VEGAS to RENO 2021 JCR/HONDA

ベガスtoリノが開催されました。
HRC CRF450RALLYでダカールの覇者、昨年の本レースの優勝者リッキー・ブラベックが参戦。
先月作ったリッキー専用のウイングシートが装着されています。
右のシートは今年新たなチーム員となったキンタニラ選手のシートです。

ピットではノグチシートの工具巻きやスペアタイヤカバーが活躍してます。


そして、リッキーのピットはジョニーキャンベルレーシングのスタッフ。
バハ1000で何度も優勝を経験した熟練のスタッフたちが、それぞれの役割をテキパキとこなしていきます。

ここにもテーブルの上にノグチシートの工具巻きです。




連覇はなりませんでしたが、2022ダカールに向けてこれからの調整が勝負かと思います。

 

 

 

CRF250Lのシートについて

新型CRF250L、最近よく見かけるようになりました。
新型CRF250Lのシートは、すべて共通だった旧型と違って、250L<S> Rallyと全て違います。

CRF250LとCRF250L<S>は車体写真でその違いを見てもらいましょう。
シートの高さは50mmの違いがあります。

そして
写真をずらしてシートのボトムを合わせてウレタンの厚みの比較写真です。
注文部品番号が違うのでウレタンの厚みは変わっているだろうと言う予測です。写真で見ても明らかに薄いので、こうして写真をもとにシート本体で比較すると約20mmほどウレタンが薄いです。正確な数値はわかりません。
Sを買ったけど若干足つきに不安がある場合は、スタンダードのシートを付ければSの足はそのままに少し足つきが良くなります。
逆にスタンダードを買ったけど、少し足が窮屈であれば<S>のシートを付ければハイシートとなります。

次はCRF250RALLYです。
こちらはスタンダードと<S>では55mmの高さの違いがあります。

こちらも部品番号が違うのでウレタンの厚み変更が加えられていると思うのですが、250Lほど写真で見て厚みの違いがわかりません。10mmかなと思いますが、これはわかった時点で修正して数値を記載します。

LとRALLYではシートベースから違っています。
2つ並べて見て見ましょう。
左が250L<S>      右が250RALLY(Sではないスタンダード)
ウレタンが厚い250L<S>のシートよりも250RALLYのスタンダードのほうが厚いです。250RALLY<S>のシートがまだ手元に無いので何とも言えないのですがSになっても20mm厚くなると言ったことはなさそうな感じです。

座面の幅は同じように見えますがRALLYのほうが若干広めです。
広めだけどシート高による足つきの悪さを解消するために、全部がLより細めにシェイプされています。
タンクに面する部分は、ビッグタンクのRALLYのほうはタンク幅に合わせた幅広になっています。

前から見るとその違いは明らかです。

シートベース(底板)は似てはいますが違います。
手前がRALLYなのですが、ラバーマウントとなっています。
ウレタンの厚み、シートの座面幅、ラバーマウントと、250Lに比べ250RALLYはより長距離走行を意識したシートになっていると思います。
と見たまま色々書きましたが、いやいやそこは違うよ!と言う中の人がいましたら、こっそり教えてください。自分で見たことのように訂正します。

部品の共通化によるコストダウンは当たり前の世の中ですが、こうしてそれぞれのモデルの専用シートがついていると言うのはすごいなと思います。
また、先に書いたように厚みの違うシートが存在するので、ポジションのセッティングの幅が広がるのも良いと思います。
もちろん、当社でシートの高さや幅、衝撃吸収材T-NETの有無、カバー地をビニールレザーかウルトラスエード(アルカンターラ)するかなどの、細かなオーダーをしていただくことで、お客様に合わせたシート作りが可能です。
新型のシートはすでに多くの注文が来ております。

製作例です。
CRF250RALLYのダカールスペックシートです。
カバーはウルトラスエード。

既存のシートでは満足できない方の相談にいつでもお応えいたします。

皆様からの問い合わせお待ちしております。

 

 

 

 

HONDA CRF1000L アフリカツインのシート あんこ盛

背の高いお客様から、乗車時に足が窮屈なのと、このマシンでレースやコース走行もするためフラットな座面にしたいとのことでした。

加工前と加工後の比較です。
50mmフロントシートを上げて、タンデムシート座面からフラットな面を作っています。
また、シートの角度も身長が高い人というのもあり、着座位置が若干後ろになるように調整してあります。
足つきは50mm上げた分悪くはなりますが、通常座ることがない前部の幅をシェイプすることで足が真下に下ろしやすく、思ったほど足つきが悪くなりません。
加工後の写真は片足はステップに乗っていますが、このレベルであれば足の窮屈さが改善され、レースなどで足が着きたい時も、今までとさほど変わらず不安なく行けるかと思います。

ご依頼いただきありがとうございました。

 

 

2012のダカールを走ったシートの修理

2012のダカールラリーはホンダワークスがダカールに参戦する前年のレースです。
2011にダカールラリーで9位に入ったアメリカンライダーのクイン・コーディは2012にゼッケン9を付けてさらなる上位を目指しての参戦でした。

名前が定かではないですが、確かこれはヨーロッパのHT Rallyというチームのキットだったのではないかと思います。
ジョニーキャンベルレーシングチーム(JCR)もマシンのセットアップ等のお手伝いをしていた中で、割と期限ぎりぎりでシートも作ってくれないかという依頼でした。
その時のレースの結果はというと以下の動画

ケガをしましたが、致命的なものではなくて本当に良かったです。
マシンが戻ってきたときの写真です。


マシンはそのままJCRのピットで眠り、たまにラリーマップの製作などで動態保存されていました。
そして最近、JCRからこのマシンを借りているであろうDAVIDさんから「シートが破れてしまっているので張り替えてもらえませんか?」ということで、10年ぶりにシートが戻ってきました。
なんだか、いろんなプレゼントも同封されていた。ありがとーー!
破れてはいるけれど、乱暴な扱いをされていたわけでもなさそう。ウルトラスエードの状態も良く、毛羽立ち、毛玉、擦れなど見当たらなく良好です。
糸のほつれも、糸切れも見当たりません。
EVA防水コーティングの密着も問題なし。コーティングとウレタンの接着面の破断も起きていません。当然、水の侵入もありません。
ウレタンの状態もいいのでこのままウルトラスエードで張り替えて発送です。

完成写真はマシンに取り付けてから送ってもらうとするかな。

マシンがリフレッシュされて完成したようです。

応急処置をされていたカウルや、塗装が剥げたタンクの再塗装などして完成


いい感じです。

 

 

 

 

破れたシート CRF450RALLY

5月にメキシコのソノラ砂漠で開催されたソノララリー。
優勝はリッキーブラベック3位にコルネホとHRCの活躍が目立つレースでした。

最終日に現地からこんな写真が届きました。
犬にでも齧られたのか?という冗談はさておき、シートに欠陥があったのか気になるところでしたが、理由を聞いたら大きな問題ではなくホッとしました。
ついでに何枚か写真を撮ってもらい、今まで対策をしてきたところを検証させてもらいました。秘密の黒い布もちゃんと仕事をしてるようです。
どこの会社も同じかもしれないですが、問題が起きると過剰にそれに反応して、なぜそうなったのか、対策はどうするのか、二度と起きないようにするには・・・等々、書類や会議でうんざりすることがあります。
勿論今回の破れに関しても、ライダーが「破れないように対策をしてくれ」と言えば対策をします。しかし、そうでない場合は無闇に仕様は変えません。
破れた理由もわかっているからです。別の対策をすることで本来の性能が損なわれては意味がないのです。
なんてことを考えていたら
ワハハ ってな感じでこんな写真が届きました。破れた理由も書いてあるし。
優勝ライダーの余裕か、チームの余裕か、いずれにしてもこういうノリは好きです。
それなら周りにいる、そうそうたる面々のサイン書いてくださいとお願い。
3位のコルネホ ジョニーキャンベル 引退して戻ったかと思ったら5位に入ったケンドル メカのエリックやゲージ そして謎の人。
この車両は一旦日本に戻すから、シートはこのまま付けて戻すねと。
日本に届き、シートを見た担当から連絡があり、シート送りますと言うことで先日届きました。


一言添えてあるのがうれしいですね。
超一流のチームの面々がこういうことをしてくれるとやる気も出ます。
そして、届いたシートは分解。
破れたところのウレタンは別として、やはり実戦とテストで酷使されたシートの中身はとても気になります。一般のユーザーが使うレベルの数倍のストレスがシートにかかっているので細かく確認です。
接着部、ウレタンのへたり、衝撃吸収材T-NETのへたり、全体の形状、シートエッジの状態などなど見るところはたくさんあります。
自分で書いてしまうと嘘っぽくなってしまいますが、どこも問題は確認されることはなく、接着剤、ウレタン、工法どれも現状のままで問題なく安心したところです。
問題が無いと一言で書いてしまうと簡単なのですが、ウレタンとウレタンを接着することは簡単なのですが、接着方法と素材の性質が悪いと、接着面はそのままに。その横から破断していきます。なので、ウレタンの接着はなかなか難しく、今までさんざん失敗も重ねてきた結果なので、こういう結果を基に安心して作業ができるので無駄なストレスもありません。

極限のレースにシートを提供するメリットとして、耐久性と乗り心地性能の実験結果が得られると言うことです。さらに、トップライダーのリクエストに対する加工技術の向上や、一般ではリクエストされない乗り心地のリクエストに対する答えの用意などによって、一般のライダーの要望に広い範囲で応えられるようになることが挙げられます。必然的に製品は良いものとなっていきます。

今回の破れたシートは良く目立つところに飾っておこう。