XL250R PARIS-DAKAR パリダカのシート改造

発売から、もう40年も経ったXL250R-PARIS-DAKAR

XLパリダカは高校生当時憧れのバイクでした。

NXRが出る前のXL500Rのパリダカ仕様。

今見てもかっこいいなぁ。

そして、今回はこのバイクのシートを修正および加工することになりました。

機関は問題なく、タンクには傷ひとつない状態。外装も年式のわりに艶もあり程度がいい。
しかし、シートは難ありでビニールレザーは経年劣化で完全に硬化および縮みが発生しておりタンクとの当たり面はひどい状態。
ウレタンもふわふわで厚みはあるけどクッション性に問題がありました。
なので、ウレタンはXLパリダカと言うことでダカールスペックにして、カバーはウルトラスエードとビンテージなシボのビニールレザーのコンビにしました。
ロゴは当時のままのロゴを再現しました。


自画自賛ですが、良い感じに仕上がったと思います。
パリダカレプリカはこのツートンが似合うと思います。
これで、地平線の彼方まで走っていけるはずです。

 

 

シートの防水 タックロール、ダイヤキルトの防水

 

先日、当社で加工されたシートをお使いのお客様から、製作後約60,000km使用したし、先日雨の中を走って水が入ってしまったようだから、一度メンテナンスもかねて見て貰いたいというご依頼を受けました。
結論から言えば、60,000km走行したシートの防水は全く問題なく、シートウレタンの形状にも変化はなく、すべて正常でした。
お客様が言われる水が入った状態は、タックロールのウレタンに入った水でした。

例えば、このシートのダイヤキルトや

このタックロールも以下のような構成になっています。
シートカバーにこのような装飾を施す場合には、ウレタンを挟んで凸凹を付けます。ウレタンの厚みによって凸凹の高さを調節しています。
シートウレタンにはEVAの薄いシートを全面接着していますので、雨の中を走ってもシートウレタンに水が入ることはありません。
しかし、縫製によってタックロールやダイヤキルトを施したシートカバーは、その縫製部分から水が浸入し装飾用のウレタンに保水します。
と言っても、いつまでも染み出てくる量ではないのですが、気になる方はこのタックロールを高周波ウエルダーで溶着することで解消できます。
このようにミシンで模様を付けずに熱でウレタンを圧着するので水の侵入はありません。

ウルトラスエードの場合は生地自体が保水するため、タックロールをウエルダーで行っても結果は同じです。
こうした装飾はミシンの糸目の美しさや、ウエルダーであればフラットバーの模様などで見た目が大きく変わってきます。

最初に戻ります。
届いたシートのカバーを外してみました。
防水のEVAは60,000km走行後も一か所のはがれも浮きもなく、しっかり密着しています。部分的なへたりも見受けられません。
カバーも縫製のほつれは当然なく、タックロール以外の部分には水の侵入がほとんどないこともわかります。ただし、中央の黒いタックロール部分はミシン目から浸みこんだ水分で少し濡れています。
これは、はがさなくてもそのまま放っておけばやがて乾燥するレベルです。
乾燥後に再度張り込み。

先ほど書いたように60,000km走ってこのレベルなので、水の侵入を考えるより自由にお気に入りのデザインを希望していただいたほうが良いかと思います。

いろんなデザインのシートがここでご覧いただけます。
ノグチシートのインスタ

 

 

アフリカツイン CRF1100Lのシート

 

アフリカツインのシートは発売当初から多くの改造依頼を受けており、ローダウン、ハイシート共に様々な内容でオーダーメイドシートをお客様にお届けしております。
完成写真です。
フロントシートは60mmアンコ盛。
衝撃吸収材T-NET挿入。
前後シートをウルトラスエードで張替え。
いわゆるダカールスペックシートです。

お客様より

ダカールスペックシートを装着してから開田高原、御前崎、足摺岬〜室戸岬1泊2日ツーリングに行ってました。三重〜足摺岬〜室戸岬は1400キロほどありましたがダカールスペックのお陰で快適な旅となりました。
6センチシートを高くしてもらったので初めは取り回しが怖かったですが直ぐに慣れるました。シート交換後は膝に余裕ができ楽になりました。お尻も一定以上は痛くなりません。ポジション変更でハンドルが遠くなり少し肘が痛くなりましたがハンドル高アップで対応して快適なポジションになりました。

ハイシート化と衝撃吸収材T-NETによって、長距離ツーリングが楽しいものとなったようで安心しました。
良い結果が出るシートばかりとは限りませんが、ノグチシートの基本的な考えは「ノグチシートが試して良かったものを提案する」これに尽きます。
シートの高さや幅、カバーのデザインや素材はお客様が自由に選んでいただけますが、クッション素材については選ぶことができません。
こう聞くと押し売りのように聞こえてしまいますが、数多くの素材を、様々なシチュエーションで試してきた結果、現在のクッション素材が出来上がったわけなので、硬くしたいとか、柔らかくしたいという要望にはお答えできません。
ノグチシートが考える疲れないクッションは、今のところ衝撃吸収材T-NETとオリジナルウレタンの組み合わせとなります。
インスタでは当社で加工したシートを紹介しています。
アフリカツインの実績に一部ですが、抜粋して写真を並べてみます。





張替の参考になれば幸いです。

カワサキ Z900RSのシート

 

オフロードバイクシートのイメージが強い当社ですが、ツアラー、ロードバイク、いろんなジャンルのシートのご依頼を受けています。

今回はその中でも問い合わせがわりと多いZ900RSのシートの紹介です。
衝撃吸収材T-NETの挿入やローダウン、ハイシートなどシート形状の改造依頼がありますが、Z900RSのシートの場合ライダー部のウレタンの厚みが多くないためあんこ抜きができません。
できないというと語弊がありますが、物理的には可能ですがあまり良い効果が望めないため幅のシェイプと少しの座面の加工にとどめています。
この辺りが気になる方はぜひお問い合わせください。

完成写真を並べていきます。
カバー地の品番と色についてはこちらをご覧ください。
座面:B33 その他:B50

ウルトラスエード:CB3 タックロール:10mm

ビニールレザー:B56 ステッチ:グレー タックロール:5mm

座面:スエード調黒 その他B08

座面:ウルトラスエード黒パンチング その他:ウルトラスエード黒BK3
ステッチの色は同色が一番落ち着いて見えると思いますが、このように濃い目のグレーでステッチをかけると良いアクセントになるかなと思います。
白や黄色も可能ですが、ステッチラインがとても目立つので、あとはお客様の好みによるところが大きいです。

Z900RSではないのですが、同じカバーデザインでゼファーのシート依頼も多いのでこちらも紹介しておきます。
座面:ウルトラスエードAP3パンチング その他:AP3ダークグレー
タックロール:10mm
ステッチは同色系の少し明るめ。

座面:ウルトラスエードAP3パンチング その他:AP3ダークグレー
タックロール:10mm
ステッチは赤糸 グレーに赤糸も良い感じです。


黒のウルトラスエードに白のステッチです。
かなりステッチが強調されますが、これはこれで個性的だと思います。

カバーのデザインはZ900RSもゼファーも、お客様のほとんどがこれを選ばれます。
もちろんオリジナルの切り替えも可能です。
シート張替えの参考になれば幸いです。

 

 

2022ダカールラリー用、ワークスマシンのシート。

 

HRC HONDAチームのシートのお手伝いを始めて今回で10年目となります。

早い段階で優勝が見えた時もありましたが、ダカールラリーはなかなか厳しくて念願の優勝は8年目。
そして、9年目の今年も優勝して連覇と言うかたちで勢いに乗っている。
10年間ワークスマシンのシートを作ってきて、いろんなことを学べました。
シート製作の基本的な技術だけではなく、素材の選定、素材の組み合わせ、シートに付帯する様々なこと。
レースの現場からダイレクトに届く問題や要望は、一般的なライディングでは出てこない内容で、それらに応えるためには一般的なスペックの材料より、ワンランク上の素材が必要になってきます。
何が言いたいのかと言うとただの自慢なのですが、正社員3人の小さな会社が世界的大企業の看板を背負って走るワークスマシンのシートを10年も手伝っているのは、少数でありながらも世界に通用する技術と知識を備えている証かなと思っています。
単なるバイクの1部品であるシートですが、それを作る当社には大きな責任があるといつも思っています。
これは、ワークスマシンのシートではなく全てのシートに言えることで、この姿勢は今後も変わることはありません。
2022のダカールラリーはどうなるでしょうか。
楽しみです。