ウエルダータグとすべり止め

当社のロゴや一部ショップ様のロゴをウエルダー(溶着)でシートカバーに取り付けをしています。
これですね。
耐久性などの問題は無く、現在はこの色と白、黒と3種類用意しています。

現場からサイド面にも大きなタグが溶着できないかという意見が出たので、試しに作ってみました。
それが使えるものかどうかも分からないし、そもそも国内のメーカーにお願いすると1回の注文がかなりの大量だったり、小口の場合は相当額のコストがかかることになります。
なので、直接海外のメーカーにコンタクトして、何度も何度も絵や寸法を送って試作ができました。
溶着するには素材や厚みなど結構シビアなので、英語でやり取りするために意図が上手く伝わらず、なぜこの厚みと素材が必要なのかをメーカーに理解してもらうのに苦労しました。

やはり黒地に白文字だと、黒生地の上なら違和感が無いのですが、こうして青の上に置くとどうかなって感じです。
これはこれで良いかなと思うし、まぁ好みは分かれるでしょうね。
いろいろ試してカラーバリエーションを増やすかもしれません。

さて、ロゴもニュースなのですが、今回の本題は以下です。
上の写真にもありますが、座面のすべり止めについて。

今回このウエルダータグを製作依頼のやりとりをメーカーとしている最中に、某所から宿題を貰っていたシートの滑り止めについてひらめきました。
今まで滑り止めというと、こうしたリブ加工が殆どでした。


しかし、すべり止め効果を持ったタグを作れば、座面に好きな枚数を配置できるし滑り止め効果もその模様で調整ができる。
なにより、リブ加工は見飽きたので新しいすべり止めが欲しいと思っていました。
とにかく作ってみないとわからないのでやってみようとしている矢先に、某所からの宿題は「もういらない」となってしまった。
しかし、思いついたアイデアをそのままにするのは、失敗した時のコストよりももったいなく感じたので製作してみました。
どんな模様にするか三日くらい悩んだけど、結局悩んでも答えが出ないので何枚か描いた絵の中から1枚選んでメーカーに送り製作依頼。
出来たよーと写真が届いた。
ベースをクリア(乳白)すべり止め部分を黒にした。
そして、早速シートに取り付け。




サイドのロゴと座面のすべり止め。
なんかすごく良い感じじゃないかと、休日の誰もいない会社で一人シートを作りながら興奮しまくり。
早速モトパンに履き替えブーツを履いて林道へ。
ハードなヒルクライムやマディなどまだまだ試すことはあるし、出来立てなので何が起きるか想像がつかない。

しかし、

ものすごいグリップ力なんです。

450のフル加速でもがっちりモトパンを掴んで離しません。



リブのように硬い違和感もなく、ソフトなのに粘りつくようなグリップ感。
自画自賛が相当入っているのは申し訳ないけど、こんなすべり止めは今までなかったと思う。KTMやハスクなどは座面に色違いでこうした加工を施していたけど、こんなすべり止めは無かったと思う。
一般的な使用というより、モトクロスやハードエンデューロ、しかも耐久性は1-2レース持つかなというレベルかなと思っています。
要はそれだけグリップ力のみに振ったパターンにしたんです。
いずれにしてもいろんなパターンも試してみたいのでしばらくテストします。
このままボツになるかもしれないし、スーパークロスやハードエンデューロでスーパースターが使うかもしれない。

とはいえ、溶着の仕上がりがいまいちで性能よりもそっちが気になりしばらく頭悩ませることになりますね。

いいんです、新しいことを始めるのは失敗しても楽しいものですから。

友人のダカールラリー 

 

今回のダカールラリーは古い付き合いの友人がバイクで挑戦しました。


結果は無事完走。R2クラス44位、ベテランクラス6位でゴール
まぁ一言で完走と言ってしまえばそれまでなんだけど、これがどれほど凄いことかはいくら力説しても伝わらないかな。
とにかくかっこいいです。

そんな彼のライディングをノグチシートで支えることができたことは光栄です。
1994のオーストラリアのラリー用シートを作ったのが最初。
それから何度か作ったなぁ。今回で何個目かは忘れたけど、常に進化している今回のシートが一番いいはず。


シートのことは自分からは聞かなかったけど、最終日にこんなうれしい一言を貰った。
お願いしていたゴール後のシートの写真が送られてきた。
2週間彼を支えてきたシートはまだまだ行ける顔をしてる。
こうやって作ったシートを眺めていると、なんとなく、自分もいろいろ完走した気分になれたというわけです。
パリダカに出ようと一緒に視察に行って、このワインを一緒に買ってからもう30年。本人は「パリダカはこれで終わり」と言っているけれど、人生はまだ長いので、また面白いことを思いついて一緒に遊べたらいいなと思います。

お互い50を超えたけど、健康でまだラリーが好きでいられるというのは幸せなことだと思います。

戻ってきてからの話が楽しみです。

 

宝物が届きました。

クロネコさんが小さいけど重めの段ボール箱を届けてくれました。
早速開けると

あっ!!!!!!!!!!

箱の中からいきなりこれが見えたものだからびっくり。
僕の年代のオフロード好きなら説明は要らない代物。

バハライトと言えばこれ。これと言えばバハ1000です。
しかもバハ1000を11回優勝したジョニーのサイン入り。
XR600いや628か、デザートキングと呼ばれた名機。

これは2000年を記念して行われたバハ2000かな。この時もこのXR650に乗ったジョニーが優勝している。

そしてXRの時代は終わりCRF450X。
80年交換から2015(だったかな)のJCRがバハを撤退するまで使用されたこのどでかいハロゲン球のライト。

2012のバハ1000でジョニーチーム(JCR)のサポートカーに乗る幸運な機会を得て、出発前に入念にライトのセッティングをする花輪氏の話を聞き、実際ピットストップでこのライトに交換する作業を目の当たりにして興奮したのを鮮明に覚えています。

昼のライトから夜のライトに交換するピット。丸で囲んだ所にこのライトが置いてあります。交換作業も恐ろしく早かったです。

暗闇迫るラパスへの道をサーチライトのようにビカーーーーっと照らすこのライトは頼もしい存在でした。

届いたものは、これだけではないです。

2021にダカールで優勝したケヴィン・ベナビデス

KTMに移籍して2023に2回目のダカール優勝。
そんなケヴィンから
The best seat ever!だなんて、うれしいなぁ。


ホンダライダー ナチョ コルネホからも

ケヴィンの弟、ハスクバーナのワークスライダーである、ルチアーノ・ベナビデスからも。

さらに、
ジョニーの息子 プレストン・キャンベルの2023ISDE出場応援Tシャツまで。

会社の事務所内がコレクションで溢れていたので、もう少し整理してかっこよく展示しなきゃと思います。
届いた嬉しさもありますが、こうして世界中のトップライダーやその関係者の方々に気をかけていただけることが、ただただうれしいです。

 

 

ノグチシートのテールバッグ 販売します。

初めて乗ったXLR250のリアフェンダーにはバッグが付いていた。
XR600Rにもバッグが付いていた。
たまにファスナーは閉まっているのに縫製がほどけて中身が散らばってしまったこともある。
たくさん入らないけど、ちょっと入れたいもの、使うか使わないかと言う道具を入れておくバッグがあると便利なことは知っている。
最近のオフロードバイク(と言っても国産でオフロードバイクと言うものがほとんどなくなってしまった)は海外のエンデューロマシンが多くてバッグなどはついていない。
でも欲しい。
先ずは自分のCRF450Lにつけたい。
付けたらやっぱり便利だったので、商品化に向け何個か作ってみました。
GASGAS250 CRF230F CRF250L 汎用性の高い大きさも見えて来たし、容量もだいたい決まった。
量産とかあまり考えていないけど、お客さんに売れるレベルの物を作ってみました。

縫製する糸はバイクシートにも使っている樹脂コーティングの糸。
強度も高くエアバッグなどの縫製にも使われている糸です。

本体の素材はナイロンオックスの裏側にPVCコーティングされた生地で、これはノグチシートの工具巻きにも使用されている防水で丈夫な生地です。

縫い合わせた部分は縁巻きテープで補強。
二重縫いとなっているので、そう簡単には縫製がほつれることはありません。
ただし、この縁巻きテープはPP繊維なので、縫い目から侵入する水を通します。ファスナーからも水は侵入します。
なのでバッグ自体は防水とはなりません。

使用するファスナーはYKKの№10のコイルファスナーです。
ハードに使用するギアには必ずこれが使用されています。
世界最強のファスナーと言ってもいいのではないかと思っています。
多少の砂や泥が嚙んでもスムースに開閉します。

厚めの樹脂板を底に敷きます。
これがあれば、取付時に樹脂板ととフェンダーの共締めでしっかりと固定ができます。

バッグ内は1本の固定ベルトが縫製されています。
ベルトがあればバッグ内で荷物が暴れないので必須だと思っています。

汎用という事で取付ベルトも縫製されています。
このベルトを使って固定ができます。
要らなければ縫製をほどいて取り外すことも可能です。
ミシンで縫ってあるだけなんですけど、縫い返しがしてあるのでベルトを取り外すときは本体の生地を切らないように気を付けながら糸を切れば、ベルトは取れます。
先ほど書いた底板があるので、この板に穴を開けてボルト/ナットで固定すればすっきり収まります。

寸法はこんな感じです。

在庫が少しあるので販売しようかなと思います。

「ノグチシート・テールバッグ」  ¥8,500税別 送料別

ご注文・問い合わせは bike@a-seat.jp

あくまでも汎用なので取り付けなどは「工夫」できる方が購入ください。
縫製の不具合には対応しますが、取付指導などはできません。
また、仕様など予告なく変更しますのでご了承ください。

 

 

シートウレタンの削り

一般の方が足つきを良くするために手っ取り早くする方法として
「アンコ抜き」があります。
シートのアンコ(ウレタン)を削ってシートの高さを低くします。
シート高を低くすることで足つき性が良くなるかと言うと、それは単純なことではなくて色々と問題もあります。
それは過去の投稿をご一読いただくとありがたいです。

ノグチシートはアンコ抜きに限らず、衝撃吸収材T-NETの挿入に加えてオリジナルウレタンを積層して新たにシート形状を削り出すことが多いです。
アンコ盛りも同じことで、ただ盛るだけではなく、高くなっても足つき性を損なわず高くなった利点を最大限引き出せる形状を考えて削っています。
この写真を見ていただければわかると思いますが、シートの前部を絞り込んで足を増した荷下ろしやすくしつつ、座面の広さの確保と、シートベースの広さが結構ある車体なので、サイド部分に角度を変えてプレスライン的なものを入れています。

更に削りにこだわる理由を言うと、多少の凸凹は薄くて柔らかいウレタンで覆って隠せばいいと言う考えは嫌いです。
たった数ミリの粗隠しのウレタンが乗ったときの違和感につながるんです。
触ったときの気持ち悪さもあります。
仕上がりもぼんやりとした緊張感のない造形になります。
目指しているのはシャープなラインで構成されたシートなんです。
チップウレタンを多用する家具などではチップの凸凹をが表に出ないようにスラブウレタンを巻く方法が一般的ですが、バイクシートにこの方法はダメです。
と言うのがノグチシートの考えです。

ノグチシートではお客様の要望と、さらに見た目の美しさを追及しています。

ここからは余談です。
先週土曜日は天気も良く絶好のツーリング日和。
先日作ったノーマル形状で中身はダカールスペック、カバーはウルトラスエードのシートで福井まで。
特に目的地は無いけれど、そう言えばあれ食べてなかったなとか、久しぶりにあそこに行ってみるかと思い付きのツーリングでした。
ここに来るのは3回目くらいかな。
中学の時に出会った言葉。
こう生きていきたいものです。

お尻の痛みから解放されるシートと言うのは永遠のテーマですが、一歩ずつそれに近づいている気はしています。
なぜなら自分で確かめてそれが確実だという感覚を得ているからです。
50を過ぎてから数台バイクを増車したことで、またしても自分にバイクブームがやってきました。とにかく乗って出かけたくて仕方ないんです。
そして出かけたら思いつくまま寄り道がしたい。
思いついた時にお尻が痛かったり、疲れが出てしまっていると「まぁいいか、今度にしよう」さらに「早く帰りたい」になってしまいます。
そうならないシートが自分の一番の理想です。

梅雨に入る前に、もう少しあちこち回りたいな。