新しい素材を試したくて、極薄のシートを製作して山に出かけた。天気もいいし山の舗装道路は対向車も観光客もいない。まだ山頂の北斜面には雪の塊が残っていた。ここが自宅から30kmの所にあるって言うのがすごいなと思う。
25mmしかない座面のクッションも思った以上に快適。気分が乗ってくると、いわゆるすけべ心も出てきて

何度もオフロード車で通ったことがある道に入ってみた。
たった数キロのことだし、下りだし、数年前まで車も通ってたし、がけ崩れもするだけした感じで、もし崩れていてもたいしたことないだろう・・上がりきった気分が、まったくマイナス要素を考えず降りて行く。


全く問題ないです。鼻歌うたいながらトコトコ進んで行きます。
が!

崩れてます。
ふさがれてます。
岩でかいです。
試しに動かそうとしてみたけど、びくともしない岩多数・・
ここまできて戻れないこと確定。確定と言うか、確定にしてしまった。行ける気がしただけで、全く行けません。ここに辿り着く少し前に、道の真ん中に鹿が倒れていて何かに喰われた跡もありました。多分それにビビッて先を急ぐモード突入になったんだと思います。
とにかく、進むしかありません。進むにしてもスポーツスターは小回りが利きません。リアタイヤ持ち上げて方向転換とかもできません。少しの段差でお腹を当てます。驚くほど走破性ないです。いや、アクセル開けて一気に進むことはできるんだけど、それをやると、ここでバイクが死んでしまう可能性もある。
なので、崩れた岩を綺麗にならす作戦開始。
道具は2本の手のみ。
動かない大きな岩を眺め・・・テコの原理かぁ・・・そんな原理もあったなぁ・・硬くて長い棒落ちてないかなぁ・そんなことを考えつつひたすら作業。
石組み職人のように、大きな岩や小さな岩を組み合わせ組み合わせ・・・・・・
汗をかいてのどが渇くが飲み水なんて持っていない。真夏でなかったのは幸いだった。
ここでまた岩だ崩れてきて、岩に体のどこか挟まって動けなくなったらあの映画のようになってしまう。
能天気にも、この先も崩れていたら・・と言う考えは今の所ない。と言うか、ここ越えたらもうラクショー!とか密かに思ってた。
1時間経過
わりと綺麗な道ができた。

越えた。
オフロードバイクならこんなところ2秒だね。何にも考えないで超えられるレベル。下見すらいらない。
しかし、車高を下げたスポーツスターだと大きな壁だった。
汗だく。まだ雪が残っていたというのに汗だく。あーーのどが渇いた。
道を作っていて1つ発見した事があった。
このグローブいい!岩作業にはもってこいのグローブです。もし、素手だったりとか、薄い革のグローブだったら、この岩を短時間で攻略できなかったかもと思いました。
さて、道もコンクリートになってるしあと2kmくらいのはず。2km行けば市道に合流するんだ。
しかし!

まただよ・・・。この写真はだいぶ岩をどけてからの写真です。動画を取って写真を撮り忘れたんですが、路肩ギリギリを通る場所があってそこの高さと言ったら。試しに岩を落としてみた。(ちなみに下に沢などもなく人が入れない場所なので誰かに当る心配はないです)
フワッと谷川に倒れたらこうなります。見つけてもらうことはないでしょうね。
あと100mだったよな。と思って、次のコーナーを回れば市道が見える。
はずだった!

ばさーーーっ!って音が聞こえた・・・気がした・・・・木が丸ごと崩れてます・・・
幸運なことに山側は抜けられそうな雰囲気。このくらいの枝なら、いつもバッグに入ってるレザーマンツールのノコギリ・・・・・が無い!!!無い、無い、ない・・忘れた・・・・
そんなものです。いつか使うだろうと10年使わなかった道具を捨てた直ぐに必要になるアレですよ。
そんな法則に感心してる場合じゃなくて、この先の右コーナーでフィニッシュなのは分かってるので、パワー手袋を装着した手で折れる枝からポキポキ折っていく。
しかし、折れるのは直径30mmまでですね。50mmある木は折れません。しかも生木なので粘るんです。
レザーマンを忘れてきて、あんぐり口を開けたままのサイドバッグにタイラップが7本あるのをさっき見つけていた。
そして
縛る!折れない木を持ち上げてタイラップで固定。このときは車高の低いスポーツスターでよかった。
いつもは数十分の山でしたが、今日は大きな山を越えました。


ダメージはこんな感じ。当てたけど、凹んではいない。まぁ上出来でしょう。
次はオフ車できます。と言うかいい年して調子に乗ると言うことを自重してスポーツスターでは無理しないようにします。
楽しい休日ツーリングでした。
あっ、お尻の実験はちゃんと長距離シッティングで次回試してみようと思います。
