モーターサイクリスト3月号 掲載

モーターサイクリスト3月号にノグチシートを取り上げていただきました。


ネット記事が多くなった最近、雑誌の取材を受けることが少なくなりました。
久しぶりですが、こうしてカラーページで取り上げていただけるのはありがたいです。

取材中に「市場調査などはどうされてますか」というのがあったのですが、今まで市場調査という言葉は知っていても考えたことがなくて、この質問を機に今までどうしてたかなと少し考えてみました。
このバイクシートの加工を始めたころはやはり試行錯誤しながらだったので、お客様にアンケートをとったりしていたのですが、わりと早い段階でそれはやめました。
なぜなら、乗り方、体格、性別、感覚、全員違いますからね。
少々言葉が乱暴ですが、私の考えは市場調査の素人が素人に聞いても何も生まれないという事なんです。100人のデータを取って平均値を出すより、自分が乗って良いと思ったものを提供する。自分が1000km乗ってお尻が痛くないものであれば、例えお客様に合わなくても諦めがつきます。
プロを相手にするときは聞き取りから色々変わりますけどそれは割愛します。
なにより自分が満足していないものを作っていても不安しか出てこないんです。
加工したけどイマイチだったという意見が聞こえれば、開き直るのではなく、またそこから改良を進めればよいわけです。全員を満足させることは不可能なことなのです。

こうして今の衝撃吸収材T-NETやオリジナルウレタン、防水コーティングなど独自の材料と工法ができてきたわけですが、始めたころにはロゴがダサいとか、もっとこうしなきゃとか、そもそもラリーのシートなんて仕事にならんでしょう・・・まぁいろいろな意見をそれなりの人たちからいただきました。が、アドバイスは聞いたけど実践しなくてほんと良かったと今になって思います。
しかし、言われたことって忘れないんだなぁ。
ネガティブな意見だけをバネにしてやってるわけではなくて、大好きなバイクでラリーに出たりツーリングしたりしながら、もっと楽しく乗るにはとシートの可能性を常に考えているわけです。
自分はプロのライダーではないけれど、プロのシート屋なのでプロとはどういうことなのを常に考えて行けたらと思っています。

そんなこんなで、有限会社野口装美は今年で55周年。ノグチシートの部門は35年も経ちました。
これからも宜しくお願い申し上げます。