いつものR100GS/PARIS-DAKARの改造

触ると壊す。
やらなくていいことはしない。
分かっているけど、雨が降ったりして乗れない休日にガレージでバイクを見てると触りたくなってします。
今回は一回やって見たいと思っていたガードの塗装。
これは今のバイクを購入する決め手となったヤフオクの写真。
今見ても、なぜかこの写真のGSはバランスよくスマートに見える。
たぶんカメラマンの腕は良かったんだろうと思う。
しばらくは機関に手を入れてきたけどこんな写真を見つけてしまった。
黒いリムに黒いガード。フロントフォークは倒立だし、タンクのカラーリングもいい。
という事で
黒いリムにした。
簡単に取り外せるエンジンガードも塗った。
ジェネレータカバーも塗った。
そして残っているのがこの赤い大きなガード。
やっぱり赤じゃない方が良い気がする。
気がするからやっぱり塗ってみよう。
簡単に外せないかなと、見えるボルトから外していくと、結局ガードとカウルが一体の状態で車体から外さないといけないことが分かり遠回りしながらなんとか外す。
外したら今度はハーネスの断線しかけの部分を発見したり、樹脂部品の割れを発見・・・。ガードを塗る作業は一瞬だったけど、たぶん取り付けたら数年は外すことは無いだろうと、ライト球は全部新品にして、メーターケーブルもメンテナンス。ハーネスははんだ付けし直しから、新しいテープまいてまとめ直し。
ガードを塗る作業が良いメンテにもなったと思ってます。

塗れた。艶消し黒かリムと同じ艶黒かと思ったけどガンメタ。
クリアは乗せないで半艶なまま。

やっぱりこっちがいい。
気分が良いので翌日海まで。


こうして見てるとサイドカバーのMラインがなんか邪魔だし、やっぱり全塗装しちゃおうかなぁ。

そうそう、タンクの両サイドに付けていた小物入れは、刺繍したロゴのかっこ悪さもあっておひまを出しました。そもそもタンクにある小物入れで事が足りるし、リアキャリアに作ったバッグが良い感じなのです。

さぁツーリングシーズンの始まりです。

 

 

バイク用ビニールレザーの新色

バイク用ビニールレザーに新色が加わりました。

BK-02 黒色。綾織カーボン調です。Y-03(廃番)と見た目は同じです。

BK-03 黒色。艶の無いラバーライクな風合いです。

BR-02 シボ(表面模様)はB-42、43と同じです。滑り止め効果あり。
色はこげ茶。

BR-03 一般的な革シボ。色はタン。カフェレーサーなどに似合いそうです。

RE-02 巾1.5mm高さ0.5mm程度のドット凸が並んでいる滑り止め素材です。
厚みが1mm以上あるため座面のみに使用可です。

RE-03 B-59,60,61辺りのシボとほぼ同じ。粗いサンドペーパーのような滑り止め素材です。

RE-04 これも先のBR-02と同じシボです。
また上記3点の赤色はホンダの現行”ピンクレッド”ではなく、一般的な”赤”です。

今まで何度も書いていますが当社が考えるバイク用レザーについて説明します。
簡単に言ってしまえば、発泡層があるか無いかの違いです。
もちろんそれぞれにメリットがあり、一概にこれじゃないとダメとは言い切れませんが、だいたいこんな感じです。

発泡層がある家具用(雑貨用)は感触が柔らかく、より本革に近いものもあります。抗菌、防湿、耐アルコールなど様々な機能が付いているもの多く、椅子やソファに多く使用されています。しかし、発泡層の上のスキン層と呼ばれる表面はごく薄く、ひっかき傷などには弱いです。生地の基盤となる基布はメリヤスで一定方向しか伸びないものが多いため、小さくて複雑な形をしたバイクシートに張るには少々困難です。

一方バイク用の非発泡レザーは基布から表面までが1枚の塩ビの板であるため、ひっかき傷には強いです。一応バイク用は-30℃から+80℃まで耐えられるように設定してあるため、昔の塩ビ素材のように可塑剤が表面に出てネバネバすることもありません。基布は全方向に延びるものが使用されているため、バイクシートの複雑な形状でも、多くの切り替えを入れなくても貼ることができます。

これからも、どんどんとカバー素材は増やしていこうと思っています。

 

 

HONDA GB350のシート

長く取引をしている会社の部長が免許を取り、GB350を購入したのは3年前だったかな。
買ってすぐに「ノグチシートにしたい」と言われていたんですが、初めて乗るバイクだし、しばらくそのままで乗っていて、それでやっぱりシートが気になるなら加工することにしましょう。
そんな話をしていたけど、いよいよ昨年秋ごろ「やっぱりどうしてもノグチシートにしたい」という事で打ち合わせ。

中身は当然ダカールスペックにして、シートカバーはGB350Sのようなタックロールを入れたい。
サイドバッグには赤いステッチが入っているので、それも合わせたい。

という事で完成したのがこれです。
使用したレザーはB-39
わりと艶のあるレザーですが、安っぽさは無く、逆にこの艶感がGB350に合っていると思いました。
シートが仕上がってから長距離ツーリングに何度か出かけたけど、ノーマルとは疲れ方が雲泥の差で、やっぱりノグチシートに替えてよかったですよと嬉しい感想をいただきました。
ノーマルの茶色のシートも良いのですが、こっちを見るとやっぱりオーダーしたものの良さは出ていると思いました。

農機具小屋の改造 ガレージライフ

今使っているガレージは、もともと耕運機や農機具を収納するための小屋でしたが、私がバイクのいじり部屋として使用するようになったので、この小屋に付け足す形で農機具小屋がありました。
写真では既に片付いていますが、たくさんの棚と耕運機、なぞの漬物、瓶類、いつのか分からないスタッドレスタイヤなどぎっしり詰まっていました。
今後畑を作ることは無いと判断して、畑はつぶして、農機具の使えそうなものは全て欲しい人のもとへ行きました。
綺麗に片付いた部屋を見ていたらリフォームしたくなり、今回は業者さんに頼まず自分でやってみることにしました。
ちなみに大工の経験はありません。
見よう見まねとネットの情報のみで進んでいこうと思います。
せっかちな性格なんですが、ひとまず眺めて構想を練ります。
先ずここで何がしたいかを考えたとき、特に思い浮かぶものがなく少し増えたバイクで狭くなった現在のガレージを広くするためにこっちに数台保管しようかなという感じです。。

なので、今後ここにエアコンを入れるかどうかは別にして、ひょっとして入れるかもしれないし、隙間風だらけだし、暑いし寒いので断熱材を入れて、全面をOSB合板で貼ることにしました。
決まれば早いです。
近所のホームセンターで材料を購入して作業開始。
天井を貼り始めるが、合板を持って脚立に登って片手で支えて固定するという作業が危ないったらない。
ここまで貼ったものの、急に怖くなってきて友人に応援を要請。
天井完成。
やっぱり二人でやると早いし楽です。
灯りが欲しくてかっこいいのを考えていたけど、会社にこのLED蛍光灯が余っていたのでとりあえず設置。まぁこれでもいいかな。
断熱材は「梱包袋が破れているので特価です」というのを買ってきた。何の問題もない。外袋が破れているだけで1000も安いのはありがたいです。
FBに進行状況をアップすると、友人からアドバイスが出てくるんだけど、ブロックも断熱した方が良いとか言われると、作業の内容が変わってきてしまうのでアドバイスは今後のための知識の引き出しに入れておくことにした。
単純な作業を進めていると、手は勝手に動くけど頭はほかごとを考えていて、入口の戸をどうするか、このままではかっこ悪し、1枚にしたいし、と考えているうちに山の家の納屋に古い戸がしまってあるのを思い出した。
なんかめちゃくちゃ古い戸を発見して、この戸の寸法がほんの少しの加工でここに収まることが判明。
外から見ると、まさに納屋。
中にバイクが入っているとは思わないと思う。たぶん。
そして、作業しては掃除をするのですが、どうしようもなく湧いてくる土埃に辟易して色を塗ることにしました。
年末に会社のフロアを縫った塗料がまだ余っているのでそれを拝借。

中々ムラが取れず計3回塗り重ねました。
これで埃も消えました。
ここから先の作業は集中モードだったので写真がありません。
いきなり完成です。
上出来です。我ながらよくやりました。
ビフォーアフターの写真を並べるとやり切った感があります。


広さはこんなものです。バイクを置くとよくわかりますね。
これから壁を飾って行こうと思います。
しかし、慣れない作業を一気に進めたので久しぶりにぎっくり腰をやらかしました。しばらくは安静です。
ちなみにかかった費用ですが
OSB合板 9mm 34枚x1680 ¥57,120
断熱材      3x3,840   ¥11,520
根太       3x2,080   ¥6,240
ロールスクリーン 2x4,000   ¥8,000
こんな感じです。
様々な道具が揃っているという点はありがたいですね。
道具のおかげでかなりのスピードで完成させることができました。
道具が無ければ無いで工夫するしかないんですけど、それはそれでまた楽しい。

と、これで完成のつもりだったのですが、壁1枚で繋がった部屋に外からアクセスるのが面倒に感じて壁を抜くことに。
ちょうど引き戸のところが抜くのにちょうどいい場所だったので、今回は鉄骨を切るという事もあり業者さんに頼みました。
良い感じで抜けました。
やはり部屋から部屋へ外に出ずにアクセスできるのは良い。
部屋の内装している時にも友人からそれを言われて、いやいや抜くほどのことは無いよと言っていたけど、全然違う!。素直にアドバイスは聞き入れるののありです。
ちらっと写っている引き戸も色やニスを塗ってアップデートしてます。
今までのガレージから見るとこんな感じ。
既に新しい部屋の壁が・・・。僕にとっては宝物でも他人にとってはガラクタで埋められてます。いいんですこれで。僕の部屋ですから。
扉をあえてつけなかったので、ビニールカーテンを取り付け。
付けてから気づいたけど、このカーテンが結構揺れます。
そう、まだまだ隙間風がたくさん入ってきているんです。
とは言え、今までの事を思えば十分気密性は上がっているので気にしないことにします。

30年かけてアップデートを重ねてきたガレージはつぎはぎで統一感が無くてごちゃごちゃしてるけど、これが気に入ってるし、まだまだ引き続きアップデートを重ねて行こうと思います。

 

 

モーターサイクリスト3月号 掲載

モーターサイクリスト3月号にノグチシートを取り上げていただきました。


ネット記事が多くなった最近、雑誌の取材を受けることが少なくなりました。
久しぶりですが、こうしてカラーページで取り上げていただけるのはありがたいです。

取材中に「市場調査などはどうされてますか」というのがあったのですが、今まで市場調査という言葉は知っていても考えたことがなくて、この質問を機に今までどうしてたかなと少し考えてみました。
このバイクシートの加工を始めたころはやはり試行錯誤しながらだったので、お客様にアンケートをとったりしていたのですが、わりと早い段階でそれはやめました。
なぜなら、乗り方、体格、性別、感覚、全員違いますからね。
少々言葉が乱暴ですが、私の考えは市場調査の素人が素人に聞いても何も生まれないという事なんです。100人のデータを取って平均値を出すより、自分が乗って良いと思ったものを提供する。自分が1000km乗ってお尻が痛くないものであれば、例えお客様に合わなくても諦めがつきます。
プロを相手にするときは聞き取りから色々変わりますけどそれは割愛します。
なにより自分が満足していないものを作っていても不安しか出てこないんです。
加工したけどイマイチだったという意見が聞こえれば、開き直るのではなく、またそこから改良を進めればよいわけです。全員を満足させることは不可能なことなのです。

こうして今の衝撃吸収材T-NETやオリジナルウレタン、防水コーティングなど独自の材料と工法ができてきたわけですが、始めたころにはロゴがダサいとか、もっとこうしなきゃとか、そもそもラリーのシートなんて仕事にならんでしょう・・・まぁいろいろな意見をそれなりの人たちからいただきました。が、アドバイスは聞いたけど実践しなくてほんと良かったと今になって思います。
しかし、言われたことって忘れないんだなぁ。
ネガティブな意見だけをバネにしてやってるわけではなくて、大好きなバイクでラリーに出たりツーリングしたりしながら、もっと楽しく乗るにはとシートの可能性を常に考えているわけです。
自分はプロのライダーではないけれど、プロのシート屋なのでプロとはどういうことなのを常に考えて行けたらと思っています。

そんなこんなで、有限会社野口装美は今年で55周年。ノグチシートの部門は35年も経ちました。
これからも宜しくお願い申し上げます。