36年ぶりにパリダカライダー中村さんと

7年前のブログにこんな写真を乗せていました。

そのブログにも書いたけど、高校生の時に観に行った鈴鹿8時間耐久レースの会場で、中村さんがこの写真集を売っていた。

パリダカに出ている憧れの人だったので、当時の僕にとっては¥2300という写真集は高価だったけど買ってサインをしてもらった。

その中村さんから連絡をいただき、ご自身のシートを作ってほしいという話になりました。
36年ぶりというか、その時はほとんど会話すらしなかったし、中村さんも覚えていないんだけど、こっちは鮮明に覚えている。
そして、会社に来ていただき、36年ぶりに横に今のサインもしてもらい、なんかとてもうれしい。
話を聞くとパリダカの会場で会うことはなかったけれど、何年か前のパリダカやオーストラリアの会場ですれ違っていたことも分かり、とにかくシートの打ち合わせはそっちのけでパリダカや旅の話が止まりません。
少しの時間でしたが、それはもう興味深い話だらけでした。
今日はあまり時間がなかったので、それほどたくさん話ができなかったけれど現在中村さんは近くのお寺(今のお名前は橘洋道さんです)に居られるので、またゆっくり話がしたいなと思います。

現在67歳とは思えない体格と行動力で、書いてある通り「常にチャレンジ!!」を地でいってます。
見習うことが多いなと思った次第。
またお話をするのが楽しみです。

 

BMW R100RSとR100GS-ParisDakar シートなど

自分のバイクはシートの実験として使ってるのですが、乗り心地に関しては今のところ不満がないのと、サポートするワークスライダーからもクッション素材に関するオーダーもないので、衝撃吸収材T-NET+オリジナルウレタンのいわゆる「ダカールスペック」で良いと考えています。

もちろん、新素材には常にアンテナを敏感に張って、素材などの展示会などには足を運ぶようにしています。

自分のシートは多少問題があっても文句を言われるわけでもないし、それほど完璧主義者でもないので見て見ぬふりをする場合もあるのですが、そうは言っても素人目に見て問題があるようなところをほったらかしにするわけにはいきません。
今回は自分で作ったシート2個の気に入らないところを手直ししました。
先にも言ったようにウレタンは問題ないのですが、カバーのデザインが苦手です。一般的な冒険をしない定番のデザインというものはできるんです。
誰が見ても違和感を感じないもの。
でも、自分のシートを作る時は、普段お客様に提案しないことをして、正解なら今後お勧めするし、やっぱりだめならお客様の希望するカバーデザインに対して別の提案をすることができます。
今回は後者ですね。
やってみたけど、やっぱり気に入らないからという事で早速作業開始。
R100RS
座面にキルティングを入れて、その流れでサイドにも縫い目のアクセントを入れたらより一層重厚感が出ないかなと思ったけど、やはり邪魔なだけでした。

こっちのほうがいい。
座面にノーマル風な模様を入れてあるので、サイドはすっきりしたほうが座面の模様が生きてきます。
このシートの場合は座面をウルトラスエード、サイドをビニールレザーですが、こういう例もあります。
全体をウルトラスエードのみでカバーしたR100RSのシートです。
こっちも先のシートで違和感を覚えたサイドのつなぎが入っていますが、こっちは違和感をさほど感じません。同一素材なので多少切替がごちゃごちゃしていても、それが重厚感につながっているかなと思っています。

R100GSパリダカ
ここです。
一応狙ったものはあるのですが、詳しく書いても縫製を知らないとなんのこっちゃという内容になるので割愛。
とにかく、ここの角ばった部分がどうにもかっこ悪く見えてしまいやり直し。

やっぱりこっちがいい。
ステッチの幅が上と下と違うじゃないかという人もいると思いますが、これも試作みたいなものです。
このタンクの当たり面とか、良いねぇと自分で言いながら眺めています。
試したのもが気に入らなくて、それを手直しをしながらまた試す。良い物を作りたいので、結局自分のシートは常に試してばかりです。

今回座面に使用しているウルトラスエードは両方とも再利用しました。
高価な材料なので、お客様はその耐久性が心配になるところです。
なので、R100RSの座面は既に8,000kmほど使用していますが、まだ問題もないので、もうしばらく使ってお客様の耐久性の心配を実物を見て安心にかえてもらえればと思っています。
R100GSパリダカも同じく再利用です。お盆のツーリングでは雨に降られ、林道では泥に汚れたりしていますが、シートをガシガシ洗っても表面に毛羽立ち等は見られません。こちらも同じくしばらくこのまま使います。

ここからは余談です。
新しいプリント素材の耐久性も、かなり安心感をもって使用できるようになってきたので一度やってみたかった影文字をプリントしてみました。
遠くからは認識しにくいのは仕方がないとして、やってみたら案外いい感じだなと思ってます。

もう一つはシートとは関係ないけど、R100GSパリダカにタンクバッグを両サイドに付けたらどうかなと思い試作。
刺繍も入れてみた。
シートと同じで先ずはやってみようです。
絵を描いてそれで完成が想像できて、その通りに出来上がればいいのですが、大体その通りにならないので、凡人はやってみる。これしかありません。
片方付けて様子を見ようかなと思ったけど、バランスが悪いので反対側も製作。
こっちも刺繍・・むー-・・まぁいい。
タンクのトップにある小物入れはとても便利で、ここには常に使うものを入れて、両サイドのバッグにはそれ以外のものを入れます。
パニアケースまでつける必要がない近距離のツーリングはこれだけの収納があれば事足りる気がします。

シートもリニューアルしたし、小物入れもついたしでこれからのツーリングシーズンが楽しみです。

 

 

下田丈選手 Jo Shimoda in Japan

アメリカで現在大活躍中の下田丈選手が7年ぶりに日本で走るという事で、全日本モトクロス 名阪スポーツランドは多くの観客が訪れました・

下田丈選手は日本人として初のスーパークロス優勝、そしてAMAモトクロスでも優勝という快進撃を続けています。

全日本のレースに出てどうだったかというと、その圧倒的な速さに・・・です。
その走りはyoutubeなどでたくさん観られます。
私は観戦に行けなかったのですが、ネットで見ていたら・・

おぉー---
ノグチシートが!!!
もう直ぐ世界の頂点に立つであろう選手がノグチシートに座っている。
うれしい!
カワサキワークスの依頼で毎年シートを製作しているのですが、今回の下田選手のマシンもカワサキワークスが用意したのでしょう。なので、流れとしてノグチシートがつくわけですが、リブの高さやリブの量、カバーのグリップ力など、超一流のプロとなると、座って自分のライディングに合わないとなれば使用することはありません。
アメリカのプロライダーも同じことを言っていました。
「お金を貰っても勝てない部品は使わない」だそうです。
当社としては、ノグチシートが嫌われなくて良かったなという感じです。

今後の下田選手の活躍に期待します。
なおこのこの写真はoff1.jpの稲垣氏より提供いただきました。
稲垣氏は下田選手がスーパークロスで優勝する前から何度もアメリカにわたり単独取材を続けています。
下田選手の一番濃い情報はoff1.jpだと思いますので、皆様ブックマークお願いします。

椅子を観て来た。

椅子が好きです。
好きなものが仕事になっているのが良いのかどうかわかりませんが、自分や自社のレベルでは到底できないものを見て刺激を受けるのが好きです。
そんな椅子を見てきました。
見て、それが刺激となって椅子作りが一歩進めればいいなと思います。
先ずは東京都美術館でフィンユール展
フィンユールだけではなく北欧の椅子が多く展示されていました、
デンマークの照明メーカー、ルイスポールセンのPH4も良いですね。
話はそれますが、ルイスポールセンの照明の中ではやはりアーティチョークが一番好きで、不謹慎かもしれませんが市営の葬儀場のロビーに3つあります。
そこに行くといつも天井を見上げててあの柔らかい光を眺めています。
照明の展示会があれば足を運んでみたいなと思っています。
この椅子たちは一部座っていいものがあり、ふだん先ず見ることも無いイスに座ることができてうれしかったです。
このチーフテンはじめ、フィンユールの代表作は全て座ることができました。
ウエグナーのザ・チェアーも座ることができて、これも感動。
ザ・チェアーという名前からして、椅子の中の椅子、キングオブ椅子かなと勝手に思っています。
何度見ても飽きないので会場内を何周でもできますが、もう一か所見たいところがあり次に移動。


武蔵野美術大学。さすがというか、大学が所蔵する椅子の一部を無料で見学出来るイベントが開催されていると知りやってきました。
こっちもすごい。見て触って座っていいよという。

もう気持ちが先走って、逆に集中できません。
名作椅子と言われる椅子がこれほどあるというのがすごいです。
さらに
少し照明を落とした特別感のあるこの部屋
倉俣史郎ミスブランチ・・見るのは3回目だけど、何度見ても素敵です。
さらに
倉俣作品がこれだけ。
同じ部屋には梅田正徳のGETSUEN

さすがにこれらの椅子には座れなかったけど倉俣史郎の椅子は他にも展示があり
これらには座ることができました。座り心地が良くないのは見てわかるとおりだけど、それはそれでいいんです。
この椅子
先日FACEBOOKにも書いたけど、TVCMで彼女の後ろに写っているソファが当社で張ったもので、ここに写っている椅子たちは名作椅子ばかりで
彼女が持っているのはスーパーレジェーラという軽量の木製椅子という話。
それも展示してあり、あらためてその軽さと木組みの凄さと座り心地を確認できたことが良かったです。
あー- 幸せな時間でした。

本物に囲まれた生活は人生を豊かにするだろうけど、椅子を何十脚も置けるスペースもないので、自分としてはそれらのミニチュアを15年くらい前からちまちまとオークションサイトなどで集めています。ヴィトラデザインミュージアムも近いうちに行くところではあるのですが、このミュージアムが作るミニチュア椅子は世界最高峰だと思っています。
今回自分の持っているミニチュアの現物を見ることができたし、座ることもできたので、このミニチュアを眺めるたびにその座り心地を思い出せる幸せが増えました。

 

2023ダカールラリーに向けて For 2023DAKAR Rally

 

2023ダカールラリーに向けHRCは既にテストや10月に行われるモロッコのレースに向け準備をしています。
新しいライダーも加わり、3回目のダカールラリー優勝に向かっています。

ノグチシートもHRCのシートをサポートして今年で12年目となります。

こうして世界的な大企業に混じって、テクニカルサプライヤーとしてシートの開発や技術提供を行い、今まで2回の優勝に貢献できたことは誇りに思っています。
社員数10人にも満たない会社がこうしたサプライヤー業務をするという事は、技術もさることながら、チームやライダーに対する「熱量」が非常に重要なウエイトを占めてきます。
単純な話、全然勝てなければどこかでお手伝いする気は失せてしまいます。
しかし、勝てなくても「勝つ気」が伝わってくると、勝てなくても意味は全く変わってきます。
2023の契約もしました。

野口装美は今年で53年が経ち、バイクのシート改造は私が手掛けて既に30年も経ちました。始めた当初と比べたら材料、道具、仕上がりどれもどこにも負けないという自負があります。
しかし、まだ足りないというのも事実。
世界最高峰のラリーのシートからは多くのことを学びましたが、まだまだ知らないことも多いのです。
ただ作るのではなく「勝つ」という「情熱」を維持したまま進んでいきたいと思います。