BAJA1000を目指す元キャンギャルのシート

少し前のブログでも書いたBAJA1000を目指す元キャンギャル、塩野さんのシートは現在調整を重ねております。

練習の模様からシートの話は今月号のFRMでも紹介されています。

後はFRMを購入して読んで下さい。

今回はスーパーLowなシートが希望ではあるんだけど、足つきを取るか、お尻の痛みを軽減するクッション性をとるか・・・悩みどころです。

見本で送られてきたシートは、荒削りの単に低くしただけの幅広Lowシートでした。座面幅も広くまたがると足が開いてしまい、低いのに足つきが悪い状態です。それを見て当社で考えたシートは、少し高くして、座面幅はギリギリまで狭く、座面は軽くラウンドさせるという形でした。しかし、結果は高くて怖いという事で、クッション性を削って、幅を維持できる所まで下げてみた。

座面のカバー材にアルカンターラを使う理由は、適度な滑り止めの効果や柔らかいタッチ、長時間のシッティングでも蒸れない事にあります。バハはスプリントではあるけれど、距離はラリーレイドの日々のステージと変わらないので、ラリーでは多くのライダーが使用することに決めたわけです。朝露はあるけれど雨の中を走ることはないので、濡れる心配もありませんしね。

そして、ファーストインプレッション後、このような返事が杉山さんから・・

【結果: ベース(当方改修品)に比べて *巾が狭くて、良いです *シート高が高くて目線が上がってしまい別なバイクに乗ってる感じ。怖い? *乗り心地はとても良い。

ベース(当方改修品)は、幅広で、シート高低い割には足付き性が今いち、シート固くて長時間ライディングはNG
ということで    巾はキープで、シート高を出来る限り下げて頂きたいのです。    僕と小林は、量産シートを使い、塩野のみ野口さんシート対応とする予定です。    ですので、その辺りを割り切って頂いて加工していただけると幸いです。】

と言う内容でした。

 

なるほど、とにかく足つきを優先したいわけですね。色々意見はあるものの、ライダーが何を優先したいかを実現することは重要なことです。しかし、あれもこれも全部叶えて欲しいという要望には、要望に優先順位をつけて詰めていくしかありません。

そして2回目の試作をして試乗してからの返事が

【シート固かったです。足つき性は改修前より向上しておりOKサスペンションの1G抜き過ぎで、ストロークのない所を使っていたことから固さが出てたのも影響してるので、サスとシートと固さに対する切り分けを行いたい】

まぁそうなりますね。同じ硬さでクッションの厚みを薄くするとベースにお尻が当たってしまいます。固いと言う表現は非常に抽象的でもあり、それがベースに当たって固いのか、ウレタンが固いのか、シッティング時に感じるお尻への衝撃なのか・・・そして

【当方のシートと比較した結果から、硬さは野口シート改修品の方が少し柔らかい感じ、巾が狭いのも相変わらずの良い所です。今のバイク完成車として、絶対的に硬く感じるのは、サスペンションの問題も影響しているので、そのあたりをクリアーにしてからシートの方を判断したいと思います。
今回2台バイクが有り練習車 OPの前後サスペンション付 (FR0.45kgf/mm.  RR 5.22kgf/mm)量産車 量産の前後サスペンション付(FR0.47kgf/mm.  RR 5.5kgf/mm)
練習車の方が、柔らかい仕様なのに、実際は硬く感じる。RRサスの1G合わせが、40㎏弱の塩野の体重に合わせていて、抜き過ぎていたので現地でSPG締めこんで対応したが(サスストロークのない所で使っているので硬さが出る)それでも硬さが残っている。車高的には、シートの分だけ量産車の方が高い。】

なるほど。こうして具体的なセッティングデータを出してもらうと、色々とシートの方向性も見えてきます。そして、練習を続ける塩野さんも足つきより、ライディング姿勢のほうが気になりだしてきたので、更に改修は進みます。

まだ時間はあるので、この機会にスーパーLowシートでの居住性は確立できるのかを検証してみたいと思います。