S2000 シートウレタンの補修  Seat repair

S2000のシートはリクライニング機構がついたセミバケットシートです。少し前に取材を受け、補修したスカイラインGT-R32もそうでした。
この手のシートは、乗降時にシートの肩を必ず踏んでしまいます。
IMG_5749手で押さえたこの部分です。形状は保ってはいるものの押えてもスカスカな感じが良く分かります。中でウレタンが砕けて粉になっていると思われます。10年も使えばそうなるのは当然です。
IMG_5752外してシート単体で見ても写真左側が潰れているのがわかります。張りがありません。この状態だと、乗ったり降りたりするときにフレームの硬い部分が当たって不快なんです。
IMG_5753シートカバーはCリングと言うもので固定されています。1つずつニッパーで外していきます。
IMG_5754外形は保ってはいたものの、思ったとおりに割れています。そして割れ目から粉が出てきています。割れているだけではなく、内側が削れているからなんです。
IMG_5755割れた部分を接着すれば良さそうなんですが、実際その部分をこうして切り取ってみると中がぽっかりと空洞になっています。なので、へたったウレタンごと交換します。
IMG_5756へたっていない部分まで削り取り、既存のウレタンの補強と新しい弾力あるウレタンで積層して、成型します。
この部分に乗ったときも違和感がないように今回は純正より少し厚みを増やしました。
IMG_5757着座部にT-NETの5mmを敷いて若干の乗り心地の向上を・・・・あまり厚くすると目の位置が変わってしまうのでギリギリ感触が分かるレベルの厚みにしました。
IMG_5758そして張り込みです。カバーを留めているCリングは再利用が出来ないので、このような機械で新しく留めていきます。
IMG_5759パリッと仕上がりました。
IMG_5760弾力も施工前に比べて、グニッて確かな感触があります。
IMG_5761外しついでに本皮専用クリーナーとコンディショナーでシート全体を磨きます。
IMG_5762IMG_5763

ついでに背もたれにウレタンを追加して腰の辺りを自分好みにしてみました。

完成です。見た目には変わってないように見えますが、実際触ればその違いは明らかです。これでまた当分ウレタンの劣化を気にせず乗ることが出来ます。
カバーがなんともないのにウレタンがへたっているなどの修理も承ります。お気軽にご相談ください。