ダカールラリーを走ったHRCのCRF450RALLY
砂漠、土漠、泥、雨、ウユニ塩湖では塩水の中。長距離、長時間、暑いわ寒いわ蒸すわのシチュエーションの中で使用されたシート。
一般的な使用では何年分の消耗をするのか分かりませんが、それだけに一般のライダーに提供するシートのクオリティーのアップには、こうした過酷なレース後のシートの検証は欠かせません。
届いたのはバレーダとピゾリトのシート。南米の大地の汚れがついたままです。
座面の先端や後部のライダー名はしっかりしてますね。
ピゾリトのシートは汚れたままですが、名前部分だけはゴール前に洗ったんでしょうね。
これを見る限り、ウルトラスエード(アルカンターラ)の汚れのつき方はそれほどでもない事が分かります。表面の毛羽立ちも殆どみられません。
中身については全部お見せできない事情もありますのでご理解ください。
チラ見せですが、当社が一般も含め全てのシートに行なっている防水コーティング。
これも一切の剥がれはなく、防水状態も問題なしで良い状態を保っていました。
シートを見るだけで、そのライダーの座る位置、荷重がかかる場所。それによるウレタンのヘタリ。シートベースへの負担・・・・
シートを作るときは想像でしかなかったものが、使われたシート見ることで、その想像が正解だったのか間違っていたのかが分かります。
もちろん全てあてずっぽうに作っているのではなく、ライダーの好みも踏まえてのことなんですけどね。
製作には実験的要素も混ぜ、その結果に一喜一憂しつつ、普通では得られない数多くのデータを得ることが出来ます。
HONDAがダカールに復帰してこれで3年目。シートのお手伝いも3年。
ここで得られたものは既にお客様へフィードバックしているものもあるし、継続してテストしているものもあります。やはり世界で一番のラリーで得るものは大きいです。
頂点を目指すライダーと、頂点を目指すシート屋がもっと良い物をという思いで作るシートの4年目についてはまだ白紙ではあるけれど、必要とあればまたお手伝いしたいと思います。