ダカールスペックシートの証

何年前なのか忘れてしまったけど、雑誌の取材を受けた時に手っ取り早くノグチシートの性能を説明する言葉として「ダカールスペック」という言葉を使った覚えがあり、それが記事として載ったのですが、その記事がどの雑誌だったのか思い出せない・・・
2020 2021 2024と過去3回ダカールラリーで優勝したHONDA CRF450RALLYのシートは全てノグチシートでした。
2013からダカールの現場に復帰したHRCのシートを今も作っており、そのシートは毎年アップデートされています。
ちなみにダカールスペックを語るうえでこういった写真が伝わるかなと思い載せてみました。ダカールのトップライダーの走りは1日でタイヤをこのようにしてしまうほど激しい走りです。その走りを支えるシートと言えば伝わるかなと思います。

ダカールスペックシートは基本的に衝撃吸収材T-NETとノグチシートオリジナルウレタンの構成であり、そこにライダーの好みによって形状を変えたりしています。

ダカールスペックという言葉で説明をするようになって数年で、お客様からも「ダカールスペックでお願いします」という言葉を聞くようになりました。
オフロードに限らずオンロードバイクでも、シート形状などが違ってもダカールを走るシートと同じ性能が良いというお客様は多いです。
今までは、衝撃吸収材T-NETを挿入したシートにはこのステッカーを裏に貼っていました。insideTというのはT-NETが入ってますよという感じです。要はインテルインサイドってステッカー見て思いついたというのが正直な話です。
このステッカーをダカールスペックに変えたらどうかなと思って作ったのがこれです。

こんなステッカーの偽物が出ることは無いのは分かっているけど、右上に透かしのようなノグチシートのロゴも付けてます。
これからはダカールスペックのご依頼を受けたお客様のシートの裏にはこのステッカーを貼ります。
普段は見えないところに貼るので、お客様の自己満足につながればいいなと。
このロゴを新たなブランドとして進めるつもりはないのですが、もしそうなったらという時に色々お試ししてます。
ジャケットに貼ってみたり
バーパットにプリントしたり
ワッペン作ったり。

毎日同じシートを作っているわけではないのですが、こうした新しいことをすると少し変化があって、ほんの少し楽しくなります。
しばらくしたら呼び名が変わってたりする場合もありますが、またその時はかっこいいネームを考えることにします。

 

TE250iのグリップシートカバー

先日、ハスクバーナのTE250iを購入したと書きました。
となればシート改造です。
エンデューロマシンなので、これでツーリングをする気はないので、とりあえずカバーを取り付けます。(先日100kmほど乗ったんですが、意外にノーマルでもそこそこ行けると感じたのでしばらくはこのノーマルウレタンで乗ってみます)
既に国内のハードエンデューロにテスト的に投入しておりますし
ギリシャのヘラスラリーでは優勝したマシンに装着されて、その耐久性なども実績として積み上がってきています。
私自身がハードエンデューロに出るかどうかは別にして、そんなシチュエーションの山遊びは好きなので、本格的な軽くて遊べる2STバイクに装着して確かめようと思います。
休みの日の早朝にコソコソと現場で一人作業です。
ちなみにノーマルシートはこんな感じ。それなりのグリップ感があるカバー地になっています。
見た目は賛否あろうかと思いますが、これは効きます。
B-42のビニールレザーの色も車体に合って良いです。
急な斜面でしっかりお尻をホールドするので、その分ステップへの荷重がかけやすくなります。
マディのモトクロスでも威力は発揮できるかと思います。
そしてこの滑り止めの利点は、素材が柔らかいのでリブ加工されたものより硬さが無いことなんです。違和感というべきかもしれません。これも好き嫌いがあると思うのですが、違和感がなくグリップが強いというのは今までそれほどなかったと思います。
何時売るんだ?と聞かれるのですが、まだ未定です。売らないかもしれないし、暫くお試しですね。

これと同時に作ったのがこれ
HRCのCRF450RALLYのダカールラリーシートでは衝撃吸収材T-NETが挿入されており、当初からずっとそれは変わりません。
何年か前の取材時に、この衝撃吸収材T-NET加工を施したシートを「ダカールスペック」として掲載いただきました。
それ以降、ダカールラリーでライダーのお尻を守り疲労軽減をする衝撃吸収材T-NET加工されたシートをお客様に「ダカールスペック」としてご提案させていただいております。


衝撃吸収材T-NETが入ったダカールスペックのシートにはこのステッカーを貼っていたのですが、ダカールスペックと呼んでいるのだから、ダカールスペックというステッカーに変えようといろいろ検討してる最中なんです。

社内のにわかで構成されたデザインチームでこんなロゴを作ってみたわけです。
スラムダンクってこんなロゴじゃなかった?とか意見もありましたが、なんかいい感じなのでいろんなところに貼ってあーだこーだ考えてます。
もう少ししたらシートに貼るステッカーもできますのでまたその時にはお知らせします。

 

 

ハスクバーナ TE250i

結構前から欲しいなと思っていた2st250.
CRM450Lがあるから十分じゃないと思われるかもしれませんが、やっぱり2stに乗ってみたい。
先日、友人が乗るKTMやBETAなどに試乗して更に欲しくなってしまい、色々探しているうちに中古の良いものを見つけて、売ってるバイク屋さんも知っているところだったので即購入。
ベータのデザインは好きなんだけど、ハスクのこのカラーも好き。
グレーにもしてみたい。
450も速いけど、やっぱり2stのこの感じはいいですね。
目が付いていかないのは仕方ないとしても心躍ります。
そしてこの軽さ。
ハードエンデューロに出るわけではないけれど、山の小径は少し探検したい。
この軽さなら一人でもなんとかなりそうな気にさせてくれますね。
開発が止まっている、例の超グリップシートカバーはこれで色々試そうかなと思います。
ツーリングバイクではないので、乗り心地は2の次。
いくつになってもおもちゃを買うのは楽しいです。
これで、しばらく遊べそうです。

 

ハイグリップシートカバーでヘラスラリー優勝!!!

少し前にノグチシートに遊びに来てくれたToni Mulecがギリシャで行われたヘラスラリーで優勝しました。
トニーとトニーを紹介してくれた友人の池町(2000のダカール2輪総合10位で今年のダカールでも完走)そして僕。

会社に来てくれた時に、手ぶらで帰ってもらうのもなんだなと思って、テスト中のグリップシートカバーを渡して「ハードエンデューとかモトクロスで試してみてよ」と伝えたんだけど・・
ハスクのラリーマシンに張り込んで「これからギリシャのラリーだ」ってインスタに上げていた。
グリップ強すぎて7日間のラリーで色々問題でないかなと思ったんだけど、

「大丈夫!このグリップすごく良いぞ」ってコメントが返ってきた。
だって、プロローグランでこのタイヤ・・・・
砂漠のラリーと違って、ギリシャの山岳地帯の高速林道を「ぶっ飛ばす」ラリーなので、ハイスピードに耐えうるグリップが必要なんだという。


そして気になるのがグリップシートの耐久性。
トップライダーの激しい走りを7日間支えたシートはどうなっているのか。
帰り支度で忙しいトニーに無理を言って写真を撮って欲しいとメッセージを送ったら。
「今フェリー待ちなんだ。バンに積んでしまったのでこんな写真だけど大丈夫?」
「僕が見たところ、シートカバーに破れやグリップ素材の欠損もないし、何よりまだまだ使えるよ」

と嬉しい返事が来た。


見る限り全く問題はないですね。
いよいよこのシートカバーは、もう少し広げて行っても良いかなと思えてきた。
ダカールラリーで15位に入り、ルーマニアクスでは2位、今回のヘラスラリーでは優勝と、いわゆる世界で活躍するトップライダーがモニターとなってテストしてくれる機会に恵まれたことに感謝しかないです。
たとえ悪い結果が出ても先に進めるし、良い結果が出た場合はさらに良い方向に行ける。
カバーの開発という今まであまりやってこなかった分野なので楽しいです。
ちなみに自分でも試しているのでその感想を少し。
グリップさせるためのパッチは薄い基盤の上に細かいヒダが108個並んでいて、そのヒダが前後左右の動きに追従しパンツにしっかりと刺さるので高いグリップ力を発揮しています。薄さとヒダの細かさのおかげで着座時にお尻にそれがあることを感じることがありません。普通に座るだけだとグリップ素材がそこにあることが分からないレベルです。
体重移動時にはひっかる感じは無いのですが、不意に振られたときや、急坂で体が遅れそうになる時も、お尻がずれないので足の踏ん張りがいつもより効きます。言葉で旨く伝えられないですが、自分でも気に入ってます。という事です。
トニー 優勝おめでとうございます。

 

 

タックロールのこと

座面の模様としてタックロールやダイヤキルトなどの装飾を施すことがあります。
タックロール

ダイヤ模様ですね。

縫製で凸凹を付けるパターンが一般的ですが、当社では高周波ウエルダーで上の写真のような防水性能を持った状態で溶着タックロールも可能です。

この写真のように 1-2-3と溶着用のバーを用意していたのですが、特に3は金型を作ったけど思ったような模様が得られなかったんです。
1の金型も作ったのですが(狙いは縫製の糸をイメージした)これもなんだかいまいちだったんです。
そんなに需要も無いけど、欲しいなと思っていました。
先日ふと「これを使えば欲しい模様が付けられるのでは」と閃いて、早速工作したらこれです。
やっと手に入りました。
僕は閃いたけど、こうした模様をつけているメーカーは、ずっと昔に同じことを思いついていたんだろうなと思います。

とにかくまた一つノグチシートのクオリティが上がったと思います。