ラリーにかかった費用 Cost of the Tuareg Rally

もう1ヶ月も経ってしまった。終わってみるとあっという間。記憶がだんだん薄れていく。でも、ぞくぞくしたあの感覚はいつまでも残っていて、また行きたいまた行きたいと頭の中でグルグル・・

さて、このブログを読んでひょっとすると来年のトゥワレグラリーに出ようかな?と思った人は少しはいるかもしれないので、参考までにかかった費用について書いておきます。

レンタルバイク+メカニックサポート 5,200ユーロ
エントリー費               1,590ユーロ
ラリー中のホテル代(プランが色々あります)250ユーロ
先ずは合計7,040ユーロをミサイルファクトリーを通してチームカイザーに支払いました。ちなみにこの時のレートで¥730,000くらいだったかな。レース中に破損した部品については実費となります。リアタイヤは1本がこの価格に含まれています。

マシンは出来上がっているので、ライダーが用意するものは自分の工具とGPSのみ。必須携帯品は全てチームカイザーが用意してくれます。
GPSも機種をあらかじめ知らせておけば、GPSホルダーをバイクに取り付けておいてくれるそうです(実費)

ガソリンは自分のお金で入れる場合と、チェックポイントでチームカイザーが入れてくれる場合があります。なので、自分でガソリンを入れるために現地通貨に¥15,000ほど両替し、同じ金額をチームカイザーに渡します。チームカイザーに渡したお金は後で清算され、ガソリンを多く使えば追加で支払ったり、リタイアをしてチームのガソリンを使わなかったりすれば返金されます。チームに支払った¥15,000は返金も追加もなしでした。¥15,000両替した現地通貨は¥10,000ほどしか使いませんでしたね。ちなみにユーロのままで支払っているライダーを多く見たので現地通貨のディラハムに変える必要はないかもしれません。
ちなみにホテルは1人部屋や2人一部屋など色々選べますが、申し込みが遅いと直ぐに一人部屋は埋まってしまいます。 レース前日からスペインのモハカールにはいるためそのホテルの費用は各自負担となります。
ではまとめてみます。

パッケージ費用 ¥730,000
ガソリン      ¥25,000
前泊ホテル    ¥20,000(朝夕食事つき)
エアチケット   ¥230,000(イタリアに寄った分も含んでいます)
その他雑費   ¥50,000

合計¥1,055,000

ラリーのみだったら今のレートだと100万を切る費用で参加が可能ですね。もちろんラリーの出るための装備を既に持っているということになりますけどね。

100万円と言うのは大金ではあるけれど、 これだけの内容のラリーであれば安い部類に入ると思う。毎晩ベッドで寝ることが出来て、バイクは毎日整備され、食事もまぁ満足いくものが出る。何よりロケーションがいいし、レースもきちんと運営され、メディカルに関してもすばやい対応がされていたしね。
毎晩テントで、暗いうちからスタートし、整備も自分と言うストイックなのも嫌いじゃないけどね。

 

BIG TANK MAGAZINE   Tuareg Rallye2012

なんと表紙である。自分がTuareg Rallye2012のレース中に撮った一枚が表紙になっている!

うれしい!!!

もちろんビッグタンク用に書かせて貰った原稿が多くの写真と共に掲載されています。

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表紙を見ていると、なんか不思議な感じがする。いままでこうした写真を見ては「いいなぁ、いつかはこんな砂丘を走ってみたいな」と思っていたのに、こんなところを自分が走ってきたなんてね。
実際走ってきたんだけど、自分が撮った写真見てスゲーとか言ってるから世話ないね。
だって、ラリー中の思い出は結構早く消えて言ってしまうんだ。あまりにもたくさんの出来事や風景が頭に入ってくるからね。どんどん断片的な記憶になってしまう。
1つ言える事はこの写真を見て「おぉぉーー砂丘スゲーー、なんか行ってみてぇーー、ラリーに出てみたいーー」って思われたら嬉しいね。
実際すごく面白いんだもん。

 

ラリーマシンのナビゲーション機器など

バイクでラリーをする場合、最低限必要なものと言えば、ルートマップを入れるマップホルダー、ルートブックに記載されている距離を確認する精度の高いトリップメーター、そしてGPS。もちろん長距離を走るためのビッグタンクや、非常用の必須装備、そしてノグチシート!(^^)などありますが、今回はハンドル周りのそれらを操作するスイッチに重点を置いてみてみます。

ちなみにこれが私の装備。たぶん一番シンプルでしょう。大きな声では言えませんが、GPSなんてT-NETを緩衝材にしてタイラップ止めです。トリップメーターのスイッチが上を向いていて押しにくいと思われるでしょうが、そもそもそれほど補正を必要としないのでこの位置で十分です。ロールマップの送りは、KTM純正のセルスイッチ。これを押してマップを送ります。逆転させるときはスイッチで切り替えることが出来ますが、逆転させて道を戻る場合は一度止まって手で戻すことにしていました。そうしたほうが、焦らず気持ちも落ち着くのです。

これはGPS2個付け!ヒューズもハンドルに集められていますね。マップの送りは昔ながらのトグルスイッチが付いています。でもこのスイッチ・・
スタート前に彼が話しかけてきて、マップのスイッチはどうやってるんだ?って言うから、自分のスイッチを見せて、これだよとセルのボタンスイッチを見せてあげた。そしたら、ぁそうかそれならいいなぁ。次はそうしよう。俺のスイッチ見てくれよ、昨日壊れちまったし、おまけにスイッチを壊すことになった自分のひざが痛くてねっていっていた。
って言うか、スイッチでかくねーか?ぽっきり折れてなんとか自分で直したって言うけど粘土で固めたみたいになってたなぁ。

これはよく見るスイッチだな。

なにやらたくさん付いている。

このGPSを使用している人は多かった。ガーミンだけど機種名忘れちゃった。
これはトリップメーターが二つ付いているけど、自分には必要なかったな。もちろん壊れたときのバックアップはあったほうがいいけど、それ言い出すと全て予備が欲しくなってくる。キリがないんだ。確かにGPSもトリップも壊れちゃったら先に進みにくくなってしまうけど、行けないことはない。その日のゴールに付けば、何とかなるんです。実際自分のGPSも電源が落ちまくる症状が出て、画面見るたびに真っ白。その度に起動。これも、修理して翌日からは問題なかった。とにかくそうなったら、誰かの後ろをぴったり付いていくしかないね。

ハンドルから伸びたステーで支えてる。

ipad装着のこの車。どう使うんだろう。マップ読み込ませるんだって言っていたけど本当かな。

このバイク。・・・もうちょっと何とかならなかったのだろうか。首を伸ばしたニワトリみたいだ。欧州の参加者は「自作ラリーマシン」をサービスチームに持ち込むのが一般的ですね。他にも???名自作アイデアたっぷりのバイクがあったのですが、なかなか写真が撮れなくてね。

トゥワレグラリーのルートマップはこれです。砂丘ステージでのコマ地図。GPSのポイントと向かう角度が書いてあります。それっぽい風景も漫画として描いてありますが、全く参考になりません。全部同じにしか見えないからです。それと気付いた方もいるかもしれませんが、このマップ下から読んで行くんです。今まで出場したラリーは上から読んでいくマップだったので、最初はどうなるかと思いましたが、走り出すと直ぐになれました。それよりも問題なのが、これを入れるホルダーのほうで、このマップたと逆転方向になるわけです。逆転でも巻き取るにはま巻き取るんだけど、早い段階でマップを送らなくなっちゃうんです。色々試したけど結局手で回したりしてました。

こうしたルートの日にGPSが終了したらちょっと嫌ですね・・。

 

トゥワレグラリーの動画など

自分が走っている写真と言う物はほとんどありません。オフィシャルページで1枚だけ見つけました。

下は動画から切り抜いた写真。

上の動画はここからどうぞ

 

上の画像クリックで動画に飛びます。
あとね、これ。DAY5のビデオ。この日は同じところを4周して、最後に100m以上はあるでっかい砂丘の上に登ると言うステージ。ビデオ観てもらうと分かると思うけど、かなり急でなかなか手強いヒルクライムなんです。斜面というか壁にはたくさんのバイクが刺さっています。そして、登れなかった人は自分の足でヒーヒー言いながら登っていくんです。

そこを1発クリアーした僕は頂上で一人絶叫していたんですわ。登りきって転んだけど、バイクはそのままにガッツポーズして、サッカーのゴール決めた選手のように近くの選手と握手したりしてたんです。で、カメラクルーが来て「どうよ今の心境と、このラリーは」と聞かれて、それまでのテンションがやや下がって、モゴモゴとつたない英語で答えたわけです。そしたらカメラマンが「よーーし、次は日本語で喋ってくれ」と言うわけでこんな喋り。次は走りよりもとっさの気の利いた一言がいえる男を目指そう。
そして、少し落ち着いてから撮った写真がコレ

ふふ、友人から貰ったお守り人形のバックに、砂壁に刺さったバイクたち(^^)こういうことして気持ちを落ち着かせるんですよ。

チェックポイントは、砂丘ステージの場合こうした急なのぼりのてっぺんにあることが多いです。ここはバイク専用コース。そこを眺めていたら、下りてきてたオフィシャルが写真を撮ってくれた。
ちなみにチェックを受ける上はこんな感じ。

尖った砂丘のてっぺんにバイクを止めます。緑色のバイクはギリギリ登れずリアタイヤが半分埋まってます・・・。
涼しそうな格好をしているオフィシャルに「やぁ元気か?水飲んでるか?」と言われて次のチェックを目指します。

最後にこれ
画像クリックで動画に飛びます。
DAY6の プロクラスのみが通るガレ場。ラインが2本しかないので大渋滞・・・。助けを請うと助けなければいけないのは万国共通のルール。時間が惜しいので気合一発でクリアーの瞬間が映ってました。知り合ったイギリスの友人が送ってくれました。ゼッケン85です。

私が撮ったその他の動画はここにあります

オフィシャルページの動画

 

ラリー中の食事

トゥワレグラリーの食事は毎日ホテルで食べます。お昼ごはんは、私の場合一度も食べませんでした。ゴールするまでスポーツ飲料しか口にしませんでした。場所によっては、カフェなどに寄って軽食をとっているエントラントの姿を見ました。
モロッコは基本的にと言うかこれしかないのですが、上の写真のタジン料理です。牛肉、鶏肉、ゆるゆるのパスタ、クスクスなど。

フレッシュな野菜もたくさんあります。生野菜は嬉しいですね。味はないです。塩とオリーブオイルかけて食べてました。 これが毎日です。変化がないのです。

なので

一回だけやっちゃいました。うちの近所の製麺所、おきなやのラーメン。 身に滲みて美味かった。砂丘見ながら食べたので余計に美味かった。

ドイツ人のカイザーもモロッコ料理はあまり食べていなかったな。毎日サラミも飽きてきたのでって、カップヌードルをマイ箸で食べてた。カップヌードルの蓋に注目(^^)パンです。
注いでいるのはミルク珈琲味の50度お酒・・。

しかし、一度だけ変化がありました。
どーーーん、と並んで肩にかついだのは羊の丸焼き!モロッコ最後の夜だけはいつものメニューにこれがプラスされていた。
まぁ、そこそこの味ということで。
朝はクロワッサンなど数種類のパンが並ぶ。パンケーキもあったな。ジャムと蜂蜜。大好きなコーヒーが残念な味だった記憶が強すぎる。初めて飲んだとき、メカニックのグンターと二人でいたんだけど飲んだ瞬間二人顔見合わせて「xx水か?(^^;)これ」
ありがたいことに毎日ゆで卵があった。ゆで卵に塩振って食べると、当たり前だけどいつもの味。ホッとする。毎日3個食べてました。

お昼は食べないといいましたが、用意されていないわけではないんです。
毎日こんな感じで箱にガサーーーっと缶詰、ソーセージ、パワーバーのようなもの、お菓子などなどが箱に入れて置いてあるんです。もちろん大量の水とパンも置いてあります。缶詰ってどうなのよと思ってましたが食べてみると美味いんです。
これはミックスベジタブルのコンソメ味。バゲットに挟んでサンドイッチみたいにしたり。写真はないけど、日本で言えば秋刀魚の蒲焼のように、魚のトマト煮とかあって見た目に楽しく、食べても美味しい。だから、モロッコ料理に飽きたら、缶詰。缶詰に飽きたらラーメンでいいでしょう(^^)

走り終わった後のコーラは外せません。一緒に何か少しおなかに入れて、次はビール。
どちらも格別です。

他のサポートチームなどは、(たぶん口に合わない)レストランの食事は最初から無視で、自分たちで食事を作って食べているところも多かった。チームでテーブルを囲んでソーセージとマッシュポテト。ちゃんと陶器の皿でね。朝も卵焼いたりしてるんだ・・・。美味そうだったな・・。
上の写真は、戻りのモロッコの港で船積み前のことです。出国手続きをしている時にイタリアチームはでっかい寸胴出して何か作っている。しかもいい匂い!近寄って「写真撮っていいか」とおっちゃんに聞くと「お前日本人から来たライダーだろ?」「おーーーい、この日本人にコレ食べてもらえよ」と近くのオバちゃんに言ったと思ったら

どーーーん!
これがラリー中、一番美味しい料理だったかな。イタリアチームは毎日いろんなパスタ料理をだしてたそうです。次はこのチームでもいいかなぁ。楽しみは多いほうがいいもん。

ゴールはスペインなので、食事もガラッと変わります。
レース中ではないので番外となりますが、ゴール後とにかくお腹が減っていたので海沿いのレストランに行くも、時間は17:00・・食事の時間は19:00からよ。と言われて、トボトボ。3軒目で「タパスならあるよ」と言うことで「じゃここに並んでいるもの全部!」
はぁぁぁぁぁ美味い。スペインだとどこでも食べられる味なんだけど、でも美味い。しかもこれだけ食べてビール2杯で1200円だった。 でも、このお店はこれだけしか今は食べられない。
なので、もう一軒を探し歩く。
あった。かわいくて気立てのよさそうな女の子が笑顔で接してくれる素敵なバー。「何か食べられる?」「問題ないわよ」「お勧めはある?」「このマッシュルームのカツは美味しいのよ」って言うから早速席に座りそれを注文。
既に写真で美味そうでしょ。一口食べて美味いって顔で横を見ると、カウンターにもたれて、こっちを見ている彼女がにっこりウインクしてくれた。付き合ってください!って言うところだった。

そして

忘れてはならない大事な食べ物

マイソウルフード

マストアイテムと言っていい

初の砂丘チャレンジのスタート前に、気合と共にかじった

ラリーの食事でした。