ノグチシートの作り方 CT125 ハンターカブ

さて、今回はハンターカブのシートでノグチシートの作り方を少し書いてみます。作り方の一例ではありますが基本はこんな感じです。
先ずはカバーを止めているタッカー針を外します。
当たり前ですが1本残らずきちんと外します。

なんか写真の大きさがバラバラですがご容赦ください。
ハンターカブのシートは縫製が施してあるので、縫製部分からウレタンへの水の侵入を防ぐためにビニールシートが1枚挟んであります。
これが一番安く簡単ではありますが、ノグチシートでは行いません。
最後に書きますので後ほど。


次はシートベースとウレタンの接着です。
ノーマルは点で接着してあるので、しっかり固定します。
シートベースのボンドが付く面に足付けをします。
同時にタッカー針が貫通して出来たバリも取ります。
これだけでウレタンの寿命は確実に上がります。

レーザーでセンタを出してラインを引きます。

先ずはノーマルの高さを計測します。
今回は衝撃吸収材T-NETを挿入して、その上に20mmのミディアムウレタンを乗せて、ノーマルより約10mmほどアンコ盛り仕様にしようと思います。

ズバッと上面を切り落としました。

衝撃吸収材T-NETを積層し、更にXXを積層してからミディアムウレタンを積層します。

サイドまでしっかりとウレタンを巻き込みます。
何故かというと以下の図をご覧ください。

単にウレタンを重ねるだけではダメなのです。
理由は沢山あるのですが、一つ言うとすれば右2つの積層方法が全てにおいて左に勝っているからノグチシートではこうしています。要は隠れて見えないところで手を抜くと、後々その手抜きが表に出てきたり、乗り心地も変わってきてしまうという事なのです。
ちなみに
こんな感じに座面を掘って何かを埋めるというのは簡単なのですが、様々な問題があるためノグチシートでは行いません。

荒削りをしてラインを引きます。
座面の傾きや内股に当たる部分のラウンド具合など、精密な寸法が出せるように多くラインを引きます。

ノグチシートのオリジナルウレタンだと、ざっと削っただけでもこのくらいの仕上がりになります。ウレタンはなかなか簡単には削れないので削ったことがある人であれば、この写真で加工のしやすさが伝わるかと思います。

まだ車体がないので装着確認ができませんが、まぁこのくらいの角度であれば良いような気がします。(カットする前の写真を撮り忘れてしまった・・)
写真を見ると、シート単体をテーブルの上に置いた状態が車体についている状態と変わらないようなので、横から眺めながら前後の角を取ったり、側面がのっぺりしないようにプレスライン的なものを入れてアクセントをつけ、ぼってりしたお饅頭みたいなシートにならないように気をつけます。

さて、形が整ったら最後に防水加工です。最初にノーマルシートはビニールが被せてあると言いましたが、ノグチシートでは1.5mmのEVAシートを全面に貼り付けます。これによって、ウレタンへの水の侵入を防ぎ、シートウレタンの劣化を抑えます。また、貼り込むことによってウレタンに腰が出ます。

裏側までしっかり巻き込みます。


次はカバーの型取りです。
どんなデザインにするかまだ悩んでいます。

ちなみに今回使用したウレタンなどの製作材料は全て購入可能です。

次は完成までをお届けいたします。