フェラーリF40LMシートのレストア Ferrari F40LM Seat repair 

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説明が要らないスーパーカーF40LM(LMはLe Mans耐久レースバージョン)
最近では車というより、美術品としての扱いの方に世間の目がいっている気がします。

そんな車のシートが入ってきました。
キャプチャウレタンはキルティング部分以外はそれほど傷んでいるわけでは無かったので、ウレタンは補修などでいかがですかという提案をしましたが、全張替でという要望でシェル以外新品にすることになりました。
サイド削る前シェルのサイドがコンソールに当たっているという事だったので、シェルを削ります。
サイド削り後

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次にシェルのウレタンを貼り付けていきます。
新品ウレタン貼り付け新品ウレタン貼り付け2薄いウレタンでも快適なドライブが出来るように衝撃吸収材T-NETも挿入してウレタンを貼り付けていきます。

完成シート

張替後 (1)

張替後 (2)

張替後 (3)

 

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お客様からは装着写真も送っていただき、仕上がりには大変満足しましたとご連絡を頂きました。

喜んでいただけて良かったです。ありがとうございました。

 

 

 

ONE PIECE 連載20周年企画「ワンピいす」の製作

ちょっと変わった椅子を作ってほしいんですが、と相談がありました。

ワンピースが連載20周年という事で「ワンピいす」という椅子を作るので協力をしてほしいということでした。

1そしてこれを読者プレゼントしてしまうというなかなかすごい企画。

昔のマッサージチェアーのような感じで・・から始まり、あーしてこーしてと椅子に求められるスペックを考えると、一般的な家具のフレームでは壊れる可能性があるので通常の1.5から2倍の強度を持たせたフレーム作りから入りました。

IMG_4688信頼のおける木工屋さんにて、完成案からフレームの分割を考え、CGに近い形になるよう何度も打ち合わせをします。

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枠が出来たらウレタンを張り込んで、ボリュームを出して、張り地の型を取ります。

いきなり本番ではなく、試し張りをして確かめます。

 

その合間にこんなゆるキャラの修理も舞い込んできたりします。
IMG_4753ちなみに、この子は頭部を骨折して当社に入院してきました。

話がそれました。

ワンピいすに戻します。
IMG_4844この椅子には電動で動く様々な機械が付くため、それを制御するコンピューターがここに収まります。うちの仕事は椅子本体と本棚の製作、銅鑼の枠まででした。
3椅子本体の納品前に昨日部品の取り付け確認をしました。
ここからは別のところで最終仕上げをします。

そして先日、12/16-17に幕張メッセで行われた行われたジャンプフェスタでお披露目されました。
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ツイッターの公式サイトでも紹介されていました。
5動画はここから。
25394067_2016376728372554_838057437_n25434024_1784424524965578_131093303_oなかなかな大舞台でのお披露目でした。
onep_isu1onep_isu7http://kaibutsu.jp/?p=2828

果たしてだれが当選して、この椅子を自分の部屋で楽しむことが出来るのか。
自分の部屋に来た時の衝撃はかなりなものになるだろうと思う。

楽しいお仕事でした。
野口装美はこうした特注の椅子も承っております。

 

 

タイヤキャリーバッグ Tire carry bags

先日、HRCダカールチームから依頼があったタイヤキャリーバッグ(ホイールキャリバッグ?どっちの呼び方がいいんだろう)の紹介記事を書きました。
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そしたら、ありがたいことに個人のお客様からの注文も頂き何点か作ったので紹介します。

先ず一つはこれ。
ジャーン!なんというか、とんでもない人へ渡っています。
23314243_2118494294842837_1288832254_o女王、ライア・サンツ。しかもサイン入りの写真。KTM450RALLYの新型がモロッコで真っ黒だったし、黒にオレンジのワンポイントが、ライア・サンツが来ているベストにもマッチしてる。なんといってもこんなスーパースターが使ってくれるのは嬉しいの一言です。後ろのテーブルには3年ほど前に渡した工具巻きもあるし。
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次はこれ。
HRCのメカニックもされている方から、BAJA1000で使用するという事でご注文いただきました。
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次は普段使いにとブログを見たお客様から
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0.5mmのターポリン素材に10mm幅という大きなファスナーを使用。スプロケやディスクが当たる場所には厚さ3mmの緩衝材が入っています。

お客様のロゴやその他カスタマイズも可能です。
お気軽にお問い合わせください。

 

工具箱の蓋裏 Tool box pocket

某有名メカニックからこんな依頼が

「作業中にアメ舐めて整備したいんだけど、そのアメを入れるポケットを作ってほしいと・・・」

アメって。
ラリー中、徹夜で作業することもあるメカニックは、アメでも舐めて糖分をしっかりとり、常に最高の整備をしなければならない。2週間に及ぶダカールラリーは長いけれど、整備のちょっとしたミスが全てを台無しにする。
そう考えると今回の依頼も、とても大事な依頼だと理解できます。

と、どうでもいい前置きはいいとして、

工具箱の蓋の裏はデッドスペースになってることが多い。
powder-coat-homak-portable-tool-boxes-rd00203200-64_300中にはこの写真の工具箱のようにタイラップなどで固定できるようにパンチングされた鉄板が付いている場合もあります。
R8770713-01最初からこうなっているものもあります。

それを利用した例が次の写真です。
21733761_2048069475218653_1793081689_oふむふむ。色々つけてるな。でも、いまいち使い勝手が悪いとのこと。
21706045_2052588288100105_24767784_o現地から寸法も届いた。
何を持ちたいか、数枚の写真でだいたいわかった。
分かったらとりあえず作って、使ってもらおう。
1回目でダメ出しをしてもらい、2回目で完成に近づけ、3回目に製品化・・となればいいな。と思いつつ1個目を現地へ発送。
22095231_2065943923431208_988648280_oアメだらけ ^^ ^^
だいたい欲しい条件はクリアしてるけど、筆入れやポケットの広さ、全体の寸法など少し改善したいという要望。
ちなみに指示書はこれ・・・ざっくりにもほどがある指示書。
見て感じろ的なやつです。

そして2回目の製作をしている途中で、1個目の試作見た周りのメカさんたちも
「俺もそのアメ入れが欲しい」と。
1個も3個も変わらないので製作。
そしてまた現地から届いた写真がこれ。
22882167_2105292872829646_1430234912_o 23191970_2114284258597174_1537409510_o 23226976_2114288358596764_286110998_nまだ届いたばかりで適当に道具を刺しただけですが、これで良いでしょうという合格ハンコをいただきホッとしています。

ノグチシートではこんな便利グッズも製作しています。

そして

キャプチャ

とりあえず2018ダカールに向けてのノグチシートの仕事はひと段落ついた感じ。
シートもタイヤキャリーバッグもあれもこれもいろいろ作りました。
もちろん、まだ依頼があれば作りますけどね。
シート以外の、こうした便利グッズでライダーを支えるメカニックさんたちのストレスが少しでも少なくなれば、より優勝に近づくのではと考えています。大袈裟か・・

 

 

タイムライフチェア Time-Life Chair1960

ある仕事の依頼でお客様の会社に出向いた時の事。
地下の管理室にあった、座るには躊躇するほどボロボロになった椅子が有名なデザイナーの椅子だったので
「今回の仕事とは別ですが、この椅子はどうされますか?」
「最近の使い捨ての椅子とは違い、張替ればまだ十年以上は使えますよ。これはとてもいい椅子なので張り替えるに十分な理由があります」と説明しましたが、
お客様は「でも、張替えるにもお金がかかるから、もうすぐ捨てるんだ」「欲しけりゃ持って帰っていいよ」という事で、そのまま数脚いただいて帰ってきた。

IMG_4138イームズって言う人の名前は聞いたことがある人も多いと思います。
建築家であり現在も世界中で愛される椅子を始め様々な商品をデザインした人です。
この椅子は、そのイームズが1960 Time-Lifeビルのロビー用にとデザインした椅子です。
なのでタイムライフチェアと名付けられました。
この椅子をくれた会社は創業時の1965年からこの椅子をロビーで使っていたけれど、古くなりお客さんに座ってもらうには酷い状態だけど、捨てるにはもったいないという事で地下の倉庫に山積みにされ、その一部は管理人室で使用されていました。なので、これは50年経過したヴィンテージ物となります。
このタイムライフチェアは、現在も生産されていますが名前がエグゼクティブチェアとなり、脚もキャスターが付いていわゆる「重役椅子」のようになっています。
123これだと正直あまり魅力を感じません。
貰って来た椅子を見ると現在生産されているものや、20年前の物と比べても違いがいくつかあります。
1
ヴィンテージのタイムライフチェアの写真を見ても、なかなか見つからない同じ物。
36貰ったものは背もたれのクッションが、それぞれ1本のボルトで固定されいるんですが、検索で出てくる物は殆ど2本。
CH_TLpDb025-506x500Time-Lifeビルのロビーの写真を見つけました。たぶんこの初期モデルと同じものだと思います。
それと、初期の物はロビーやラウンジでローテーブルを置き、そこでお茶でも飲みながらくつろぐ為の椅子だったので、現行品より幅が広く背もたれが低い仕様です。座面は低く、角度も現行品より大きく取ってるように思います。
11069301972年ボリス・スパスキーとボビーフィッシャーの世紀のチェス対決ではこの椅子が使われました。これもフレームを見ると背もたれはボルト2本止めですね。
量産化となり、組み立てしやすく合理的な改良をしながら現在に至っている歴史を見るのも、息の長い椅子の楽しみです。

余談ですけど、

ウエグナーのPP503 通称「ザ・チェアー」
椅子の名前が椅子ってのもすごいなと思うし、ケネディーとニクソンの大統領選討論会で使われたこの美しいフォルムの椅子はいつか手に入れたいと思っています。

さて、ばらす前に椅子を眺めていると50年経過してプラスチック部品は割れもなく、回転部分のガタはほぼゼロ。カバーとスポンジ以外は全く問題ないという点に驚かされます。
これだと修復がしやすいです。とは言え、手の込んだ作りなので簡単にはいかないです。
さて、ばらしていきます。
IMG_4153IMG_4154アルミの鋳造部品はエッジの効いたラインと、少しルーズでヌルっとした面がとても美しいです。
IMG_4155IMG_4169カバーを外してスポンジ部分を観察します。変わったスポンジの構成になっていました。なぜそうしたのかという理由を探るのも椅子屋として勉強になります。スポンジは変形してへたっているので全て新品に交換します。
カバーも本革から高級素材Kvadrat社の平織に変更して張り込む事にしました。
本革は高級で長持ちすると言われていますが、革は蒸れますし、滑ります。リラックスするための椅子であれば通気性のある布で適度なすべり止め効果があったほうが良いと私は思います。もちろん革にも良いところはたくさんありますが、革が最高級、最上級ではないという事も知っていて良いと思います。

作業途中の写真が全くなくてすみません。
完成です。

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太いパイピングがこの椅子の特徴でもあるので、そこは同じ太さにしました。
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アルミ部分はヘアライン仕上げにするか、ピカピカにするか悩んだけれど、ピカピカにしました。

IMG_4496自己満足ですが、スポンジの構成を考えながらできるだけ当時のディテールのまま仕上げたつもりです。50年経ってもこうして新品のようによみがえる椅子はとても魅力がります。
座り心地は申し分なく、これでゆっくり本が読めそうです。
欲を言うならオットマンが欲しいところですが、それはまたいずれ。

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