クイックスチール ペースト チューブタイプ

以前から当社で販売しておりますクイックスチールに、2液のペーストタイプが仲間入りしました。

1:1で2液を混ぜれば、あっという間に金属のような硬さになります。硬化後は260℃(-68℃)まで耐え、薬品、油、酸にも耐えます。
対象物は、金属、コンクリート、木材、ガラス・・・・など、樹脂で曲がらないものであれば接着が可能です。

バイクや車の部品の補修に、ツールボックスには1つ入れておきたいケミカルの一つです。
充填材としても接着剤としても使える優れものです。

使い方は画面をクリックしてください。

容量:56g 色:グレー&ホワイト  価格:¥2,800/1set (税別、送料別)

お問い合わせはバナーをクリックしてください。

 

本革のシート H-D

本革での張替の依頼もよく受けます。やはりハーレー系が多いですね。どんなバイクにも革の張り込みは可能ですが、天然素材のため硬化やひび割れ、変色などが合成皮革に比べて早いので使う用途や目的に応じてこちらからアドバイスさせていただいております。

よく見るのがこうしたヌメ革でのシートですね。使うにしたがってあめ色に変色して行きます。

今回ご依頼いただいたシートはエナメルのようにピカピカでですが、時間が経つにつれて早い段階でのひび割れを狙った本革で制作しました。

イメージとしては、やがてひび割れ変色してこのような感じになるのが狙いです。
今回、革はお客様から支給いただきました。何でも早い段階でひび割れが生じる処理がしてあるそうです。

当社でも家具などの本革張りの張替えで出た、表面がひび割れたりすれた革を保管してあります。引き裂き強度が落ちているのでバックコーティングをして作ったシートがこれです。

これはひび割れと言うより、革の模様の凸凹面の凸面が削れた革ですね。裏革と組み合わせて作ってみました。古いけど新しいシートです。試作品ですが、これは販売できますので気になる方は0575-28-2057へどうぞ。

ヌメ革、サドル革、その他いろいろご相談ください。

 

 

改造できないシート インテグラルスキンフォーム

こうして写真で見ると、普通のバイクシートに見えます。しかし、張替えも形状変更などの改造ができないシートなんです。(やったとしても力技的な作業なのでお勧めできません)

裏を見てみましょう。

寄って見ます。

表皮が張り込んでありません。シートベースもありません。表も裏も同じ素材です。裏側をよく見ると所々にフレームや鉄のベースなどがインサートされています。
こうした作りをインテグラルスキンフォームとかインテグラルフォームなどと呼びます。


これらは、金型にウレタンを注入して、非常に耐久性のある表面層(スキン層)とクッション性を持つコア層を持つウレタンフォームのことを言います。
金型の形状を忠実に再現できるので、シートの座面部分には革の模様や特殊な滑り止め模様などもつけることができます。造形性が高いので表皮の張り込みが不可能な形状も実現でき、芯材との一体成形も可能なので、生産性が高く幅広い分野で使用されています。バイクシートで言うと古いですがTZR250やNSR250、モトグッチ、ドカティの一部車種。最近ではBMW450Xのシートがそれでした。裏側を見てタッカー針やブラインドリベットが無く、ツルンとしていたらこれの可能性が高いです。シートの改造や張替えで、自分のシートが改造可能かどうか判断つきかねる場合は裏側の写真を撮っていただければ、それを見てご返答差し上げます。

 

 

 

 

 

 

アルカンターラやエクセーヌがぬれたり汚れたりした時

良く受ける質問がアルカンターラやエクセーヌについての防水性です。
この素材に防水性はありません。防水スプレーをかけても、乗車していない時に降る雨には撥水効果を期待できますが、お尻で素材の表面を揉む状態では染み込んでしまいます。一般的に防水処理がしてある物は、水をその表面に垂らして指で水を押さえるように揉みこむと、だいたいが素材に染み込んでしまいます。なので、完全な物を目指すのであれば「止水」処理を施した物でないと無理ですね。

なので当社の場合、アルカンターラやエクセーヌに染み込む範囲は仕方がないとして、中身のウレタンに水が染み込まないように止水処理を施しております。(勿論、クッション材の空気の出入りは必要なので、パンクしないように裏面に穴をあけたりします)なので、雨が降ったり汚れがついて水で洗ったりした時でも、ぬれるということに関しては乗車することを除いて心配はありません。

当社のデモシートです。アルカンターラとエクセーヌ、ビニールレザー各種、パイピングやステッチなど一つのシートにまとめてあります。乾いた状態です。

じょぼじょぼじょぼ・・・・・・・・
汚れた場合は、このように水をかけて洗ってもらって構いません。 ただし、かたいブラシなどでゴシゴシとはやらないでください。

アルカンターラとエクセーヌはたっぷり水を含んだ状態なのは写真を見てもわかりますね。これでは直ぐには乗って走ることは出来ません。後部のビニールレザーは当たり前ですが水を通しません。

ウレタンに防水(止水)処理が施してあるので、含んだ水は生地の厚み分となります。これらの厚みは約1mm強です。なので、乾いたタオルなどで水分を拭き取ると、それだけでもかなり乾いた状態に近くなります。この時気をつけたいのが、アルカンターラやエクセーヌには毛の流れる目です。当社ではこの毛の流れを後ろから前に流していますので、この目に沿って水分を拭き取ってください。汚れを取る場合でも、水をかけて洗剤で洗った後に洗剤を流しきってから、同じように水分を取り除いてください。

天気がよければ30分ほどで乗車可能です。こうして見てもらえれば、それほど気を使わなくていい素材ということがお分かりだろうと思います。

当社の防水(止水)処理は、ウレタン全体に1mm程度の特殊な独立発泡体を糊付けしております。ビニールなどの処理は使っているうちに中でそれが寄ってしまったり、表皮がビニールのせいでよじれ、グニャグニャした感じになってしまいます。当社の貼り付けるものは摩擦係数も高いので表皮のよじれも出にくいです。(タックロールやボタン、引張りがあるシートなどはこの糊付け加工が出来ない場合があります)

 

 

 

メモリーフォーム

低反発ウレタンの元祖(じゃないかもしれません)であり、現在もさまざまな分野で使われているメモリーフォームの紹介です。始めてこのメモリーフォームを触ったのは15-6年前でした。アポロ計画と共に開発され、宇宙飛行士の座席に使用されたことで有名です。ちなみに製造国のアメリカではconforと呼ばれています。低反発ウレタンは数年前に国内でも流行して、椅子や座布団、マットレスなど現在でもそれらが使われた商品をよく目にします。当社も数年前まではタキテックフォームというハード系の低反発ウレタンでシート改造をしていました。感触もよく当時は皆様に喜んでいただきました。しかし、低反発ウレタンの難点である「温度依存性」がネックで、夏場は極端に柔らかく、冬場は極端に固くなるため、今ではタキテックフォームより性能の高いT-NETを使用しています。

T-NETを使っているのに何故いまさら低反発の紹介をするんだ?という方もおられると思います。

私も知らなかったのですが自動車レースのレギュレーションにおいて、このメモリーフォームCF-45ブルーじゃないとだめです。と、必要部品に記載されているのです。

お客様から「スーパーFJの車輌を購入したが、現在付いているヘッドレストが見た目に悪い。新品を作りたいが、レギュレーション上メモリーフォームのCF-45ブルーで無ければならないと書いてあるから、それで作って欲しい」と相談を受けました。

左が既存のヘッドレスト、右が当社で制作した、難燃性のビニールレザーでカバーリングしたヘッドレスト。

中はメモリーフォーム CF-45です。このヘッドレストだけではなく、他にもフォーミュラニッポンのコクピット内の一部などにもレギュレーション上これを使用しなければならない事になっているそうです。

どんな材料でもそうなんですが、難点があるから使えないということではなく、他の材料とあわせることでそれをを解消したり、さらには思いもよらない性能を発揮したりします。私も国内主要メーカーの低反発ウレタンを数多く触ってきましたが、メモリーフォームは国内の低反発ウレタンと比べて低反発ながら最後の粘りが強く、温度依存性はあるもののまだまだ用途はあると思います。当社で唯一低反発を使った商品であるオリジナル座布団の性能アップに、これを使用してみようと思います。

メモリーフォームの板材料から、それを芯材にしたカバーリング、造形まで当社では対応できますので興味がある方は是非お問い合わせください。