形になってたなぁ。

P3110167この日マメが潰れた。けど、今回はこのマメだけですんだ。前回へたくそマメと言われた場所にはできなかったから良しとしよう。
ゴール後、時間があったのでスターウォーズのセットを見てきました。
P3120173P3120176P3120177裏側はこんな感じでした。スターウォーズファンの友人から言わせれば、ここは聖地でありスターウォーズファンなら絶対訪れたい場所なんだそうです。たしかに、ここまで観光に来るっていうのは結構ハードルが高い場所だなって思いました。
IMG_6973受けたペナルティはもう済んだことなので、気を取り直して残り三日はしっかり走るようにしなければと思いました。
それにしても、中間日を終えて多少疲れてはいるものの予想より体が動いている。やはりこれも普段のトレーニングの効果があったんだなとうれしくなってしまった。

野口のヘルメットカメラ
YouTube Preview Image

オフィシャルビデオ
YouTube Preview Image

 4日目のフォトアルバムはここから

 

トゥアレグラリーのおさらい その3

今日もガフサという町からネフタと言う西の町まで移動です。ネフタという町にはスターウォーズの撮影で使われたセットが今でも残っているそうです。見学できるかどうかわからないけれどちょっと楽しみ。
IMG_6922P3100140町から離れた荒野がスタート地になります。距離は長いのでコース自体はそんなに難しくは無く全体的にハイスピードな道でした。
P3100143この日のことはあまり覚えていないんだな。たぶん印象に残るような風景もなかったんだろうと思う。
ひとつ覚えているのは、スペシャルステージが終わったチェックポイントで各サービスチームが給油をしているのに、我がチームは居らず。
しかし、その先20kmにはガソリンスタンドがあるとマップには表記されている。たぶんそんな状況から我がチームはサポートを置かなかったんだと思う。で、だいたいトラブルっていうのはそういったときに発生するものなのです。
トラブルを期待したわけじゃないけれど、マップに記載してあるガソリンスタンドに着いて「ガソリン入れてちょうだい」っていうと「ないよ」「?」「ガソリン入れてちょうだい」「だから、無いってったらないの!」ガーーーン
この町にはここしかないの?
ないよ。
えーーーーーーー。
この先30km走ったらまたスペシャルステージじゃないか。絶対ガス欠になる。
道端には怪しいガソリンを売る人たちがいるが、最悪そこから買うしかないのか?
あれってどう考えてもやばそうな色したガソリンだもんなぁ。
どうしたらいいの。
町外れにひょっとしてあるんじゃいかと、ちょっと期待を込めてマップにしたがって先へ進んでみたが、町を抜けると地平線しか見えません。
どう考えてもガソリンスタンドはない風景が広がってます。
もう一度売切れのガソリンスタンドに戻り、近くでたむろするニーちゃんたちに言葉が通じないからタンクを指差しガソリンはどこで買える?と聞くと、「あっちの方向へ行けばあるよ!」みたいなことを指差しながら言うんだ。その方向はマップが示すこれから進むべき方向の逆。
もうその言葉に頼るしかないので町を抜けたら、次の町まで5kmの表示。
お!
次の町でガソリンスタンドはありました。ふぅ やれやれ。
ガソリン入れてるとき、同じエントラントがバイクを押して入ってきた、ぎりぎりそこでガソリンがなくなったよあぶなかったー。だって。
砂漠で水とガソリンがなくなる恐怖はあまり体験したくないです。
P3100144本日も転倒なしで無事フィニッシュでした。

野口のヘルメットカメラ
YouTube Preview Image

オフィシャルビデオ
YouTube Preview Image

 

 

トゥアレグラリーのおさらい その2

今日はガフサという町までの移動。移動といってもしっかりスペシャルステージはあるわけで、ダラダラ走るわけにはいけません。スピードが出せる場所でも、正直怖くて普段の2割減のアクセルの開け具合です。なので、バンバン抜かれます。抜かれるけれど、絶対に休まず止まらずコンスタントにある程度の速度を維持すれば、そこそこの位置でゴールできるのもわかっているつもり。
IMG_6893朝、自分のバイクを見たらこんな看板が立てかけてあった。しっかり宣伝してるねぇ。
IMG_6899スタート前の光景
IMG_6904この日はガレた山岳地帯を走ったかと思えば、スケートリンクのようなまったいらのドライレイクを走ったりでした。
IMG_6902チェックポイントではサービスカーが待機しており、ガソリンの補給や水の補給、軽食を用意してくれています。なので、サービスチームを利用しない場合は馬鹿でかいタンクで走らなければなりません。このレースの場合150km程度の航続ができれば問題ありません。実際自分の場合フロントタンク11Lで、ほぼこれのみでいけました。やばそうな時だけリアタンクに5L入れたときもありましたけどね。リアタンクは18L入るのでフルに入れるとけっこう重いです。
IMG_6909ゴールすると早速メカのジェラルドがマシン整備に取り掛かってくれます。この日はブレーキホールの取り回しが悪く、フロントフォークが沈んた時にホースがGPSのアンテナに干渉して引っかかり、走りながら何度も外していたのですが、また引っかかったなとホースを外そうと思ったらGSP本体が壊れてしまった・・。朝「GPSのデータの件は悪かった、今日はちゃんとデータを新しくしたから大丈夫」と渡されたが一日で完全壊れるってなんなんだよう。しかたがない、まだおろしたてだもんな。俺が実験してやってると思うことにする。
P3140239なので、ポケットに持っていた予備をこのようにセットし、以降ゴールまでこの仕様。
ホテルは快適でした。
IMG_6906IMG_6907IMG_6908シャワーを浴びて翌日のマップをセットしに行くと、ボスの奥さんのモニークが「ここのホテルの料理はとっても残念な料理なので、今日はうちらチームはここでバーベキューよ」だと。
IMG_6919IMG_6917彼は総合4位に入ったライダー。ライダーも一緒になって料理してる。
このチームはビールサーバーも持ち込んでおり、ビールも大量にトラックに積んである。
レース中はお酒を控えようと思ったけど「野口はビール好きか?」と聞かれれば「ものすごく!」と反射的に答えたら。よし、うまいビールの注ぎ方を教えるから、次からはこうやって飲んでくれ。良いか泡は絶対指2本だぜ。って、なんといか酒飲みの講釈は世界共通みたいだ。
P3140230 ハンバーグ、ステーキ、チキン、ベーコン、ベークドポテト、新鮮野菜のサラダ。特性ソースなどなど。すごく美味しい。腹いっぱいになるまでいくらでも喰ってくれってボスが言うのでハンバーグにステーキにチキンと、ほんと普段食べない量の肉を食べてしまった。
IMG_6921ホテルの駐車場はこんなトラックで溢れていて、ラリーの雰囲気はばっちり。いい感じです。

DAY2 野口のヘルメットカメラ
YouTube Preview Image

オフィシャルビデオ
YouTube Preview Image

トゥアレグラリーのおさらい その1

トゥアレグラリーのレース期間中は、出来るだけ毎日報告を短く書いていました。
もう一度、簡単だけどビデオも七日分それぞれ編集して、その日あったことなどをアップしていき たいと思います。
もうしばらくラリーの話にお付き合いください。

現地には前々日に入りました。
マシンはレンタルで2012KTM450EXCと聞いていた。なので、それに合うシートを作りサービスチームに送っておいたけど、結局出発までお願いしておいたシートの装着写真は届かなかった。少し不安を感じつつも、当日コレがお前のマシンだとコンテナから出されたバイクは新車のフサベル。しかも、このサービスチームが来年のダカールでレンタルするつもりのマシンだそうで、そのテストも兼ねているとのこと・・・テストって・・。まぁここで騒いでも始らないので、自分に合わせるためのセッティングをと思ったけど、低いハンドルを交換することすらできず、その他いろんな所は「別に優勝狙うわけじゃないし我慢するか」と言う事で、まだ取り付けられていない部品をメカニックが切って貼ってしているのを眺めていました。

P3070050

ちなみにコレがわがチームメモツアーズのサポートカミオン。先のダカールラリーもこのトラックで7台のライダーをサポートしたそうです。トラックの中には生活用具一式がつまっています。これについては追々説明していきます。
トラックの横にはツアーメンバーの名前が印刷されています。

P3070051

IMG_6855前日は車検。車検はゆるいものでごく簡単に眺めるだけ。
厳しかったのはエマージェンシーキットと電話。電話は当日知ったのですが(事前の連絡文を読んでいなかった)2つのキャリアが切り替えられて、ちゃんとそのどちらからもコールできるか検査する人の目の前で見せながらしなければなりませんでした。たまたま、日本から持って行ったアイフォンがその2つのキャリアを選択できたのでよかったのですが、シムロックのかかった日本のアイフォンの場合シムを買っても使えないわけですよね、もし片方のキャリアが使えなかったらと思うとぞっとします。たぶん、携帯電話をその場で買うとか何とかしたと思うけどね。それにしても、当日知ってびっくりした。
IMG_6858車検後ホテル前の砂丘を少し走ってみた。まぁ、このために来たんだから当然嬉しい。明日から7日間チュニジアの大地のどんな所を走るのか期待に胸が膨らむ。
P3080109レース初日、バイクのプロクラスが横一線に並びルマン式スタート。
スタートラインに並ぶ前にGPSを眺めていると、何かおかしい・・。ポイントには全て名前がついているんだけど、自分のGPSが表示している次のポイント名前と、実際のマップに表示してある名前が違う。2個目も3個目も違う。近くのライダーに聞いてみても「なんかおかしいなぁ」程度の反応。昨日メカニックが「GPSは今年のデータに書き換えてあるから問題なしよ」と言っていたので確認をしていなかった。でも、実際には「去年の!」データのままだった。スタートまで20分。慌ててホテルに帰って、今までいろんなレースに出たけど予備と称する物は一切持ってきたことなかったのに、今回はたまたま日本から自分のGPS(今年のデータインストール済み)を持ってきていたので、慌ててガムテープで取り付けた。これで、何とかスタートに間に合ったと言うわけで、かなりヒヤッとしました。
P3080111コースは短いけれど、柔らかい砂と小刻みな砂丘。なかなか距離を稼げない設定で、とにかく体力的にきつい日でした。
しかも、フロントフォークのトップについているアジャスターから何故かサスペンションがストロークすたびにオイルがジャブジャブ溢れ出てくる。
そのために、ウエアーはオイルまみれ、水筒のホースもオイルまみれ・・オイルまみれなので当然舞った砂が口に入れる場所にたっぷりつく、喉が乾いてホースを咥えると、砂とオイルが口の中に広がり、それはもうテンションの下がり方と言ったらありませんでした。
IMG_6888それでも何とか規定時間内にゴールできたのでよかったです。
初日から相当タフだったのでこの先が怖くなりました。
それよりもオイルでベトベトになったジャケットやパンツをこれから着続けなければならないと言う憂鬱さに夕飯があまり喉を通りませんでした。
これが私のヘルメットカメラで撮ったDAY1の映像
YouTube Preview Image

こっちがオフィシャルビデオ
YouTube Preview Image

 

帰って来ました。I arrived my home

楽しかったラリーもこれにて終わりです。海外チームに一人で入る経験は貴重なものになりました。やはりもっと英語を頑張らねば!(^^;; チームと言ってもアマチュアの集まりですけどね。ラリーを楽しむ人たちの年齢層はやはり少し高めですね。やはり、多少の余裕ができる年齢だからできる遊びなのかもしれません。とはいっても、もっと若い子で溢れると楽しさも変わってくるだろうなと思います。
いづれにしても、期間中にコメントをいただいたり、影ながら応援してしていただいた皆様ありがとうございました。
見てもらってる!という気持ちがかなり頑張りにつながりました。
この経験はまた次のステップのための糧となることでしょう。動画を今回はたくさん撮ったので、まとめてアップしていきます。
さあ、明日からまたトレーニング開始!
野口英一

20140317-094844.jpg