ロゴプリント素材

 

バイクシートにロゴのプリントをすることは多いのですが、ちょうど1年前に展示会で見つけた素材が求めていた性能にかなり近かったのでテストを重ねておりました。
自分のシートに施工したり
ダカールラリーの本番やテストにおいてもプリント素材の剥がれやこすれなど、今までの素材よりも数段上という事が分かり、今では全てこれに切り替えました。
ダカールラリー本番車。カバーの表面模様にしっかり食い込んでいます。
ウルトラスエードへのプリントもしっかりしています。





たぶんいいでしょ。ではなくて、これでもかと言うくらいのテストをしないとお客様のシートに使うことができません。
安心した素材と言っても、すべての素材が永遠にその性能を維持するわけではないので、より長く!を目指していきたいと思います。
世の中にはこれより良い素材やプリント方法があると思いますが、それを求めて日々情報収集できたらいいなと思っています。

 

 

何かの加工をしたシートの再改造

バイクシートの改造には張替から、アンコ抜き、アンコ盛り、お尻の痛みの改善など様々な加工プランがあります。

いろんな加工屋さんがいろんな方法で加工されて、それぞれお店の特徴があってよいとは思うのですが・・・
たとえば中古のバイクを買って、破れてる、汚れてる、乗り心地に満足できないという事で当社にご依頼をしてくださる時に
「ノーマルシートなんですけど」
という事で見積りをして、いざシートが届いたら中がこんな風になっていた。
たまにこんなことがあります。

よくあるのがゲル素材をウレタンに乗せた改造シートの再改造です。
これはゲル素材からオイルがしみ出たりしていることが多く、それがねばねばとして加工ができなくなっている場合があります。

本来ならば以前ブログで紹介したように、段差もなく座る場所で違和感を感じないようにと言うのが基本なのですが、予算の関係でこのまま張替となると、仕上がりに問題が生じてしまいます。

なので、シートの再改造をする場合は当社で受け付けできない場合もあり、もしくは相当の加工費が発生してしまします。

古くてもできるだけノーマル無加工のシートの改造が良いと考えます。

 

バイクシートの材料価格改定のお知らせ

ノグチシートではバイクシート改造に必要な材料も一般販売しております。
DIYでシート製作をされるお客様から、業者の方までたくさんの方からご注文をいただくようになりました。
ノグチシートのウレタンはバイク専用に製作しているオリジナルウレタンです。
へたりも少なく、硬めの設定となっています。
他で購入することは不可能です。
おかげさまでそのウレタン性能から、某メーカーの試作部門でも当社のウレタンで量産車の試作をしていただいております。

衝撃吸収材T-NETも当社でしか購入ができません。
オリジナルウレタンとの組み合わせで、ダカールスペックのシートは製作可能です。

材料販売に関してはなるべく価格を据え置きたいと考えておりましたが、ここ最近の材料価格の高騰には驚くばかりで、いよいよ当社の材料も価格の改定をしなければならなくなりました。

こちらが新価格になります。2022/12/12より適用となります。
また、代引き送料ですが、購入される材料が多くなった場合価格に変更が出ます。
接着剤は使い方にもよりますが、10mmウレタン+衝撃吸収材T-NET500x500+EVAシートを購入されてバイクシートを製作する場合、0.5リットルで足りる計算です。
ウレタン専用の一般販売されていない接着剤で扱いやすいです。

カバー地のビニールレザーも販売しております。こちらも併せてご利用ください。

材料の注文は注文フォームからも可能ですが、質問をメールでいただいてもかまいません。

値上げのお知らせは心苦しいですが、何卒ご理解宜しくお願い申し上げます。

 

 

ビニールレザーの新色追加

バイクのビニールレザーについては先のブログで書きましたが、出来るだけ非発泡のビニールレザーを使用しています。
また、非発泡のビニールレザーでも裏側にラミネートされた基布と呼ばれる生地によってはバイクに向かないものもあります。
バイク用として販売されているビニールレザーは家具用に比べたらごくわずかで、なかなか入手しにくい物なのです。
かといって、独自にバイク専用の生地を作る方法もあるけれど、求められる製作量は膨大で、そんなに作るわけにもいかないので、当社では大量に生産されたバイク用レザーのデッドストックや大量生産前の色確認の試作品などを、独自ルートで仕入れています。

なので、新色でも入荷が数メートルだったり、多くても1反/20mという少ない量の仕入れなので、売り切れ次第終了となります。
今回仕入れたものは
品番 BR-01
今まで茶系のバイク用ビニールが無かったのですが、今回これが入荷しました。
ソリッドカラーではないですが、写真よりはもっと濃いまだらなこげ茶です。

品番 BK-01 黒ですが網目模様のようなエンボスで、光の当たり具合でダークグレーにも見えます。艶はありません。

品番 BK-02 シボが深めで細かいです。艶はありません。

品番 GR-01 ライトグレー 艶はありません。

品番RE-01 B-43や64と同じシボです。

たくさんあると選べないというのもありますが、そうは言っても選択肢は多いほうが選ぶ楽しさもあるし、提案する幅も広がるのでこれからも新しい生地を探していきます。
WEBで随時生地見本は更新していきます

 

 

 

張替え済みの中古のシート R100GSパリダカ

もう一つR100GSパリダカのシートを作ってみたくて中古を探していました。
中古と言っても、R100GSのシートは程度の割に中々なお値段がします。
特に慌てて探しているわけではなかったので、お値打ちなものが出てこないか見ていたらアンコ抜きされているけど、改造ベースとしては良さそうなものがあったので購入。
見た目には綺麗。
しかし、触って分かる???な部分多数。
このまま使うつもりは毛頭ないので分解します。
他社の仕事ってなかなか見る機会はないので細かく観察してみます。
私が他社の仕事を覗くように、ノグチシートも中身をバラバラにされて観察されているかもしれない。そう思うと、こうして観察することで得るものがあるかもしれないし、絶対これはやっちゃいけないよなぁというのもよくわかる。
さて先ずはカバーを外します。
いきなりびっくりした。
カバーを止めるタッカー針が8mm。
側面なんか打ち方が悪いと内股に刺さるし、座るところはウレタンの厚みがあるからお尻に刺さることはまずないだろうけど、シートベースを突き抜けた針でウレタンがボロボロになる要因でもある。
ちなみにノグチシートは6mmの針で加工しています。たった2mmの差と思われるかもしれませんが、詳しい説明は省きますが、これがものすごく大きな差なのです。

カバーの生地は発泡レザーで、いわゆる家具用。発泡層があるから柔らかくてソファやダイニング椅子にはちょうどいい。しかし、その分引裂きには弱くバイクには不向き。ノグチシートでは非発泡レザーを使用しています。一部発泡レザーを使う場合もありますが、この場合の発泡レザーは十分に耐久性のあるものを使用しています。

防水のビニール。まぁ一般的な方法ではあるけど、これだとカバーが動いちゃうんです。カチッとしない。ノグチシートではEVAのシートを全体に糊付けして防水しています。
タンデムシートにはアンコ盛りのつもりか、それとも柔らかい感じを出すためなのかフワフワのウレタンが貼り付けてありました。
見た目には高さも上がるし、座った瞬間にふわっとしてお尻に優しい感じがします。が、そう思うだけで効果はたぶんないです。プラシーボ効果的に「あっフワフワなソファみたいだ」という先入観から楽に感じるかもしれません。でも、長続きしないと思います。
ノグチシートではちょっとしたアンコ盛りでもオリジナルウレタンで成形しています。
最後にシートベースとウレタンを分離します。
このシートはもともとカバーがブラインドリベットで留めてあります。
古いカバーを外すにはブラインドリベットの頭をドリルでもんで、反対側の膨らんだ足を残さず取り除かないといけません。
思った通りウレタンにめり込んだリベットの足がポロポロと出てきました。

ノグチシートの問い合わせフォームには他社で加工済みかどうかという質問がございます。加工内容によってはここで書いたことよりももっとすごいことになってる場合があり、再加工ができないものもあるためにそういった質問をさせていただいております。

見えないところの仕事というものがいかに大事かという事を再度考える良い機会になりました。

さて、このシートがどう生まれ変わるか、また報告します。

ちなみにインスタでは日々作られているオーダーシートが掲載されています。
一度ご覧ください。