今回は自身3回目となるトゥアレグラリーを走ってきました。
2012モロッコ 2014チュニジアと参加し、今回の舞台はアルジェリア。
そう、第10回までパリ-アルジェ-ダカールと、パリダカのアフリカの入り口となったアルジェリア。
長い内戦から非常事態宣言が解除されてまだ10年も経っていない国だけど、やはり行ってみないと分からないことだらけで、行く前の不安は何だったのだろうというくらい平和なところでした。
アルジェリアを舞台にしたトゥアレグラリーは7日間で1,500km。そのうち砂丘が500kmと言うなかなかハードな物でした。砂漠ではなく砂丘が500kmと言うのは慣れない私にはかなりタフな道だったので、全てを走るプロクラスから途中でランクを下げて走ることにしました。
それでも私にとっては十分すぎるほどの砂遊びが出来たので満足しています。
果てしなくはないけれど、どうかしたらそう見えるほど広い砂丘を目の当たりにして胃が縮む思いをしたり、GPSが示す方向には目標物は無く、ただ地平線に向かってアクセルを開けるだけとか、普段の生活では絶対に出会うことのない風景とクラッシュしないように走る緊張の毎日は、ラリーに来てよかったと思える時間なのです。お世話になったメモツアーの食事。
もう毎日大満足でした。シェフの気さくな性格と気遣いが、おいしさを倍増させてましたね。文句なく美味い!!!
そうそう、今回初めて海外旅行に日本食を持って行きました。空港の待ち時間で友人のお土産を買うついでに手に取ったインスタント味噌汁。これが大正解で、チームのシェフが気を利かせて、3人いた日本人に毎朝焼きめしを作ってくれたんです。その焼き飯と合わせて飲むみそ汁がたまらなくおいしかった。
これはKTM950SEで参加していた人のビデオです。
この人とはよくコースで一緒になりました。なので、私の走りもこんな感じだったかな。でもあんなヘビーなバイクで砂丘は入りたくないな。
いつまで続くの?と言う砂丘を越えてきて、やっとゴールチェックで見えた砂丘群に囲まれたラリーのキャンプ地。ここには3日いました。全ての日程でホテルを予約していたんだけど、ここのキャンプから数キロ離れた町のホテルへの移動が大変で、行く手段を交渉したりするのが面倒くさくてツアーの親分に「地べたで寝るから毛布だけ貸してほしい」と頼んだら、テントが一つ空いてるから使ってもいいよと。
しかし、ここの夜はびっくりするほど寒くて、寝袋がない上に服も少なく、ありったけの衣類を体に乗せて寝たり起きたりの夜を過ごしました。まぁテントがなかったら全く寝れなかっただろうから贅沢は言わない。
風も強くて、2日目はあまりの風の強さにチームのテントが飛んで私のテントに落ちてきて危うく大怪我するところでした。朝それを見た親分は「怪我しなかったお前はラッキーガイだ!」ってサムアップしてたけど、いやいや、ピットのテントはちゃんと固定しておいてよ。
毎日明るいうちに帰って来て、砂漠のど真ん中でトレーラーに積んである冷蔵庫からキンキンに冷えたハイネケンを一気に飲む贅沢。砂漠の中で暖かいシャワーを浴びる贅沢。チームメイトと他愛もない話をして美味いご飯を砂漠の中で食べる贅沢。そして夜のうちに整備されたマシンでまた走る贅沢。ほんと贅沢三昧な遊びをしてきたんだなぁとあらためて思い返してます。
今回は日本から伊藤さんと小池さんと私の3人が同じメモツアーで参加しました。伊藤さんは不思議な縁で、今まで3回のアフリカのラリーで一緒なんです。特に日本で打ち合わせをしたわけでもなく、たまたま。なので、今まで伊藤さんと会ったのはアフリカだけ。気が合うのか不思議な縁です。小池さんも初めましてが成田空港でした。やはり日本語を喋る相手がいるのはありがたく、なおかつできる人たちなのでずっと楽しく過ごせました。いろいろ手助けもいただきありがたかったです。
ラリーの何が良いって、一言では言えないんだけど準備からゴールするまでの緊張感やゴールした後の達成感と言うか解放感。
私にとって、非日常を体験するための手段はラリーであり、大げさですが冒険でもあります。どう走ったかと言うレベルの差こそあるけど、ずっと憧れていたアルジェのサハラ砂漠を走ったという事は人生の大きな糧ですね。
こうして写真を見ていると自分じゃないみたいで、我ながらカッコいいやんってニンマリしてしまいます。
仕事も人生において大事なことだけど、同じように大事なものは私の場合ラリーから得てきたと言っても過言ではないですね。
50歳の良い記念になりました。
4/20発売のBIG TANK MAGでも少し書かせていただいております。そちらも併せて読んでいただけるとありがたいです。