KTM500EXCのシート To Libya Rally

遠くイギリスからシートのオーダーをいただいた。
2015ダカールに出場して手を折ってリタイヤしてしまったクリスさんの紹介でメールしたとのこと。KTM500EXCのシートを作って欲しいと言うことです。
2012_11_500_EXC_Modern_Dirt_Bike_158968Libya Rallyに出場するんだって。
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さて、ラリー用にと言う事でオーダー内容は
* 35mmシート高を上げる。
* チェックカード入れを付ける
* カバーはウルトラスエード(アルカンターラ)
と言う事でした。
Plan APlan Bwide私の英語力では文章で伝えきれないので、このように写真にラインを引いて確認をします。
プランBの後部までアンコ盛をする方法で決定しました。

そして、無事お客様のもとにシートが届き、シートはジャストフィットで問題ないよという感想と共に写真も送られてきました。
ktm500 (2)ktm500 (1)

Libya Rally楽しんできてください。

 

バイクシートの注文の仕方

 

バイクシートを注文したいんだけど、どう説明したらいいのか分からない。というお話をお客様から聞きます。
*とりあえずお尻が痛いから何とかしたい。
*足つき性を改善したい。
*シートカバーが破れているから張り替えたい・・・

このような要望を言っていただければ、それに合わせた提案をさせていただきます。

明確にこうしたい!という希望がある方は以下のような指示をいただきます。
これらの例が皆様の参考になれば幸いです。

1.当社の加工例インスタにある写真をメールに添付して
「これと同じ仕様が良い!」 というオーダー方法です。
車種が違っても「こんな感じの色やデザインがいい」と言っていただければ、提案もしやすいです。

DSC_0548

 

2.シートに直接指示を書いてもらう。
写真のようにシートに直接テープなどで切替ラインを描き、素材の指示、ロゴの位置などの指示があると間違いも起きにくくなります。カバーに直接ペンで描いてもよいです。形状変更がある場合は、ここを削る、ここを下げたい、などの指示も同時に行なえます。
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3.イラストで指示をいただくこともあります。
オーダー前にこんな感じにしたいんだけど可能かな?とか、イラストつきで質問があると見積もしやすく、不可能な部分はそのイラストに当社が書き加えてお客様へご返事させていただきます。
Photo_seat

 

4.刺繍の糸色のオーダーも可能です。
ステッチラインの指示や、刺繍の位置などかなり細かなオーダーにも対応します。
特に刺繍は自社で加工できるので、オリジナルの刺繍も広い範囲で対応しています。
キャプチャ

5.第一希望だけ伝えるというのもありです。
カタログ写真を使って、ペイントソフトで簡単にラインを引き「緑のラインでアンコ盛をして欲しい。デザインはお任せするから 後はよろしく」でも構いません。
pic-color01

6,当社で打ち合わせをする。
直接来ていただければ、素材の提案から完成イメージまでより具体的に打ち合わせができます。バイクで来てもらい乗車姿勢から考えたり、シートだけ持ち込んで打ち合わせも可能です。

ただし、当社での打ち合わせは事前に予約をお願いします。
担当者が不在の場合、ご迷惑をおかけしますので宜しくお願いいたします。

オーダー品というものは注文する方とされる方の意思の疎通が第一です。
希望した物と違うということがないように打ち合わせは慎重に行なっております。
問い合わせはメール ファックス 電話 どんな形でも構いません。
バイクシートについて相談があると言っていただければ、当社の専門スタッフが対応させていただきます。

電話での問い合わせですが、やはり最低でもお名前と車種をはじめに伝えていただき、そこから相談内容を話していただけると電話を受けるほうも気分が良いです。

先ずは問い合わせフォームからお気軽に問い合わせください。

携帯のメールアドレス(docomo.ezwebなど)からだと当社からの返信メールが届かない場合がありますので、PCメールもしくはGmailなどのフリーメールから問い合わせください。
いただいた問い合わせに関しては必ず返事は致します。返事が来ないと思ったら迷惑メールフォルダーなどを確認してください。

ダカール用シート  2015Dakar Rally Seat

今年の3月に出場したトゥアレグラリーでお世話になったメモツアーのモニカから依頼があった。
「メモツアーのチームから2015のダカールラリーに出場するライダーJasper Riezebosのシートを作ってくれないか・・・」
「野口が置いていったシートを彼が愛用していて、その出来の良さに惚れこんでのお願いです。しかし、いまのままだと少し高すぎるので若干低めでお願いします・・・」
彼とはトゥアレグラリーでチームメイトだったし、その時はリタイアしてしまったけれど、その後いろんなラリーに出ていたのはフェースブックで見ていた。
OK!
と返事をして製作に取り掛かり、シートが完成しました。
ダカールで使うマシンはこれとほぼ同じ仕様でしょう。
_ALX1517私がトゥアレグラリーで乗ったものです。
1922124_636465399758088_708654124_nIMG_6970リアタンクを含めたキットをこのメモツアーが開発して販売しています。
_ALX1500ダカールはこのトラックでサポートします。
ラリーを走ってみたいのは相変わらずだけど、こういうサポートカミオンに乗ってラリーをするのも経験したいな。
そして出来上がったシートがこれです。
IMG_8336IMG_8338オランダ国旗にメモツアーのマーク。モニカからのデザイン指定で刺繍を施しました。
自分で言いますけど  上手くなった!!!!
なかなかの仕上りになったとおもいます。
仕様は 20mm座面アップ
ウルトラスエード(アルカンターラ)で張り込み
衝撃吸収材T-NET
カードホルダー取り付け

さぁ、これで完走と言うか上位目指してがんばって欲しいな。
これでスポンサーとしてシートを作っているHRC以外で、2名が野口マークのシートでダカールを走ります。
こうして「ダカールで使いたいから」と遠く海外から依頼を受けるのはほんと嬉しいです。
それだけ、当社のシートが一般に認められつつあると言うことだと思っています。

さてと、では早速オランダに向け発送してこよう。

KTM950Adventureのシート 

イタリアのカメラマン Alessio Corradiniに渡したKTM950アドベンチャーのシート。
キャプチャ仕様としては、
座面を30mmアップ
衝撃吸収材T-NETを挿入
座面も着座位置を少し幅広
カバーはウルトラスエード(アルカンターラ)

届いてからしばらく経ったけど、その間にいろんなラリーにノグチシートを取り付けて出かけていたようです。
彼はカメラマンだけではく、時には競技者として走っています。
しかし、このでっかいバイクで、よくもまぁって所を走ってますね。
10295938_10203827809393781_488631039012735092_o10497243_1527342954145594_1958401478520255580_o10624611_1542603169286239_808477064186671138_nクラス優勝しちゃったりもしています。
10256509_1512192805660609_7297473407609350919_o10661638_10152706438132270_8316241743589556417_o当たり前だけどカメラマンのアレッシオが投稿する写真は素敵なものが多い。
久しぶりにメッセージを送ったら
Noguchi, your seat is great and a lot of people ask.
…a fly&ride in Italy is waiting you take a long weekend! I can give you my motorbike.
だって。
こりゃ遊びに行くしかないな。
でも、借りるなら950アドベンチャーより軽いのがいいな・・・。

 

シートの断熱 Thermal insulation

オフロードバイクだとシートから伝わるエンジンの熱というものを感じることがないのですが、ロードバイクや一部のオフロードバイクでは「低温やけど」しそうなくらい熱いという話は昔から聞いていました。
特に夏場そんな相談を受け、苦肉の策で断熱マットをシートベースに貼り付けたりもしました。
最近では市販車でもその対策がされているものが見られます。
簡単ですがその紹介です。

ktm-duke-390KTM DUKE390 この排気量になってシートの形状はそのままに、熱対策がシートベースに施されています。
IMG_8042左がDUKE125  右がDUKE390 裏から見ると390のほうにブラインドリベットで何かが留めてあります。
IMG_8045重さも違います。こちらはDUKE125です。715gです。

一方 DUKE390というと・・
IMG_8046約300g重い 1056g。 リベットで止めてあるのは3mm程度の鉄板です。これによって熱が内股やお尻へ伝わりにくくしてあります。

次はBMW F800
01赤いラインがシートベースのボトムです。矢印で示す断熱材がシート上面より約20mmほど下に挿入されています。
IMG_8047裏側から見ると指で触ることもできます。こちらはKTMのように鉄板ではなく、分厚い硬質の発泡ポリエチレンが入っています。
ポリエチレンといえばキャンプマットなどにも使われていますね。断熱効果も高く軽い素材です。が、いかんせんクッション性はまったくなし。
そしてF800に入っている断熱材は分厚く、普通にアンコ抜きをすると硬くて座ってられません。
なので、当社ではT-NET挿入などでクッション性を残しつつ、断熱性能も維持するレベルでポリエチレンも同時に削り込みます。

これらのように熱対策がされたシートの加工は余計に手間がかかります。
見えない部分なので、こうして簡単な写真ではありますが皆様にお知らせできたらと思っています。

自分のシートが、希望の加工が可能かどうか知りたいというお客様も遠慮なくご相談ください。

シートの中を知っている当社がお答えいたします。