プリント素材 6か月のテスト

今年のミシンショーで見つけたプリント素材。
ほったらかしで約半年が過ぎました。
いわゆる暴露試験的なやつです。

毎日のように乗っている軽トラの背もたれに、いろんなプリントをしたクッションを設置。
これが設置後すぐの写真。
比較しようにも何処も問題がない。
色褪せ、汚れ、剥がれ等ありません。

こっちは会社の花壇に置いたもの。
たまに表面をガシガシといじめたりしましたが、暑い岐阜の日差しや雨等にも負けずしっかりついています。

最初の写真はというと
同じように比較にならないレベルの耐久性かなと思います。
赤色は飛びやすい色なのですが、毎日紫外線にさらされても色はほぼ保っています。

そしてテストはこれだけではありません。
私自身のシートでも使用しておりますし、
2023ダカールに向けたHRCのCRF450RALLYでも同じ素材でHONDAロゴのプリントをしております。


ワークスライダーの激しいライディングテストでも剥がれはなく良いコンディションという評価を得ております。

全ての材料が完全で完ぺきではありませんが、こういった実験を行うことで、安心してお客様のシートに使用できます。製作者が「大丈夫かな?」と思うものを一般に使用することはありません。

実験は続けていきます。

 

 

ビニールレザー新色追加のお知らせ

ビニールレザーに新色(正確には表面模様の新しいタイプ)が加わりましたのでお知らせです。

メーカー試作分であったりデッドストック品であったりするため、入荷した分で売り切りとなります。このようなものですが、バイク用のシートカバーに適した非発砲レザーであり、全方向に延びる基布を使っているため性能は一般的な家具用ビニールレザーの数倍の耐久性があります。
過去に詳しく書いたものがあるの参照ください


B-58とB-61の表面模様(以後、シボと呼びます)はほぼ同じで、30番程度のサンドペーパーのようなざらつきがあるのでグリップ力は高いです。
2つの違いは厚みです。形状がシンプルなオフロードにはB-58 立体的な形状にフィットさせるには若干薄めのB-61が良いかと思います。
このタイプは人気で以前B-46という品番で出していましたが使い切ってしまい、しばらくお問い合わせに対して断らなければいけない状態でした。
座面にB-46を使用したCT125のシートです。
私のR100RSの側面に使用したB-46(廃番)とB-58の比較写真です。
こうして見るとほぼ同じですね。

B-59のシボは一般的な皮シボです。色はホンダのピンクレッドです。

B-60はB-58 B-61と同じシボです。色は現行のヤマハのブルーです。
現行アフリカツインの青としても合う色かと思います。

B-62はB-41 B-42 B-43と同じシボで、色はシルバーです。
セローの側面などに合わせるのもよいかと思います。


こうして並べると新しいビニールレザーの色が比較できるかと思います。
WEBではすべてのビニールレザーが載せてありますのでそちらも張替えの参考にしていただければ幸いです。

先に書きましたが、WEBに載っていても廃番となっているものがありますのでご了承願います。

 

 

MOTO GUZZI1000 シート張替え

モトグッチ1000のシートの張替え依頼をいただきました。

お客様の要望は
1.添付の1000Sシート①の様にMOTO GUZZIプリント希望
2.純正シートの形状・デザインをとても気に入っているのでそれを可能な範囲で再現して欲しい。タンクからシートにかけてのラインやステッチ及びタックロールなど。
3.ノグチロゴは織ネームロゴ希望

ビニールレザーに関しては同じものがないので近いもので張替えとなりました。


出来栄えの評価はお客様が決めるものですが、わりといい感じにノーマルに近い張替えを再現できたと思います。
今回の張替えで一つ勉強になったのはモトグッチのロゴが年代で違うということ。

今回プリントしたものは1976-1994のロゴです。
最新のロゴは初期のロゴとほぼ同じですね。
こういう発見があるのも楽しいです。

こうした旧車のシートも承っております。

 

 

 

シートの防水 タックロール、ダイヤキルトの防水

 

先日、当社で加工されたシートをお使いのお客様から、製作後約60,000km使用したし、先日雨の中を走って水が入ってしまったようだから、一度メンテナンスもかねて見て貰いたいというご依頼を受けました。
結論から言えば、60,000km走行したシートの防水は全く問題なく、シートウレタンの形状にも変化はなく、すべて正常でした。
お客様が言われる水が入った状態は、タックロールのウレタンに入った水でした。

例えば、このシートのダイヤキルトや

このタックロールも以下のような構成になっています。
シートカバーにこのような装飾を施す場合には、ウレタンを挟んで凸凹を付けます。ウレタンの厚みによって凸凹の高さを調節しています。
シートウレタンにはEVAの薄いシートを全面接着していますので、雨の中を走ってもシートウレタンに水が入ることはありません。
しかし、縫製によってタックロールやダイヤキルトを施したシートカバーは、その縫製部分から水が浸入し装飾用のウレタンに保水します。
と言っても、いつまでも染み出てくる量ではないのですが、気になる方はこのタックロールを高周波ウエルダーで溶着することで解消できます。
このようにミシンで模様を付けずに熱でウレタンを圧着するので水の侵入はありません。

ウルトラスエードの場合は生地自体が保水するため、タックロールをウエルダーで行っても結果は同じです。
こうした装飾はミシンの糸目の美しさや、ウエルダーであればフラットバーの模様などで見た目が大きく変わってきます。

最初に戻ります。
届いたシートのカバーを外してみました。
防水のEVAは60,000km走行後も一か所のはがれも浮きもなく、しっかり密着しています。部分的なへたりも見受けられません。
カバーも縫製のほつれは当然なく、タックロール以外の部分には水の侵入がほとんどないこともわかります。ただし、中央の黒いタックロール部分はミシン目から浸みこんだ水分で少し濡れています。
これは、はがさなくてもそのまま放っておけばやがて乾燥するレベルです。
乾燥後に再度張り込み。

先ほど書いたように60,000km走ってこのレベルなので、水の侵入を考えるより自由にお気に入りのデザインを希望していただいたほうが良いかと思います。

いろんなデザインのシートがここでご覧いただけます。
ノグチシートのインスタ