バイクシート 張り替え  生地について

バイクシートの張替えと言っても加工業者によっていろいろやり方がありますね。
うちが一番と言いたいところですけど、決めるのはお客さんですからうちがいいと思ってやってる加工内容と素材の紹介です。一度に書いても長くなるので今回は表皮材から
ビニールレザー

左は一般的な家具用レザーの断面図。  右はバイク用。
左は上からスキン層、中間に発泡層、裏面には基布と言われるメリヤス生地の3層になっています。スキン層は極薄なので椅子やソファなどにはソフトで良いのですが、バイク用となると少しの引っかきで裂けてきてしまいます。
一方バイク用は表面から基布まで全てビニールなので多少の引っかきでも避けにくくなっています。
もちろん当社で使用するビニールレザーは99%右のバイク用のほうですが、発泡層があるビニールレザーでも使用箇所によっては問題ない場合もあるので使用する場合もあります。
ビニールのメリットは、防水性がある。耐候性に優れている。加工しやすく安価である。
天然皮革
使用することはあまりないですが製作は可能です。
天然皮革の風合いはビニールレザーにはない質感がいいのですが、雨や経年劣化で見た目に良い感じではないヤレ感が出る場合が多いですね。まぁそれは車種にもよりますけどね。
バックスキンなどは色の飛びが早いので人工スエードをお勧めしたりしています。

座面を黒のバックスキンで張って3年ほど経過して色が抜けてしまった例。色が抜けたと言うだけで使えないわけではないです。

ヌメ革やサドルレザーで作るとまた話は変わり、飴色になるその変化は十分楽しめますね。
人口スエード
エクセーヌやアルカンターラですね。
ものすごく簡単に素材の内容を説明するなら、極細の繊維がかみ合ったフェルトのようなものでしょうか。
そのタッチは柔らかくしっとりしていて天然皮革よりもいろんな面で扱いやすい。
イタリアのアルカンターラ社製造の物と国産のアルカンターラではやはり違いがありますね。

これはMVアグスタのシート。座面のアルカンターラが伸びきってしまっています。
ビニールレザーと違って伸び止めの基布が中間層に入っているのですが、イタリア製のアルカンターラはそれが弱いのかもしれません。国産のアルカンターラはここまでダラダラに伸びきることはないですね。

このシートはダカールラリーともう一つ砂漠のラリーで使用したシートです。座面はエクセーヌで張ってあります。
サイドのビニールレザー部分は破れていますが、座面はほとんど荒れていません。座面に乗せてある小片はバージンのエクセーヌです。あまり色などに違いはありません。
エクセーヌとアルカンターラの違いについてはここでは省略。まぁほぼ同じですけどね。そのブランドで使用範囲が大きく違っています。国産でアルカンターラのソファってないでしょ?もっと知りたければinfo@a-seat.jpへメールください。
・・・話を戻します。
人口のスエードを使用するメリットとして、タッチが柔らかい。夏場など座面の温度上昇が少ない。長時間座っていても蒸れにくい。ビニールレザーに比べて破れにくい。適度な滑り止め効果がある。などですね。
特に夏場など長時間炎天下で駐車していてシートが熱くなってしまうことがありますが、アルカンターラやエクセーヌだとそれがありません。しかし、この表皮には防水性がないので雨もガンガン走る場合は少し気になるところです。
ちなみに表皮に水はしみますが、当社のシート加工にはすべて防水加工を施しますので雨に当たってもスポンジにしみ込んでいつまでも不快な思いをする事はありません。
こちらでカラーバリエーションを確認いただけます。

総合カタログもございます。
今度は表皮の縫製についてお話します。