快適なバイクシートについて毎日考えてます。

お尻が痛い、とにかく痛い、乗り始めて直ぐに痛くなる、痛くて乗ってられない!
「でもバイクに乗りたい!」
という相談をノグチシートだけではなく、全国のシート屋さんは受けてられると思います。

その解決方法はシート屋さんそれぞれの考えがあり、これが一番というものは無いと私は思っています。
しかし、やはりやるからには、シート屋で一番を目指して痛みや疲労軽減を目指してやっています。

自分にとっての快適なシートを作る自信はあります。
ツーリングに出かけたり、ラリーに参戦したときにお尻が痛くてライディングに集中できないとか、レースどころではないお尻の痛み、なんてのはごめんだからです。
自分の好みがしっかり分かっているのと、体形と車格とシートのバランスをとることは自分のものであれば、ほぼ間違いなく快適なものを作ることができます。
お客様に提案するシートの基本はこれです。
「自分が良かったものを提案」することは一番大事なことだと思います。
だから時間さえあればバイクに乗ってシートについて考えています。

先日、お客様からこのようなメールをいただきました
”貴社から受領しましたシートで梅雨明け後2回(180kmと210km走行)程乗車しましたが、過去に貴社で張替えして頂きました2台のシートでは臀部の痛みはほとんど発生しなかったのですが、今回は以前よりシート表面が硬い感じがして張替え前の純正と比較してあまりコンフォート性に関しては大差がありませんでした。”

ご注文をいただいて加工をしましたが、良い結果が得られなかったことは残念なことではありますが、以前に加工させていただいた材料や加工方法と変わっており、また日々進化している加工方法や材料を取り入れて、私が現在一番良いと思うものをお客様にご提案しています。なので、昔の材料と加工方法はもう使うことがないので昔良かったのに今のはこのお客様に合わなかったという結果になることも予測はできます。
「私が今一番良いと思うもの」がノグチシートの方針ですが、良いと思う基準は自ら長距離を乗り、競技に参加し、更には様々なライダーの意見をまとめた結果なので、こうした意見をいただいてしまうことは仕方がないことではありますが、ご満足いただけなかったという意見については今後のシートつくりの参考にさせていただきます。

参考までに、こういった意見もいただいております。
・・・始めは、このシートの固さで衝撃は・・・?と思いましたが
いつも、ガツンとくる衝撃を食らう道路でもかなりソフトになりました。
シート高さもちょうど良くスエードも滑らず、ガシッとして大変良い感じでした
・・・・

今年優勝したHRCのダカールマシンのシートも、一般のお客様のシートも材料から作り方まで中身は同じです。ダカールラリーのシートは、プロライダーがミリ単位の形状オーダーを出して来て、カバーのグリップ力、ウレタンの硬度など、それはシビアな要求をされます。初めてシートをオーダーされる方に、それらすべてを決めてもらうのは難しいと思います。
なので、ノグチシートは快適なライディングの為に衝撃吸収材T-NETとオリジナルウレタンの組み合わせを提案しています。現在、これ以外には提案する素材がありません。
これを使用してシートの角度、幅、高さ、内股への干渉部分などの形状変更とカバー素材の選択を経て加工していきます。

快適なシートには、足つきが改善されただけでも良い場合もあるし、全てが衝撃吸収材T-NETの挿入だけではないですが、なぜそこまでノグチシートはオリジナル素材の衝撃吸収材T-NETを推すのか、これの効果について今回は説明したいと思います。
ここまで偉そうに語っておいて手描きのイラストですみません。
それと、これからの説明は私の独自解釈なので、医学的に間違ってるとか、それはノグチの感覚がおかしくないかと様々な意見があるかと思いますが、言われると凹みますので鼻で笑う程度にしてください。
さて、先ずこの絵。硬いシートに座った状態を表しています。先のブログでも書きましたが、正座して足が痛くなってしびれてくるあの状況に近いです。
体重とクッションの反発でお肉が潰れて荷重が座骨や尾骨に1点集中しています。
硬いクッションはシート上で動きが激しいレーサーなどでは有効ですが、長距離のシッティング姿勢が多いとなるとよほど硬めが好みの人ではない限りお尻にしびれや痛みが出てしまいます。
バイクに乗り始めた頃やシート改造を始めた頃、シートは硬いほうがいいという話を聞きました。この場合の硬いシートとは、跨った時に硬く感じて、長時間乗った時でも底付きしない程度の厚みと弾力を維持していると解釈しています。ここで書いた硬いシートとは、とにかく板のように硬いままのシートを指します。

これは乗った瞬間に柔らかいと感じるウレタンや低反発ウレタンに座った状態です。乗った瞬間はお尻を包む感じがして、その感触からなにか楽そうに感じて痛みなんて出ないのではないかと錯覚します。
本当にそのまま一日痛みもなく走り続けられればOKなのですが、私の場合はこれらのウレタンやゲルを使用した場合、特に今の季節ウレタンやゲルは熱を持ちやすいのと、沈み込みが乗り始めから比べるとかなり深くなり、深くなった部分の反発だけ強いものになって硬いウレタンと同じように骨の部分の肉が圧迫されたり、場合によっては底付きして圧迫が強くなり、お尻が痛くなります。更に沈むことで周りの肉も圧迫されて痺れてきます。それと、柔らかいシートは運転中もフワフワして落ち着きがなく快適な走行には向かないと思います。

衝撃吸収材T-NETとオリジナルウレタンの組み合わせの場合、座った瞬間は硬く感じます。しかし、ライディング中のシート温度の上昇によって表面のウレタンは柔らかくなって沈みますが、その下に衝撃吸収材T-NETがあるため沈んだ圧力を分散し、10mmの厚みのT-NETですがウレタンのように潰れ切ってしまうことがありません。
また、T-NETはウレタンで挟む工法を取っていますが、T-NETの底になる部分のウレタンは乗車して沈み込んできたT-NETに対して反発をしますが、その反発もT-NETが分散してくれます。
なので、絵に描いたようにお尻の肉が潰れない。わけではなく、多分潰れてはいるけれど潰れていない、そんな感覚に私はなります。低反発ウレタンのような包み込む感触はないけれど、お尻全面で支えてる感じです。
座った感触はウレタンが反発するばねのような感触はなく、硬い綿の座布団に座った感触。分厚いフェルトの上に座った感じ。沈まないけど体圧が分散されてる感じです。硬いけど全体が支えられているというのが重要だと思っています。
沈まないというのは結構重要で、特にアンコ盛りをした場合などは盛った分だけの効果は必ず欲しいのです。見た目の高さではなく乗った時の高さ。
これはダカールライダーからも同じ要望があり、10mm上げて欲しいと言われれば寸法上ウレタンを10mm上げるだけではなく、10mmの体感が必要なのです。
これを硬いだけのウレタンで作れば簡単なんですが、それでは硬くて乗ってられないシートになってしまう。結果として衝撃吸収材T-NETとの複合が今のところのベストとなるわけです。これがダカールスペックと呼んでいるウレタン構成です。

色々と述べましたが、まだまだシートには不満があります。不満が無いと進歩もありません。全ての皆様に快適なシートをと言いたいところですが、まだまだそこに至るにはどれだけかかるか分からないです。
ただの自己満足の押し付けではなく、きちんとしたデータと実績に基づいたシートのご提案が基本だと思っています。それが私が一番好きなシートとなるわけです。
「快適なシート」はシート屋にとって永遠のテーマなので、作って自分で乗っての繰り返しです。
来月にはいよいよハンターカブが納車されるので、既に製作してあるシートを試すのが楽しみです。
大型バイクとは違った何かが、自分で乗ることで色々見えてくるかと思います。とにかくいつでも新しい発見に飢えているのできりがありません。

シート改造をしたいなと考えているなら遠慮なく問い合わせください。
現状のシートの不満に対する改造プランを、お客様にご理解いただける言葉で提案させていただきます。

 

 

ヘアアンドハウンド初戦 リッキー優勝!  NHHA 2017 R.1 Ricky Brabec Won!!!

ナショナルヘアアンドハウンド第一戦
HRCのダカールライダーであり、JCR所属のリッキーが参加しました。
昨年のチャンピオンが今年もチャンピオンを獲ることができるか期待です。
ヘアアンドハウンドって聞いたことない人もいるかもしれないので、ものすごく端折って説明します。
13hh3__505アメリカのだだっ広い荒野にライダーが横一列に並んで、よーいどん!で一斉にスタートして山あり谷ありの50kmくらいのコースを一番速く回ってきた人の勝ち。と言うレース。

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ビデオ観ればわかるけど、トップライダーのスピードが尋常じゃないです。
遠目にはただ広い荒野を全開で走るだけのように見えますが、実際には小さな灌木があってちょっとしたミスで大転倒します。

さて、昨年の覇者のリッキーが臨んだ第一戦。
22216174608_1458020894261934_2493194084583362755_nウルトラスエード+衝撃吸収材T-NET仕様のシートを装着したCRF450X

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ずっとこんな感じだったそうです。その差数メートル!
333そして優勝!今年は新型のCRF450RXにどこかで変わるだろうけど、熟成されたJCRのCRF450Xのポテンシャルの高さと、それを操るリッキー、そしてJCRと言う素晴らしいチームがあってのこの結果だと思います。
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そんなチームとライダーに喜んでもらえるシートは幸せだなぁ。
16244173_1512622092100032_161328260_nそんなリッキーからお礼のメッセージが届いた。

” ジョニーが付けてくれたノグチシートすごくいい感じだったよ。
そうそう、ダカールマシンのシートもほんとよかった。またよろしく ”

短い文でも、こうしてトップライダーから直接連絡が来ると嬉しいね。
去年の夏に参加したHRCのテストで彼の好みのシートもわかったしね。

Congratulation!!   Ricky!

 

 

モロッコラリー The OiLibya Rally of Morocco 2013 

現在モロッコで開催されているThe OiLibya Rally of Morocco
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HRCは新型のCRF450RALLYのデビュー戦となり、その結果が注目されています。
3日目が終わり1-2位とHRC 3-4位に常勝チームのKTM そして5-6位には同じくHRCと1-6位までに新型CRF450RALLYに乗るチームHRCが入っています。
キャプ2チャいい感じです。残り3日。後半戦が楽しみです。
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ライア・サンツ  Laia Sanz on Noguchi seat

ライア・サンツって名前を聞いたことがある人は結構いるんじゃないかな。
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まぁ簡単に言えばオフロード界の女王ですね。スーパースターでしょう。
ダカールラリーも3回連続 女性クラスで優勝してます。

そんなライア・サンツが来週LAで行なわれるXゲームに出場(エンデューロクロス)することになり、しかもそのマシンに野口シートが装着されます。
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今年もネットで生中継見れないかな。

それにしても、世界のスーパースターが野口シートに乗ってくれるというのは嬉しいったらありません。

活躍に期待です。

辻健二郎 始動! AMA Supercross.

スーパークロス参戦のためにアメリカへ渡って調整を進めていた辻健二郎さんが、いよいよスーパークロスに参戦です。

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昨年末に怪我をして開幕戦には間に合いませんでしたが、先ずは土俵に立てたことが応援するほうとしても嬉しいです。

426464_573026492727475_672573978_n今回は予備予選不通過という結果に終わりました。本人もこのままで終わるつもりはないでしょう。今後どう攻めて行くのか楽しみです。

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正直な所、しょっぱなから怪我がなくてよかったというのが感想です。ほんの少しでも、野口シートが役に立てれば嬉しいな。

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挑戦する男の背中はかっこいいです。

GO! 辻健二郎!!!