5月の連休にアンコールワットに行き、帰りの乗り継ぎがスムーズではなかったのでホーチミンに一泊しました。
その時取ったホテルの隣が「マジェスティックホテル」でした。
何も考えずに現地で一泊のつもりだったけど、マジェスティックホテルの名前を見て、記憶が戻ってきました。
作家 開高健
この人の本の最初は「オーパ」でした。高校1年の時に半年ほど入院することがあり、病院の院長が「釣りが好きなら、この本大きくて重いけど読んでみたら?」と貸してくれたのがきっかけです。
それから開高健のファンとなって、何年もかけて殆どの本を読みました。まぁ理解したかどうかは置いといてです。
そして、開高健のベトナム関連の本を読むと出てくるのがこのホテルなんです。
ただそれだけと言えばそれだけなんですけど、年甲斐もなく聖地巡礼というか、同じ部屋に泊まってみたいという、それだけでもう一度「サイゴン」にやってきました。
60年前とは風景も何もかも違うんですが、それでもいいんです。
憧れていた場所に行きたいという気持ちがあるうちはどんどん行こうと思っています。
約100年前に建てられたこのホテルは、リノベーションされたとはいえ至る所に当時の面影がまだ残っています。
こうしてこの部屋をオーダーしてくるのは僕だけではなくて、多くのファンが訪れるためにこのような説明も貼ってありました。
部屋の中には開高健の写真がたくさんありました。
ここに来るまでにこの本をもう一度読み直し。
今回の旅はこれで目的完了です。
やっと泊まれた。それだけで良いんです。まだまだ、行きたい所に行って、やりたいことやって、食べたいものリストは頭の隅っこにぎっしり詰まっているのでこれからも続けたいです。
さて、そうは言っても、部屋に引きこもって、たまにプールでのんびりしながらビールでも飲んでというわけにもいかず
ホテルの近くにレンタルバイク屋さんを見つけたので、問い合わせたら「スクーターなら1日1500円だよ。ヘルメットも貸してやるよ。」というので早速借りて、市内の恐ろしい交通渋滞から離れて海までツーリングしてみました。
マップホルダー(スマホホルダー)も装備されたバイクなので怖いものなしです。
保証金の代わりにパスポートを人質に取られたり、店のあんちゃんの恐ろしいほど無愛想なのも、いったんバイクに乗ってしまえば気分はいい。市内を走る時は最初戸惑ったけど、5分も走ればなんとなくこの土地の暗黙のルールというか、その辺りの走り方も分かるのでそれほど問題はありませんでした。
途中大きな川があるから、どんな橋がかかってるんだろうと想像していたけど、橋なんてあるはずもなくナビに誘導されてそのまま吸い込まれるようにフェリー乗り場へ。
なんか書いてあるけど読めません。
でも、みんなフェリーに乗るのは間違いないのでついていきます。
基本何かをするときには必ずお金が要ります。
しかも、それが必要な時は急に訪れます。
だから、僕はいつもバッグに財布をしまいつつ、ポケットには裸でお金をいくらか入れています。
フェリー乗り場は流れ作業的に、バイクに乗ったまま係員にお金を払う、そして乗船するためのカードを貰う、そのカードを次の係員に渡すというのが見えたので、いくらか分からないけどポケットに入ったお札を握って係員に差し出すと、めんどくさそうに必要な料金分を取ってくれた。
これで乗船できる。
料金所はボトルネックになているので1列になるけれど、お金払った後はまた市内渋滞のごとく我先に乗船します。ぎっちぎちになるまで乗ります。
乗るとこんな人もいます。
肩にインコ乗せたままの人もいた。色々カオスで楽しい。
これ以外にも色々なものを満載したバイク多数でした。
フェリーを降りて1時間ほど、市内とはうってかわって何もない誰もいない道をひたすら1時間。
海は期待した海ではなく、眺めることも無く直ぐ近くの海鮮市場へ。
貝貝貝 カニエビカニエビ これどれも美味そうです。
当然英語は通じません。そもそも僕の英語もガタガタなので相手が喋っても分からないことが多いです。
良く分からないけどこれとこれください。
と言ってカニと貝を注文。
ビール飲みたいけど、バイクなのでここはコーラで我慢です。
頼んだカニは甘辛いソースで炒めて出てきました。
当然手づかみでわしわし食べるんですが、どうしたらこんなネトネトになるんだっていうくらい手がネトネトになります。
味は良い。もうお構いなしにしゃぶる感じです。
なかなかのビジュアルの貝も来た。
こちらはあっさり塩茹でって感じ。こりっこりで、あー-ビール欲しい。
食べたら帰ります。
海までの道は1本しかないので、来た道を帰るのですがその時に見たこれが気になって帰りに寄ってみました。
道路端にこれを並べて、ひたすら鉈のようなものでこの実を割っているんです。
割った殻が山のようになってるので、中身が気になって仕方がなかったんです。
なので、お茶もできそうなところでバイクを止めて、これなんですか?って聞いたら、おねーさんがアイスボックスを開けてこれだよって。
桃くらいトゥルンとしてるかと思ったら、ガジガジで噛めないくらい硬いのもあったり、熟れて柔らかくて甘い物もあり、氷を入れてジュースと一緒に食べたらまぁそれなりでした。聞いて食べて、なんだろうの謎が解けるのはうれしい。
バイクを返した翌日は街をぶらつくのですが、やっぱり行くのはこんな場所。
日本で言えばウーバーイーツですね。
バインミーがおいしい店なんでしょう。左右に同じ店があるのですが、ここだけGrabfoodのデリバリーが行列してました。なので、美味しいお店はこういった感じで探しても楽しいです。
たまにはと、ちょっとサンダルでは入れないようなレストランに行ったり、ベトナム戦争の記念館で少し勉強し直したりと今回も良い旅でした。
旅の仕方は人それぞれであって、こうあるべきとかは無いと思っています。綿密な予定立てるのもいいし、行き当たりばったりも良い。せっかく行くならあれもこれもという気持ちもありつつ、僕の場合はそれをやってると疲れちゃうからやり残したらまたこればいいかなという感じ。今回の旅もそう。2回来たホーチミンは隅から隅まで見たわけじゃないけど、それなりに分かったからしばらくは良いかな。
高校出たての頃に友人たちとテレビを見ていた時に、芸能人が香港で昼食を食べるだけの企画をやっていたんです。一般庶民にはできないようなセレブな企画でした。その時にいつかフラッと「ちょっと昼ご飯でも食べに香港で行くか」ってやりたいなって言ったことが忘れられずにいます。まぁそれが仕事の原動力になっているのかもしれません。
海外ラリーもそう。あの砂漠に行きたい、あの国を走ってみたいと思いながら今年55歳で30か国ほど旅をして、バイクレースは6か国を走ったかな。まだまだ増やしていきたいなと思います。
さー-次の旅までまたがんばろー。