まだ発売されたばかりのKTM690DUKEのシートの相談がありました。ちょうど同じ日にいつもお世話になっているバイクショップトライで現車を見てまたがってきたところでした。(試乗はしていません)
座った感じは見た目同様座面のバケット形状によりお尻を包む感じ。座面の広さも角度も悪くない。尾骨に力を入れる感じで座ってみると若干底付き感が出るような感覚もあった。足つき性に関しては、シートベースよりウレタンが外に張り出しているので、足つきに不安がある人だとその張り出しがネックになりそうな感じもしました。指でウレタンの厚みを確かめると30mmあるかどうかでしたね。
今回の依頼は身長155cmの女性が乗るための足つき性向上です。先ずは表皮をはがします。すると・・・
なんかの顔に見えますね。笑ってます
そして、座面のボトムに何か入ってます。
旭化成のフュージョンですね。特に新素材といえるほど新しいものではないですが、こうして量産車に使用されているのは始めてみました。シートカバーではBMWやYAMAHAなどが使っていますね。この素材はウレタンに比べてへたりも少なく弾力もあり底付き防止には有効だと思います。指で潰せば潰れるけど手のひらで押さえつけると中々潰れません。ちなみにこれが入っている部分の総厚みは28mmウレタンの厚みは20mmです。このシートに採用されている硬度のウレタンだけの構成だと底付きは座った瞬間に分かるでしょうね。
では、これが入っているからOK!というわけではありません。もちろんこれで問題ない人も多くいるでしょう。これではダメだという人に対して提案できるものは用意していたいですね。
単純にフュージョンが入っていたところにT-NETを同じ形状ではめ込むなんて事はしません。そういう仕事はコスト優先の量産メーカーがすればいいのです。あくまでも乗り心地にこだわるのであれば些細な違和感も消していきたいですね。
二つの素材と私が向き合ってお話中です。まぁ一人喋りなんですけどね・・
でも、入れ替えただけの試乗もしてみたいな。フュージョンは試したことがあったけど新しい発見があるかもしれない。
いずれにしても、こうしてライダーの快適性を考えたシートを量産メーカーが作ってくれるというのは嬉しい事ですね。そして量産メーカーの手が届かないところに当社がいることで、さらにお客さんに喜んでもらいたいです。