休みの日に会社に来て書類の整理をしていたら電話が鳴った。
「F355のシートの相談がしたい」とのことで、これから北陸から走ってくると言うことでした。
数時間後、普段聞くことのないエキゾースト音が聞こえてきた。
ひゃーーー
かっこいい!!!
ピッカピカです。
ローターもでっかい。
レース仕様なので当たり前と言えば当たり前なんだろうけど、見るからに効きそうです。
目立たない、ちいーーーさなウインカーも素敵です。
ロールバーが入っているので、乗り降りは大変そうです。
ハンドルが起き上がっています。
内装は本革とカーボンですね。
消火器も装備されています。
さて、本題のシートです。
前回張り替えたシート>と同じく、ウレタンは劣化し粉が落ちてきてます。
もう、こうなったウレタンは交換しかありません。
粉状のウレタンが車内に散らばると、静電気でなかなか取れないんです。
乗り降りするたびに粉がぱらぱらと落ちますから、こうなったら、ウレタン交換と張替をしないといけません。
いたるところでヤレが見れます。
特に赤色のファブリックは退色しやすく、わりと早く色が抜けてしまいます。
今回の場合もショルダー部がピンク色になっていました。
今回はエクセーヌかアルカンターラで張替を希望されたので、実際にシートに反物を当てて選んでいただきます。
エクセーヌとアルカンターラでは微妙に赤の発色が違うのです。
どちらもOMPのシート生地とは異なる赤ですが、今回はアルカンターラで張り替えることに決定しました。
また、ダカール用のクッション素材にも興味を持っていただけたので、張替と同時にクッションのカスタムもさせていただくことになりそうです。
秋のドライブシーズンをもう少し楽しんで、年末に作業開始と言うことで打ち合わせは終了しました。
遠いところ、お越しいただき誠にありがとうございました。
Daytona デイトナ掲載 ジオン公国軍 サウロペルタ
今年の5月にジオン軍から依頼されてシートを作りました。
ジオン軍のブログ
1/1のプラモデルとはよく言ったもので、それはもうすばらしいできです。
あまりにも素晴らしいので、三菱自動車をはじめ、各地の展示会に引っ張りだこな毎日を送っているそうです。
そして今月号のDaytonaにも特集されています。
うれしいですね、当社のことも紹介いただいております。
さらに、うわさでは新たな計画が進行中とか・・・・・
次回作が楽しみです。
ラリーニッポン2010 フェアレディーのシートカスタム
今年も開催されるラリーニッポン
ラリーニッポン2010
昨年は美濃市がチェックポイントになっており、見学に行きました。
小坂酒造前で、たくさんのクラシックカーと、それに乗るセレブな方を自転車にまたがりながら眺めてました。
さて、今年は桐島ローランドさんも参加されるとのこと。
しかし、参加車両のフェアレディのシートが酷くて1日すら乗ってられない!とのことでクッション改造の依頼がありました。
届いたシートを見てみましょう
表皮は張り替えてそんなに時間が経過していないようです。
しかし、張り替えた時にウレタンの補修まではしていなかったようで・・・
外観からも、座面のウレタンが崩れているのが分かります。座ると、金属フレームの中にお尻がはまり込む感じです。
クッション性はありません。
裏を見ると、エラストベルトも弾力がなくなっています。
はがしました・・・・
完全に崩れています・・・
壊れて粉々、と言うのはこのことですね。
これでは、シートの枠に体重を支えられているだけで、カバーがハンモックのように・・いやハンモックなら多少は楽かな。とにかく、見ただけでも座ってられない状態でした。
さて、完全に座面をフレームのみにして新しく作っていきます。
桐島さんからの要望で、座面の高さは極力上げないでほしい。現状でも天井に頭が当たるかどうかなんです。と言うことだったので、クッション性を保ちつつ低く作っていきます。
左が修理前のたるんだベルト。右が新しく張り込んだベルト。ベルトの上には座圧分散のシートを貼ってます。
ウレタンを整形していきます。着座部は薄くするのでT-NETを敷きます。
ちなみに右のシートは、助手席のウレタンです。助手席でもこのようにウレタンが硬化してひび割れ、握るとポロポロと崩れます。
ココからちょっと内緒
表皮はそのまま使用して欲しいとのことだったので、補強をして再張り込み。
座面のカバーが パンッ と張った感じが分かるでしょうか。
完成。座った感じは、薄いけれどセミバケット風な座面が適度なホールド感を出してよい感触です。
これで、ラリーニッポン全工程を快適に走ることができると思いますが、それは走ってみないとわかりませんね。
感想待ってます。
ファラオラリー総合3位
先日お知らせしたファラオラリーが終了しました。
当社がシートクッションをサポートするチームランドクルーザー1号車が
部門1位
総合でも3位!
を獲得しました。
おめでとうございます。
このままダカールでの上位入賞と6連覇を期待せずにはいられません。
単純な私は、こんな時の座席のロゴが一層輝いて見えたりします。ほんとうれしいです。
1号車ドライバー三橋さんのWEB
毎日現場からライブ中継があるなど楽しかったです。
ライブ映像は大変でしょうが、ダカールでもして欲しいところですね。
フェラーリ F355 チャレンジ フルバケットシート張替
当社はフルバケットシートの張替もしております。
今回はフェラーリF355チャレンジのシートです。
OMP製のカーボンシェルで非常に軽いです。
お客様から「表皮も汚れて破れもあるが、中のスポンジもダメみたいです」とのこと。
メールでやり取りをしながら素材の検討などをしていただき、見積が通ったところで送っていただきました。
送っていただいたシートを、作業に取り掛かる前に現状確認。
思った通りウレタンは加水分解をして粉になっています。
少し触るだけでパラパラと雪のように落ちてきます。背面のリブに乗っている粉がウレタンです。
こうなったら補修ではなく、その部分は古いウレタンをはがして新しいウレタンを貼り付けることになります。
この際に、厚みを増やしたり少なくしたりしてよりドライバーに対してフィットするセッティングも当社では可能です。
今回使う材料はエクセーヌと言う人口スエード。アルカンターラより安価で触り心地や耐久性はアルカンターラとほとんど変わりません。
座面と背面クッションにはパンチングエクセーヌを使用し、シェル部分はパンチングなしを使用しました。
座面クッションも補修し若干弾力を増すようにしてあります。
ヘッドレスト部の刺繍はお客様の要望で同じ物を刺繍しました。
ワッペンは再利用を考えましたが、色褪せやにじみがあったためお客様より支給いただきました。
張替の他にクッションの厚み調整や、ダカールラリーなどで培われたクッション性の高い物への変更など色々ご相談に乗ります。