友人のダカールラリー 

 

今回のダカールラリーは古い付き合いの友人がバイクで挑戦しました。


結果は無事完走。R2クラス44位、ベテランクラス6位でゴール
まぁ一言で完走と言ってしまえばそれまでなんだけど、これがどれほど凄いことかはいくら力説しても伝わらないかな。
とにかくかっこいいです。

そんな彼のライディングをノグチシートで支えることができたことは光栄です。
1994のオーストラリアのラリー用シートを作ったのが最初。
それから何度か作ったなぁ。今回で何個目かは忘れたけど、常に進化している今回のシートが一番いいはず。


シートのことは自分からは聞かなかったけど、最終日にこんなうれしい一言を貰った。
お願いしていたゴール後のシートの写真が送られてきた。
2週間彼を支えてきたシートはまだまだ行ける顔をしてる。
こうやって作ったシートを眺めていると、なんとなく、自分もいろいろ完走した気分になれたというわけです。
パリダカに出ようと一緒に視察に行って、このワインを一緒に買ってからもう30年。本人は「パリダカはこれで終わり」と言っているけれど、人生はまだ長いので、また面白いことを思いついて一緒に遊べたらいいなと思います。

お互い50を超えたけど、健康でまだラリーが好きでいられるというのは幸せなことだと思います。

戻ってきてからの話が楽しみです。

 

宝物が届きました。

クロネコさんが小さいけど重めの段ボール箱を届けてくれました。
早速開けると

あっ!!!!!!!!!!

箱の中からいきなりこれが見えたものだからびっくり。
僕の年代のオフロード好きなら説明は要らない代物。

バハライトと言えばこれ。これと言えばバハ1000です。
しかもバハ1000を11回優勝したジョニーのサイン入り。
XR600いや628か、デザートキングと呼ばれた名機。

これは2000年を記念して行われたバハ2000かな。この時もこのXR650に乗ったジョニーが優勝している。

そしてXRの時代は終わりCRF450X。
80年交換から2015(だったかな)のJCRがバハを撤退するまで使用されたこのどでかいハロゲン球のライト。

2012のバハ1000でジョニーチーム(JCR)のサポートカーに乗る幸運な機会を得て、出発前に入念にライトのセッティングをする花輪氏の話を聞き、実際ピットストップでこのライトに交換する作業を目の当たりにして興奮したのを鮮明に覚えています。

昼のライトから夜のライトに交換するピット。丸で囲んだ所にこのライトが置いてあります。交換作業も恐ろしく早かったです。

暗闇迫るラパスへの道をサーチライトのようにビカーーーーっと照らすこのライトは頼もしい存在でした。

届いたものは、これだけではないです。

2021にダカールで優勝したケヴィン・ベナビデス

KTMに移籍して2023に2回目のダカール優勝。
そんなケヴィンから
The best seat ever!だなんて、うれしいなぁ。


ホンダライダー ナチョ コルネホからも

ケヴィンの弟、ハスクバーナのワークスライダーである、ルチアーノ・ベナビデスからも。

さらに、
ジョニーの息子 プレストン・キャンベルの2023ISDE出場応援Tシャツまで。

会社の事務所内がコレクションで溢れていたので、もう少し整理してかっこよく展示しなきゃと思います。
届いた嬉しさもありますが、こうして世界中のトップライダーやその関係者の方々に気をかけていただけることが、ただただうれしいです。

 

 

カメラマン アレッシオのシート

イタリアのカメラマン、アレッシオから久しぶりに連絡が来ました。
彼とは2014のチュニジアで知り合い、その時に彼はKTM950ADVに乗ってコースを先回りして参加者たちの写真を撮っていました。
レース後に「シートのサポートをするよ」と彼に言って、ダカールスペックで作って送ったシート。

あれから約10年。彼の投稿を見る限りこのバイクで何度もラリーの撮影をして、シートも酷使されてきたと思います。
一般ライダーの数倍は過酷な状況でのテストになるので、ノグチシートとしても使用結果が気になるところでした。

アレッシオから届いたメッセージ
もうすぐトアレグラリーの取材に行くんだ。
とうとう破れたシートカバーを張り替えたんだけど、中のウレタンフォームは何ともない!
信じられない!
何年経ったんだ??

と、酷使されたウルトラスエードのシートカバーと張り替えたシートの写真が送られてきました。
10年経っても大柄な彼の体を支えていられるシートという事で、素材の確かさに安心するばかりです。
アレッシオ、これからも素敵な写真を楽しみにしています。

 

 

フローティングターンがしたい!シートのアンコ抜き。

少し前のことですが「フローティングターンをマスターしたいけれど、そもそも軸足が地面に届かないからお話にならない」という相談を受けました。
ちなみにフローティングターンは下のyoutubeで観るようなやつで、オフロードバイクで山の中で遊んでいるときにこれが使えるとかっこよく見えるし、実際かっこよく上手い人の称号が貰えます。


マシンはKTM150XC-W 2017
依頼人の身長は 157cm
シートのみでどこまで足つき性を向上させることができるかなので、車体の写真を眺めるけど絶望的に厚みがない。どうしたものかと悩む。

単純な考えで「じゃぁシートのウレタンを取っ払うレベルまで下げたら良いのでは?」と思われがちですが、それをやるとどうなるか。
これはノーマルの状態で跨ったもの。
ギリギリ片方のつま先は地面に着くが、腰の位置は中心からずれてしまっている。
ウレタンをシートベース付近まで削ってしまうと、目線は低くなるけれどシートの幅がノーマルよりも広くなってしまい、股間が開いてしまいます。
左の図はシートベースまであんこ抜きをした図と想像してください。
右の図の赤いラインがウレタンを残したままサイドをシェイプした図となります。見てわかる通り、低くなったにもかかわらず強制的に足が外に出されて、足つき性というか足の出しやすさが阻害されています。
なので、単純に削るだけでは低くなっても足つきが良くならないことになってしまいます。

今回のテーマはフローティングターンをするための「踏ん張れる足」を作るためなので、それに特化したシートにしてみました。
シートの前部のアップです。
左がノグチシート  右がノーマル。
ノーマルがかまぼこ形状に対し、ノグチシートは高さは同じながら上面を絞った台形の形状となっています。
座面幅の違いはこの写真でわかるかと思います。
シートのセンターの高さはノーマルと同じままです。
着座部分の座面の幅も同じです。なので、コーナー立ち上がりなどの着座姿勢でのトラクションをかけやすい幅となっており、前部はエッジを立てたシェイプによってコーナーでのホールド感の向上にも役立ってます。
高さを変えないこのシェイプの結果はというと
まぁ撮り方によっては「やらせじゃないの?」と言われそうですが、左のノーマルに比べて右のノグチシートは腰が中心にいて、腰が入ったまま足が着くようになったと言うことになります。
これだと、腰を入れた力強いフローティングターンができる!かも!!!
と喜びの感想をいただきました。
平地では、まだ不安なので段差を利用して練習中の図。
そして、結局これが平地でマスターできたかどうかは謎のまま・・その後聞いていません。
先ずは挑戦するという、やる気になるシートができたことは確かです。

今回は薄いシートのオフロード車の話でしたが、これはどのバイクにも応用が利く足つき性向上の技法です。
ただ削って低くするだけではなく、乗り心地も残しながら安心できる足つきが得られるご提案をさせていただきます。