アフリカツインのシート CRF1000 AfricaTwin

アフリカツインは2月に発売されて、当初の年間販売目標1000台としていたものが、発売1週間で1000台の予約を越えたそうです。
久しぶりのヒットと言うとHONDAさんに失礼かと思いますが、これだけ話題になって、売れるというのはなんかうれしい物です。

前回のブログでシートを手に入れたと書きましたが、シートだけでは眺めるだけでいまいち改造の方向やお客様への提案がしにくい。
とりあえず乗ってみないと始まりません。
で、ほんの少しですが跨って乗る機会がありましたので、それをもとに改造を進めていきたいと思います。

跨ったのは標準シートでした。私の身長は185あるので正直足つきに不安がないし、標準よりもハイシートを付けたいと思ったくらいです。

しかし、当社の依頼の中でも、わりと多いローダウン加工を考えるとオプションのローシートで満足しないお客様に対して何か提案できないかという方向で考えていきたいと思います。

改造には様々な方法があります。衝撃吸収材T-NETを挿入したり、ウレタンをハードタイプやミディアムタイプに変えたり。シートの角度や幅も・・。その組み合わせはたくさんあります。時には矛盾してしまう要望に対して、良い提案ができるようにしていきたいと思います。
IMG_1351さて、標準とローシートをばらしていきます。

IMG_1352

カバーをはがしてレーザーでセンターラインを入れます。

IMG_1354

左がローシートです。
シートの幅と高さを調べてみました。
写真の数値を見てもらうとわかりますが、高さに関してはシートの中央部で標準より30mm低くなっています。
しかし、シートの幅は標準よりも全体的に約20mm広いです。
角のRはローシートも標準シートも同じです。
ウレタンの硬さは標準シートのほうがやわらかいので、シートの角の腿の内側に対する当たりは、ローシートのほうがきつく感じるかなと思います。
内股のしびれを訴えるお客様は多く、このシートの角のRについてはローシートも標準シートも一考の余地がありそうです。
また、30mm低くなっているのに幅が広いため、跨ったときに大げさに言うとガニ股になってしまい足が出しずらいのではと思います。

カタログ数値では30mmローダウンと、その数字に間違いはないのですが、体感する足つき性が30mm分の安心感につながるかは、人それぞれ変わってくと思います。

 

IMG_1360

この丸で囲った部分。裏を見るとこうなってます。
IMG_1361そう、この部分のウレタンの厚みは6mmほどしかありません。ちなみに同じ部分で標準シートは30mm。
シートの真ん中に座れば、この部分は座骨に干渉するところではないのですが、少しずれるとシートベースを感じるレベルです。この部分は対策を考えたいです。

 

IMG_1355

座面の形状ですが、写真は標準シートでスケールを当てると若干バケット形状になっているのが分かります。

IMG_1356

ローシートのほうは、ほぼフラットです。
この部分も好みはありますが、バケット形状が良いか、少し膨らんだラウンド形状が良いか好みが分かれるところです。

なんかローシートの悪いところを書き連ねた感じになってしまいましたが、これは私の目と触った感じの感想です。シート屋は職業柄、既製品はあくまでも素材としか見れないのです。そこはご理解ください。
ローシートは¥15,440という低価格で購入できるのは魅力だと思います。
これに満足できないお客様に対して、ノグチシートはどう提案するか。
ローシートを少し盛って足つきと快適を両立させるか、標準シートを削って同じことを狙うか。
アフリカツインはシートの高さを2段階で20mm高さを変えることができるので、これもシート改造の参考にしたいです。

今日はここまで。
また実車にまたがってみて考えたいと思います。
こんなことを書いている間にも、既にお客様からアフリカツインのシートのご依頼を受けています。
アフリカツインの人気に乗っかって、ノグチシートも今までの経験を生かしたシートを提供したいと思います。

続く